彗星は、当初の予報よりは1~2等級暗かったようですが、遠征期間中はちょうどおうし座の中を移動中で、ヒアデス星団に近づきます。半月前に比べれば、明らかに尾が短くなっていて、かなり頼りない感じもします。そして、6日(7日早朝)の月齢は24.5で、土星と「接近」しています。とは言っても、4°(月の直径8個分)は離れていますので、ゆるい感じで、という程度です。

見かけ上は、月は土星の100倍の大きさ
7日夜は宮古市の浄土ヶ浜へ。リニア彗星の観測・撮影の後、冬~春の星座の星雲・星団・銀河を多数撮影。明け方近くになり、かなり雲が出てきて観測は中断。雲の流れを追って東の空を見上げたところ、「漁火光柱」が突如として出現しました。つい一ヶ月前に普代の黒崎で見たばかりでしたが、今回は柱の本数が10本以上です。しかも、光の加減により色つきです。いいもの見たなぁ、と余韻に浸っていたところ、浜に下りてきたのはパトカー。巡回中の警官としばしお話。聞くところによると、市街地からでも光柱は見えたようです。

最も明るく、色がくっきり見えた頃
8日、彗星観測後は、動画作成用に、望遠レンズで移動の様子を連続撮影、を始めたのですが、途中でうっかり寝てしまい、目が覚めた時には彗星はほぼ西空に沈み、カメラと望遠鏡のバッテリーは切れ、画像も中途半端なところで終了。ほとんど収穫ゼロの、何とも悔やまれる一夜となりました。明け方に撮ろうとした、昇る地球照の月も雲に阻まれあえなくアウト。
9日の夜も、彗星から始めて、夜半までは星団と銀河の観測と撮影。少々疲れがたまってきていましたので、国道脇の路側帯に移動して仮眠。深夜、窓ガラスをたたく音で起きてみたら、釜石署のパトカー。お陰様ですっかり目が覚め、移動の後、明け方の月(地球照)が昇るところを連続撮影。釜石大観音の頭上に達する前に、空が明るくなりすぎて、残念ながら終了。やはり、9日の朝が最適だったようです。方角があっていることは確認できましたので、機会があれば再トライということで。

日の出1時間前まで限界
なお、この日の朝は、月の出のちょうど2時間後が日の出で、出の方角(方位角)が全く同じという珍しいことが起きました。もっとも、それに気づいたのは太陽が顔を出した後でしたが。日の出を見て、「あれっ」と思って調べた結果でした(真東から、28°南寄り)。年に数回あるようですので、次のチャンスには何かしてみたいと思います。

カメラのアングルがちょっとずれました
10日、最終夜です。彗星撮影後、雲が出てきましたのでここは潔く、一旦撤収して件の路側帯にて仮眠。明け方近く、ISSが好条件で通過しますので、撮影場所へと移動。今年の初ISSです。南西から北東、150°以上の長径路で、見え始めが特に明るく輝き、薄明が始まった空に吸い込まれた後も、しばらく消えた方向を眺めたままでした。

魚眼でも収まりきれません
さて、観測の主目的だったはずのリニア彗星ですが、ここまで暗くなると望遠鏡の1000mm直焦点でやっと、というところ。中望遠レンズでも、日々の移動をとらえようと撮影はしましたが、あまりに小さすぎて画になりません。残念ながら、今回は没と相成りました。

徐々に暗くなっています
冬型が強まった期間だったようで、7日朝には最低気温-3°ほどだったものが、毎日1°ずつ下がって、11日朝には-8°にまで。沿岸でこんな感じですので、内陸はさぞ冷えたことでしょう。帰路、休憩した「道の駅・紫波」では、8時過ぎでも-12°でした・・・。