もちろん土星や春~夏の星座・星雲などを心ゆくまで楽しむこともできますが、この時期にのみ可能な「見もの」がもう一つ。いわゆる「大三角」と呼ばれる、明るい星が構成する夜空の三角形です。
「夏の大三角」と「冬の大三角」は比較的知られていますが、春にも大三角があり、その3つが一晩に好条件で見られるのは3月~4月に限定されます。早い時間には「冬」、深夜には「春」、そして日付が変わった頃から「夏」と、時間の経過とともに移り変わる星座や星々をじっくりと観察する絶好の機会となります。

冬の大三角
まずは「冬」。20:00ごろには既に西に大きく傾き、オリオンから沈んでいきます。こいぬ座のプロキオン(α:0.4等)、オリオン座のベテルギウス(β:0.5等)、おおいぬ座のシリウス(γ:-1.4等)の3つの1等星が作る三角形です。これらの星の他にも、オリオン座のリゲル(0.1等)、ふたご座のポルックス(1.1等)、おうし座のアルデバラン(0.9等)、さらにはぎょしゃ座のカペラ(0.1等)と、近くには1等星が数多くあり、1年で最も賑やかかつ豪華な星空です。

春の大三角
次は「春」。あまり知られていないようですが、こちらが「春の大三角」で、うしかい座のアークトゥルス(α:0.0等)、しし座のデネボラ(β:2.1等)、おとめ座のスピカ(γ:1.0等)の3つから成ります。今はおとめ座に土星がいて、ちょっとしたアクセントになっています。
3つの大三角の中では最も大きく、夜空の中で探すのは最初は難しいかもしれません。北斗七星の「ひしゃくの柄」をその曲線に沿って伸ばしたところにある輝星(アークトゥルス)が目印になります。

夏の大三角
最後に「夏」です。こと座のベガ(α:織姫0.0等)が東の空に現れ、しばらくしてから、はくちょう座のデネブ(γ:1.3等)、最後にわし座のアルタイル(β:彦星0.8等)が昇り三角形の完成です。季節的なこともあり、世間では最も知られ、最もよく見られている大三角と思われます。三角形の中央を天の川が流れていることもあり、3つの三角形の中では最も美しいものです。天の川を地平方向にたどれば、いて座やさそり座につながっていきます。
冬~春~夏の推移を星空で実感できる季節。夜明け前には秋の星座の一部も見えてきます。夜はまだ少々寒いですが、じ~っくりと星を観測するのもまた一興かと。