1月26日(木)~27日(金):お月様と宵の明星と一本松 | イーティーズ・プレイスの星空観測行

イーティーズ・プレイスの星空観測行

岩手の移動天文台、「イーティーズ・プレイス」による、星空と天体の観測記録。 http://www.justmystage.com/home/etplace/

23日の新月から三日目、ということはもちろん三日月。ここしばらくは、毎月末あたりに月と金星が接近します。1月は比較的「ゆるい」接近で、離角は約7度といったところ。月の直径が約30′(1°の半分)ですので、月と金星の間は、月(満月)14個分という、だいぶ離れた接近となります。2月以降はかなり近づく月もあり、その中で6月には日面通過、8月には金星食と、今年は金星が大きな話題を呼ぶ年です。

月没が20:00ということもあり、接近の様子だけを見るのであれば十分な高さで楽しめるのですが、風景とともに撮影となると、だいぶ暗くなってからのことですので、少々苦労しそうです。内陸もまずまずの天気が予想されてはいましたが、ここは思い切って一本松(陸前高田市)へ。満月の出を撮影して以来ですので、ほぼ半月ぶりのご対面です。


これは満月の出の比較明合成。300mの距離から100mm望遠

16:00前には現地到着。近くの駐車場であれこれ準備していたところ、大きなワゴン車が入ってきて、中から出てきたのは若者8名。ナンバーを見ると「尾張小牧」です。ボランティアでしょうか、それとも旅の途中でしょうか、寒風吹きすさぶ中をそろって一本松へと向かい、早々に体を縮こまらせて退散しました。こちらは、これから出動です。

この日の月没の方角(角度)は、北から西方向へ93°、金星は99°です。東や南の方向であればかなり融通の利く場所ですが、西方向はけっこう厳しいものがあります。松の木の真下か、堤防を進んだ場所しかありません。しかもぴったりの角度で撮影できそうな場所は・・・残念ながら海の中です。それでもギリギリ海面付近まで寄ってカメラを設置しました。木の真下でもいいのですが、木の大きさに比べて月が小さすぎます。三日月の地球照もくっきりと描写したいところですので、少々の望遠が使える距離まで下がって撮ります。木の全景用に55mm、木のアップと大きな月をねらって100mmと、二台での撮影としました。露出は地球照に合わせたところ、やはり木は暗くなってしまいます。画像処理で何とか、ということで、動画作成も視野に入れてどんどん連続シャッター。


100mm望遠での撮影。だいぶ離れています


画像処理でどうにか肉眼で見たイメージを再現


比較明合成するとこんな風になります

月と金星の間がけっこう離れていますので、理想的には一本松をはさむような形で沈んでいく画が欲しいところ。が、やはり予想どおり、狙ったアングルのちょっとだけ南寄りに没していきました。あと5°ほど北寄りに沈んでくれればぴったりでしたが、こればかりはしょうがありません。こちらが10mほど北寄りの場所で撮影しても同じですが、前述のとおりそこは海のど真ん中ですので何ともなりません。

一通り撮影後、ちょっと移動して望遠鏡を設置し、星雲・星団・銀河の観測と撮影に移行。東~南の空は比較的澄んでいますが、北~西は急にモヤモヤしてきました。湿度が相当高く、月明かりがなくて分かりづらいのですが、どうやら雪雲が迫ってきています。翌日の未明、北のごく低空ながら、ISSの通過が見られるはずですが、はたして。一本松の前ではオリオン座の南中にあわせて、無人カメラで撮影中です。


ちょうど南中の時間には木の真後ろ。左下にはシリウス

夜半前には、とうとう雪が舞い始めました。一旦望遠鏡にはシートをかけて待機です。放置したカメラは・・・けなげにシャッターを切り続けていましたが、木の背景は分厚い雲だけが写っていました。そのまましばらく様子を見ましたが、天候は回復せず、寒さにも耐えがたく、どうも中途半端な形で撤収と相成りました。

帰宅後、億劫にならないうちにと思って、画像処理に集中。あわせて、HPの「メシエ天体」のページのレイアウトも変更し、少しばかり見やすくなったのではないかと。これから画像をどんどん追加していく予定ですので、あまり大きいとスペースを取りますし、小さいと見づらくなり。そこのバランスをある程度考慮しての変更です。


検討の結果、このような形に

陸前高田市、行くたびに海が徐々に広がっているような気がします。地盤沈下のせいもあるでしょうし、海(波)が陸地を浸食してきているのかもしれません。国道45号線をはさんだ低地にはかなり海水が入ってきています。潮が満ちてきた時には、道路と海面がほぼ同じ高さになっていて、走っていて怖い思いもします。これからどんな形で復興していくのか、地域住民の意見や要望はうまくまとめられるのか、地元事情には詳しくない私でも、以前から何度も訪れている場所でもあり、やはり気になります。