メールマガジンは続けていたものの、このブログの更新をずっと怠っていました。
でも、今回あるきっかけで反省しましたので、掲載していなかったものをどんどん
載せていきます。一気に50回分くらい上げますので行間が詰まったままですが、
その点はご容赦ください。 2011年10月21日 黒崎
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◆【旅のものがたり】
株式会社いい旅ホームページ http://www.etours.jp
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2011年2月11日号
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おはようございます。株式会社いい旅の黒崎です。
「旅のものがたり」は、素直な好奇心で、先入観なく世界や日本のことを
楽しもうと始めた企画です。雑学や話のネタとしてお楽しみください。
題材は基本的にいい旅のツアーから選んでいますが、時々日本の話や旅と
は関係ない話も登場します。
それでは早速、今回のものがたりをご紹介しましょう。
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【第71回】 いきものがたり編
「ジャングルの掟」
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自然界で絶え間なく続く、厳しい生存競争。弱肉強食の掟。
大きな魚は小さな魚を食べ、肉食動物は草食動物を狩ります。
しかしこれらは何も魚や動物に限ったことではなく、植物界でも同じなのです。
ある熱帯のジャングルは、気温が高くて雨も多いため、植物が育つのに適して
いました。
ただ、木がみんな大きく高く育つと、日の光が遮られて森の中は薄暗くなり
ました。
そのため、後から育とうとする植物には日の光が届かず、いつまでたっても
大きくなることができませんでした。
大きく育ちたい。そのために日の光が欲しい。けれど、それは願っても叶わ
ないことでした。
ところが、ある方法でこの問題を解決した木が現れました。
まず木は、おいしい実をつけて鳥たちを呼びました。
実は甘く、柔らかくしましたが、中の種は頑丈な殻で覆いました。
集まった鳥たちはおいしい実を食べ、空を飛びながら用を足したので、その
いくつかは他の木の梢に落ちました。
すると、溶けずに残っていた種が芽を出し、日光を求めて、上へ上へと伸び
ました。
それだけではなく、地面を求めて、根っこが下へ下へと伸びました。
地面に達するまでは水分を得られませんが、雨と霧で何とかしのげるように
根を細くし、宿主の木に巻きつきながら伸びて行きました。
空に伸びた芽は、日のあたるところまで届くと枝となり、葉を茂らせて太陽
の光を浴びました。
下に伸びた根は、地面に達すると水分と栄養を得て、太くなって幹となりま
した。
こうして次第に大きく成長すると、木はさらに驚きの行動に出ました。
何と元の木を締めつけるように覆って、枯らしてしまったのです。
そしてその様子から「締め殺しの木」と呼ばれるようになりましたが、こう
なると他の木も黙ってはいません。
徐々にこの方法を真似て、締め殺しの木にまた別の木が取りつくようになり、
生存競争はさらに激しさを増していきました。
カンボジアの熱帯雨林にある仏教寺院遺跡、タ・プロームでは、これらの
木々の戦いを目の当たりにすることができます。
寺院の岩の上に落ちた種から芽が出たのでしょう。寺院はすっかり木に取り
つかれ、積み上げた石の隙間を広げられて、上からは押しつぶされるように
なっています。
それでも、木が大蛇のようにのたうつ中、遺跡の各所には美しい彫刻が多く
残されています。
訪れた際には、きれいに修復された遺跡とは異なる、ジャングルの掟に圧倒
されつつもその姿を留める神秘的な遺跡の魅力を、ゆっくり楽しんでみては
いかがでしょうか。
ただ、暑いので水分補給はお早めに。
▼もうちょっと知りたい!という方はどうぞ↓
※タ・プローム寺院は、1186年頃、当時の王ジャヤバルマン7世によっ
て建てられた仏教僧院で、「梵天の大老」という意味だそうです。その後
ヒンドゥー教に改宗されたようで、その際に削り取られてしまった仏像も多
いそうです。
※「締め殺しの木」は着生植物(ちゃくせいしょくぶつ)と呼ばれ、宿主か
ら養分を取るわけではないので寄生植物とは異なります。
他の木や岩の上に落ちた種から発芽し、上下に成長しますが、この時発生
するのは水の問題です。
根(気根と呼ばれる)が地面に達するまで、まとまった水分を得ることが
出来ないのです。
しかし熱帯のジャングルでは雨が多く、霧もよく発生するので、細い枝や
根の状態であれば何とか耐えられるのだそうです。
タ・プローム寺院に取り付いた木にさらに他の植物が取り付いて枯らして
しまった様子も見られます。
▼オマケの話
カンボジアの、タ・プローム寺院に取り付いている木は「スポアン」と呼
ばれる種で、ガジュマル系の植物です。
「締め殺しの木」は宿主に巻きつき、絡まりながら成長します。
「ガジュマル」という名前は、「絡まる」が訛ったものだと言う人もいる
そうです。
▼これであなたも物知り博士?
「タ・プローム遺跡の損傷があまりに激しいので、修復計画が作られまし
たが、その際に問題となったことがあります。それは?」
1.あまりにひどくて手がつけられない
2.切っても切ってもまた生えるのできりがない
3.遺跡を壊しているのか、支えているのかわからない
答え: 遺跡を壊しているのか、支えているのかわからない
熱帯の木々が、遺跡を破壊しているのか、それとも今や逆に支えているの
かという議論が起こったそうです。また、もし木々を取り払い、石材を積
み上げて修復した場合、この遺跡の魅力はなくなってしまうのではないか
という心配もありました。
ただ、そうはいっても放っておくと遺跡は跡形もなく崩れてしまうことが
予想されるため、現在は本格的な修復が始まっているようです。
趣を守って崩れるに任せるか、多少変わっても保存するか、難しい問題
ですね。
▼編集後記
締め殺しの木は、実際に見ると結構な迫力があるようで、本当に大蛇のよう
な太い幹が遺跡内をのたうちまわっているかと思えば、細く血管のように枝
分かれした根が他の木を覆い尽くしている様子が見られるそうです。
木だから生きているのは当たり前ですが、写真を見ただけでも、意思を持っ
た生物のように見えます。恐ろしい生存競争ですね。
▼ものがたりに学ぶ、今週の教訓
「見た目は静かでも、激しく動いているものがある。」
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
★次回 旅のものがたり
「永遠の追いかけっこ」(仮)
それでは、次回の「旅のものがたり」をお楽しみに!
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「旅のものがたり」
発行者:株式会社いい旅
執筆 :黒崎 康弘
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