10月19日(水)~20日(木):10月最後の比較明撮影いざ! | イーティーズ・プレイスの星空観測行

イーティーズ・プレイスの星空観測行

岩手の移動天文台、「イーティーズ・プレイス」による、星空と天体の観測記録。 http://www.justmystage.com/home/etplace/

晴れ、はれ、ハレ、HARE(「うさぎ」ではない)。しかも、昨日から歯が痛み出して腫れ・・・。痛み止め飲んで、今夜もGO!まずは、例によって、ISSからスタートです。西→北東へ、最大仰角36°光度-0.6等の予報です。この方角を飛んだ時には、と、かねてより狙っている場所がありました。

滝沢村の新鬼越池。岩手山の南に位置し、山が逆さに映り、あわよくばISSの光跡も映しちゃえ、というところです。ただし、角度や広さから考えて、水面に映るのは、高度にして20°以下でしょうか。今夕のISSはその点は無理な願望。まずは、岩手山上空を通過する勇姿が撮影できればOK、ということで明るさの残るうちに現地到着。

そこでしばし呆然としたのは、・・・池に水がない!それほど深くもない池の底がすっかり露わになっています。この時期に水が無くなるのはなぜ?農業用でもなかろうし、何らかの理由で排水したとか。まぁ、今回は水面に映る光跡は端から計算外でしたので、すぐに気を取り直して撮影態勢へ。18:09、予報どおりに、うしかい座の中に見え始めました。北斗七星の上を通過し、北極星方向、そしてきりん座に消えます。


下を飛ぶ飛行機の航跡も面白い

予定の一つを片付け、さて次は、・・・あら、眠い。朝帰りの影響が出てきたようです。ここは無理をせずに、一旦帰宅して仮眠。今宵の月の出は21:58で、月明かりを頼りにするのであれば、下弦(光量は満月の8%程度)ということもあり、早くても翌日01:00以降でしょう。

シャキッとして、00:00に再び出発。時間的に見て、あまり遠出もできないと考え、前日同様に岩洞湖へ。撮影場所を変えて、北天の星々と紅葉の残りの構図をイメージしました。現地に到着したところ、山側から濃霧が押し寄せ、湖面からもモクモクと霧が立ち上っています。湖岸の国道をしばらく走って観察しましたが、これはちょっとやそっとでは消えそうにありません。

このまま待っていれば、時間だけが経過するばかり。思いつきで、岩泉町の早坂高原に移動してみました。期待どおり、こちらは快晴無風。ただし、紅葉はやや過ぎた様子です。ここは何度か来たこともあり、脇道に入り、何とかそれらしい風景の中で撮影開始。やはり、月明かりに乏しく、やむなく最初のコマにフラッシュを使用しました。星の数が多すぎて、前景が負け気味です。

奥深い山中、聞こえてくるのは、枯れて地面に落ちる木の葉、時折微風に揺れる枝葉、夜露が水滴となって落ちる音。沢の小川のせせらぎ、遠くの国道を走る車、そして暗闇の中を駆け抜ける小動物の足音です。その中に響くのが、30秒ごとのカメラのシャッター音。レンズに巻いた電子カイロのオレンジの点滅光がきれいです。


北天の星々、0.1日(144分)の軌跡

さて、10月の比較明撮影は、さすがにこれ以上は無理でしょう。これからの月明かりは、あってないようなもの。逆に、暗夜で堪能できる天体を、じっくり観察したり撮影したりできる期間に入ってきます。暗めの銀河や星団・彗星など、お楽しみはいっぱい。帰路、玉山区藪川あたりでは、05:00前後に、車の温度計では-2度を表示。さすがに・・・。

ところで、10月22日(土)はオリオン座流星群の極大が予報されている日ですが、天気予報は全国的に「曇りのち雨」という最悪の事態。辛うじて、沖縄地方には見られる可能性がありそうですが、もちろんこのために行こうなどとは、これっぽちも考えてはおりません。出現は毎年のこと、たった一年待つだけです。これが数年あるいは数十年に一度の現象となれば話は別ですが。2000年のしし座流星群(富士山麓にて)、2010年の部分日食(下関にて)、などなど。

私にとっての究極の「待ち」は、ハレー彗星(約76年周期)の回帰で、その時期は2061年夏。前回(1986年)も、もちろん見ましたが、観測条件的にはベストではなく、期待したほどの見栄えにはなりませんでした。次回はすばらしい条件で、天空を駆ける、「コメットの王者」の姿を楽しむことができるでしょう。ちなみに、私はその時102歳。