1月3日(火)~5日(木):観測初めは「しぶんぎ」+α | イーティーズ・プレイスの星空観測行

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岩手の移動天文台、「イーティーズ・プレイス」による、星空と天体の観測記録。 http://www.justmystage.com/home/etplace/

謹賀新年。毎年恒例の天体観測初めは、4日頃に極大を迎える「しぶんぎ座流星群」です。現在は、公式の星座としては存在しないものですが、流星群の名称としては正式に採用されたものです。極大は4日16:00、しかもこの群は極大が鋭い(逆に言えば、極大をはずれると出現は激減)こともあり、多くの出現は期待薄です。

何とも(日本時間では)中途半端な時刻での極大ですので、月明かりのない4日と5日の未明での観測を計画しました。場所は、この時期の好天と言えば当然沿岸部ということになります。GPV気象予報(最近の信頼筋)とにらめっこした結果、4日は普代村~田野畑村あたり、5日は陸前高田と決定。

3日夕方に出発し、普代村の黒崎に到着した頃は雲が多い時間帯。予報では23:00頃から雲量が減り始め、未明にかけては快晴が広がるはず。月没が02:00頃でしたので、それまでに周囲の景観を撮っておきたいところ。南天の雲が少なめでしたので、くろさき荘の裏から展望台に下りてアンモ浦を撮影してみましたが、やはり小さな雲が湧き続ける状況で、比較明撮影は断念。


これが雲が最も少なかったころ。断崖絶壁。

月明かりがわずかに残る中、北天が快晴状態になってきましたので、「北緯40度シンボル塔」へ。村内を北緯40°の緯線が通っていますが、碑そのものは、カーナビのGPS表示では北緯40°00′24″ほどです。一晩中街灯に照らされておりますので、塔の影に入っての撮影です。近づくと地球儀が回るらしいのですが、日中に来たことがありませんのでww、どんな風になるのかは目撃したことはありません。夜間には何度か来ているのですが。


スッキリ快晴、75分間撮影。

月が林の向こうに沈んだ02:00過ぎには完全な快晴の夜空が広がっています。「それらしい」流星がすでにいくつか流れています。輻射点(りゅう座の一角)が徐々に昇ってきて、コンディションは整いました。カメラを向けたのは、北斗七星としし座の方向で、流星は左から右で下から上という狙いです。中速~やや高速の、かすかな流星は出るのですが、カメラ写りのよさげなものはついに現れず。


左の北斗、右にしし。

4日は現地にて車中泊。夜から5日未明にかけては陸前高田の予定でしたので、午後になってから、45号線を南下します。山田~大船渡を通のは、実はあの日から10ヶ月経ったこの日が初めて。見るのが怖くて、どうしても足が向かなかった地域です。いろいろな映像や画像をとおして分かってはいても、実際に目にする光景は・・・。

夕方の陸前高田市は、晴れてはいますが、強風が吹き荒れています。18:00頃には西の低空をISSが通過しますので、「ISS初め」を兼ねて一本松へ。通過の1時間ほど前には空は完全な曇へ。30分前から徐々に晴れ間が出てきて、雲間をとおる光跡を何とか捉えました。通過の1時間後には快晴状態になるのですが、タイミングがどうも・・・。


15秒露出の10コマを合成・トリミング

流星群に備えてしばらく待機しましたが、風が治まる気配もなく、というよりもますます強くなり、車が揺さぶられるほどです。天気はどんどんよくなってくるのですが、風を遮るものもない吹きさらしの場所ですので、ここは移動。が、遠野に入ったところで、現地(一本松)にファイル(いろいろなデータや記録)を置き忘れてきたことに気付き、やむなくUターン・・・。

風は変わらず、外に出るのもためらうほど。月没を待って、仮眠としました。02:00を過ぎ、月が傾き始めた頃に意を決して撮影モードに。風圧で重くなっているドアを開け、駐車場所から歩いて向かいますが、北~北西から吹きつける猛烈な風に体が持って行かれそうな、台風並の悪条件。三脚を低くして、石のおもりをつけての撮影です。東の空にはおとめ座が昇ってきており、スピカと土星が並んでとても綺麗です。


かすかな流星がいくつか

風に背を向けながら、ほぼ東の空だけを見ていましたが、マイナス等級と思われる「大」が2個流れ、これは残念ながら画角外。それでも、しぶんぎ群を「出た!見た!」と実感したのは久しぶりです。15年ほど前に、静岡県御殿場市にて、富士山に突き刺さるように出現した火球を目撃して以来です。この時期、オリオン座が完全に沈んだ明け方近くには、すでにさそり座が顔を出し始めます。


右下の赤い星がアンタレス(さそり座α)

一年の運試しでもあるしぶんぎ座流星群でしたが、出現・撮影こそイマイチではありましたが、天気がよかった(強風の中でも)こと等もあり、総合的には「吉」といったところでしょうか。今年は見逃せない天文現象が年間を通して目白押しで、それぞれに備えてこれからあれこれとシミュレーション。さしあたっては、一本松撮影の新たなアイディアが満月の夜に。快晴を願う。