
画角のはるか上方へ
ISSの通過は17:18~17:24と、日没がだいぶ早くなってきたとはいえ、まだまだ明るさの残る時間帯です。天気も上々、準備万端で迎え撃ち、のつもりでしたが、何を勘違いしたものか、最大仰角を翌日(5日)の29°と見積もってしまいました。実際は57°で、ご覧のとおりちょっとしか写りませんでした。なんともおそまつ。

きれいな紅葉です
気を取り直して、馬仙峡は男神岩・女神岩を見上げる河原にて撮影準備。川べりを進むと、「ココオリテネ 男神岩・女神岩」と書かれた親切な看板があります。またすぐに「ココ下ッテネ」と、同じ筆跡の白看板。そこを下りると、岩肌の河原で、安比川の下流方向と、夫婦岩全体を望むことができます。
日が沈み、あたりは暗闇に包まれますが、国道4号線がすぐそばを通っているせいか、特に女神岩方向は車のライトや街灯などの人工光でかなり照らされている様子で、それがかえって、ライトアップの効果を生んだようです。月明かりだけでは、岩の細部や木々の色を詳細に写し取ることはできなかったでしょう。
比較明撮影は18:00ごろに開始。ところが、19:00過ぎまでは北の方角は飛行機が多く飛び、高空を通過するものからは飛行機雲が伸びます。夜空に浮かぶ白い直線は、見た目にはきれいですが写真撮影にははっきり言って邪魔です。その都度撮影は一旦中止して、雲が消えるのを待って仕切り直しが続きます。そうこうするうちにカメラのバッテリーが切れたり、本物の雲が「うわ~っ」と襲来したりで、なかなか厳しい状況に。
九戸城跡や一戸天文台など、馬仙峡の他にも何ヶ所か撮影の予定はありましたが、もうこうなったらしょうがないと腹をくくり、ある程度の時間撮影できるまでしがみつくことに。ねばった甲斐あって、現地滞在時間約6時間、やっと2時間分程度の画像ができた次第です。川そばでしたので、霧の発生も心配でしたが、レンズに巻いた電子カイロの働きで、どうにか防ぐことができました。

月明かりと人工光により色もまずまず
その後、滝沢村の馬返しに移動。さすがにこの時期のこの時間には誰もいません。広大な駐車場を独り占めして、ど真ん中に店開き。月没を待って、星雲・星団・銀河などの観測と撮影です。この場所は、20~30年前までは、月がない夜には、岩手山の真っ黒なシルエットが迫り来る、文字どおり漆黒の闇の中に星々がギラギラと輝く絶好の観望ポイントだったのですが、ふと気がついてみると、滝沢や盛岡市街方向の町灯りがぼう~っと地平線付近のかなり高いところまでを明るくしています。


空がもっと暗いところならば、もっと鮮明な写真が撮れるはずですが、そんな夜空は岩手県でも本当に少なくなりました。どれだけ山の奥に入っても、いずれかの方角から街や道路の光が届いてきます。一晩中街灯に照らされる状況が安全・安心を提供しているのか、平安・静穏が保証されないから夜の街を明るくしているのか、どちらが先なのでしょうか。