1月17日(火)~19日(木):三晩続きの午前3時から | イーティーズ・プレイスの星空観測行

イーティーズ・プレイスの星空観測行

岩手の移動天文台、「イーティーズ・プレイス」による、星空と天体の観測記録。 http://www.justmystage.com/home/etplace/

16日に下弦となり、月の出が夜半を過ぎてくるとともに、岩手県内陸地域にも晴れの日がやってきました。ただし、各種予報とは(ちょっと)違って、夕方から深夜までは曇りやボンヤリした空模様ばかりで、スッキリとした晴れ間・快晴は3日とも午前3時を過ぎてからという、何とも中途半端というか、罪作りというか。

17日の観測も、実際は16日の日没とともに出かけたもので、HP用に星雲・星団・銀河を撮影することが最大の目的でした。南の方が晴れの可能性が高い予報でしたので、矢巾~紫波~花巻、と移動しましたがずっと曇りでしたので、花巻~矢巾、そして再び矢巾~紫波と、もうさまよいっ放し。やっと星が見え始めたのは17日の午前3時頃から(ただし雲が次々に湧いてくる状況)です。結局、目的の画は1枚も撮れず。紫波で唯一雲間にとらえたのは、・・・。


下弦の月、土星(左)、スピカ(右)による「にこにこトライアングル」

未明、ISSの通過が予報されていましたので、急いで盛岡の岩山へ移動。日本海から東北・北海道上空と、久しぶりにほぼ直上を航行するため、南西に見え始めたISSはまっすぐに駆け上り、頭上をとおって北東方向で見え終わりです。が、肝心の南西には厚い雲がかかっていて、その動きも複雑です。通過時だけ、一瞬でも晴れ間が出ることを祈ってシャッターを切り始めました。幸い、-2.2等級のISSの輝きは雲を通して十分に見える(写る)ほどでした。


盛岡市街上空、左(の下)の赤い星は火星

同日の日没直後、紫波と決めてお出かけ。絶対移動しないぞ、と覚悟して。が、深夜までどんより。夜半過ぎからポツリポツリと星は見え始めるのですが、薄い雲が空一面です。天気の分類的には「晴れ」なのでしょうが、こちらの望みとはかけ離れています。そして、スッキリとなるのはまたしても午前3時頃からで、下弦過ぎの月が出てきてしまいました。それでも、いくつかの銀河は意地で(?)撮影。


いくつか(多く)は再撮影となりそうですが

ISSは、北東から東に通過予報でしたので、「野村胡堂・あらえびす記念館」駐車場にて迎え撃ち。月明かりが不足していましたので、やむをえず高感度・長露光での撮影です。ノイズ処理なしでの連写ですので、どうしても「熱カブリ」が出てしまい、画像処理後は、こちらもやむを得ず少々のトリミング。


胡堂は岩手出身の作家・音楽評論家で「銭形平次」の生みの親

さて、第三夜。天気予報では、晴れ出すのは19日午前3時過ぎとなっていましたので、もう慣れたもの、深夜に雲が動き出すのを確認してからの出発です。目的は、ISSと、白昼(08:00~10:00)に起きる「さそり座δ(2.3等星)の星食」の撮影に絞りました。観測地は網張(雫石町)周辺。

期待通りの快晴です。星食観測のためには、暗いうちに望遠鏡を設置・調整しておく必要がありましたので、4時頃には完了、した直後、除雪車が動き始めまして・・・。迷いましたが、運転士さんにお願いして、自分の周囲だけよけてもらったら、雪上の孤島みたいになってしまいました。お礼に、望遠鏡で月を見ていただきました。喜んでいただけたと思いますが。


ロンギヌスの槍?

ISSの撮影のために一旦現地を離れます。すると今度は道路の除雪車が・・・。近づいてくるキャタピラの音にドキドキ・ハラハラしながら、大急ぎで用を足す時のような感覚です。アングルの工夫がもう少しあってもよかったかもしれませんが、北極星の下を通った光の矢が岩手山にグサッ、というイメージはとらえられたようです。

未明、休暇村網張の宿泊客でしょうか、散歩中に声をかけてくれた方がいらしたので、望遠鏡で月をご覧いただいたところ、「逆さまに見える!」と驚いて、感動(?)されたようです。ところが、「これから形が変わっていくんですか?」との問いに、今度はこっちがビックリです。どうやら、月は毎日太ったり痩せたりを繰り返していると思っていたようです。実は、世の中にはそのように信じている人って、意外に多いのかもしれません。


思わず手を合わせたくなるような、早池峰山からの日の出

さて、08:00になり、そろそろ星食の撮影態勢へ。肉眼では、もちろん全く見えず、慣れていないと月を見つけるのも困難なほどの晴天。白昼観測は、日食を除けば、数年前のアンタレス食以来ですので、すっかり感覚も忘れています。カメラモニターを確認しながら、とりあえず撮影開始、露出は1/500秒で。ところがやがて、日差しで体も温まり、スキー場のリフトが動き始め、快晴の青空の下で見る情報量が多すぎて、撮影がどうもお座なりに。

終わり頃になって、望遠鏡の動きが遅い(実は止まっていました)気がしたのですが、まばゆい明るさの中での錯覚だろう、などと思い込んで、しかもモニターの確認も怠ったまま撮影を続けてしまうことに・・・。駆動用バッテリーが消耗して途中から切れていました。撮れていたコマでも、日が高くなるにつれての露出過多が目立ちました。「(バッテリーは)充電したはず」「(望遠鏡は)動いているはず」「(モニターは)確認したつもり」などの初歩的ミスが重なって、せっかくの機会はおじゃんに。


あれこれ画像処理したらこんなことに(月の左下のポッチ)

それでも、写ったコマを活かしてどうにか動画作成を、と試みましたが、現在の自分の技術では、満足のいく(人様に見せられるような)画像処理は、残念ながらできませんでした。まぁ、同じような現象が数年内には起きる「はず」ですので、今回のような失敗を繰り返すことはない「はず」です・・・。