
ωは全天で最大、M13は北天最大の球状星団
趣向を変えて、今回は最初に画像を1枚。関東以南に観測に出かけた際に、何度かお目にかかったことのあるω星団ですが、岩手では実ははっきりと見た記憶がありません。それもそのはずで、ケンタウルス座という、東北地方から見ればほとんど南天の星座といっても過言ではないような星座中にあります。北緯40°であれば、南中時でさえ、その高度はわずかに3°程度。内陸にいては、よほど高い山にでも登らない限りその姿を拝むことさえできません。
季節の星座分類では「春」の星座とされ、南中する様子が見られるのは1月末から6月半ばまででしょうか。そして、やっとその時期にさしかかってきた今日この頃、なんとしても「岩手で」見たい欲望に駆られ、沿岸南部に遠征しました。南に海が開けている場所、あるいは標高が高くて南側の視界がよい場所が狙い目です。最初に向かったのは、大船渡市は五葉山の麓、鷹生ダムの展望所です。が、現地についてガックリ。展望所に至る道が全面通行止めです。
とっとと諦めて、陸前高田市へ。元の、道の駅「高田松原」の建物前です。今でも、スクラップと化した多くの車の置き場になっていますが、少々のスペースはあります。「今夜はここ」と腰を落ち着けて、まずは星雲・星団・銀河の観測と撮影など、どころではなく、北風ビュ~ビュ~、西風ヒュルリ~ヒュルリ~ララ~。まぁ、月も残っていることもありましたので、しばらく様子見と相成りました。
やっと21:00頃から風が弱まり始め、いざ望遠鏡を設置して観測態勢に入ります。ほぼ予定通り、順調に次々と目的の天体を導入してはカシャカシャと、もう機械的に撮影、そして処理。天候は、ほんの1時間ほど軽く雪が舞った程度で、ほとんど終夜「晴れ」といってよいほどです。今回HPに追加した画像の一部がこれ。

「銀河」シリーズ

「星団」シリーズ

そして、「メシエ天体以外」シリーズ
さぁて、いよいよケンタウルス座の頭が見えてきました。しかし、出ているはずのω星団は肉眼では全く確認できません。望遠鏡頼みです。試し撮りをしたところ、大気を通ってきた赤い姿がボンヤリ写っています。高度は・・・まだ3°程度でしょうか。ここは北緯39°ちょうどで、それでも南中高度はせいぜい4°止まりです。が、この1°の違いが大きな違いを生むわけで、ついに岩手でとらえた大球状星団でした。次は是非肉眼でも確認したいものです。
「ω」とは、星につけられる記号です。星座ごとに、基本的には明るい順に(例外もあります)α、β、γ、δ・・・とつけられていきます。たとえば、さそり座(自分の誕生星座なので)のα星は「アンタレス」というふうになります。ギリシャ文字24の中で、オメガは最後ですが、古人が、星団だと気付かずに、1個の星だと思って記号を割り当てたもので、星団となってからも、そのままの記号で呼ばれています。
そんなこんなで、05:00近くまでねばってから、ISS撮影のために再び鷹生ダムを訪れました。展望所の反対側の駐車場から、ダムを歩いてわたり、五葉山を見渡す位置でカメラを構えて待ち構えます。通過予報時刻は、05:42~05:44、北→北東の低空(予報高度16°)ですが、ちょうど山の稜線に沿って見えるはずです。日の出1時間前ですので、薄明がギリギリ始まる時間帯、写しようによっては空がほんのり青く描写できそうです。結果は、

わずか40秒のみ
薄明が本格的に始まる前、ISSの光跡は雲に吸い込まれ、その雲の動きとともに山の背後に消えていったのでした。全天見渡しても、雲がかかっているのはこの一角のみ。山はホント、難しいです。ダム湖(「五葉湖」)にはほぼ全面に氷が張って、橋の照明を映していて、それはそれできれいな眺めとなっています。すぐ近くには温泉施設があり、けっこう流行っている様子。今度の遠征時にでも一風呂試してみましょう。
それにしても、沿岸部も寒いです。06:00時点で-7°ほどです。ところが、一歩内陸に入ると、これまたおもしろいように(?!)どんどん気温が下がっていきます。住田町で-12°、遠野市宮守町ではついに-18°(車内表示です)に。盛岡も10°ぐらいまでは下がったようですが、まだしばらく続きそうです。家の中の水道は、今のところ2/5(40%)が凍結状態・・・。
最後に、ωついででもう一つ。もう20年近く前になるでしょうか、ギリシャ文字(アルファベット)を憶えようとして、自己流の語呂合わせを作ったことがあります。【αβγδε/ζηθικλ/μνξοπ/ρστυ/φχψωの24文字】今思い出しても恥ずかしいもので、どうしもそっち(あっち?こっち?)系になってしまい・・・本邦初公開。「アベガデタイ/ゼッタイシタイカラ/ミニクシオッパイ/ファイカップサオメーガ」読み方と解釈はご自由に。お粗末様。