ブログネタ:梅と桜 どちらがきれいだと思う?
参加中私は桜 派!
本文はここから
綺麗というなら桜
です。
花の数が多いし、華やかでやはり目をひきつけられます。
梅
は可憐という言葉が似合うと思う。
は可憐という言葉が似合うと思う。丸くて小さな花びらがハラハラと散る姿はとてもいじらしく、純真な少女の姿を重ねてしまいます。
ではここから嫁妄想スタートです。
嫁妄想は字のごとく好きな人の嫁になった、ゲーム薄桜鬼の完全自己満足妄想小説です。
こういった話は苦手な方は脱出してください。
前回の嫁妄想『さくら日和』の後日のお話です。
というわけで、嫁になる以前のお話でございます。
















庭の掃除をしていると、少し甘い香りが漂ってきた。
意識を香りに集中させ、甘い香りの元を辿ってみる。
その先には白い花が咲き乱れていた。
「えっと…白い桜…のわけがない。まだ早いもん。もしかして梅…かな?」
「白梅だ。まだ肌寒い日もあるが、季節はすっかり春だな。」
振り向くと、後ろに土方さんが立っていた。
「やっぱり梅なんですね。こうやって木に咲いているところを見たのは初めてです。花といったらやはり桜を一番に思い出してしまいますね。」
「桜と言ったら花見で、花見と言ったら団子と桜餅だからだろ?お前の頭の中は毎日食い物の事でいっぱいだからな。」
からかうように笑う土方さんに向かって「違います!」と言い返したいところだが、まったく違うとは言いきれない。
「そんな事ないデスよ。お花見は桜を愛でるためにあるんですからね。」
「確かに正論だ。」
土方さんがそっと梅の枝に触れた。
白い花びらがハラハラと風に乗って舞い散る。
「うわぁ~梅の花が散る姿も綺麗ですね。桜吹雪には負けるけど…えっと…なんだかかわいいですね。」
「お前は梅と桜、どっちが綺麗だと思う?」
「梅と桜ですか?」
ふと視線を向けると、土方さんは優しい顔で笑っていた。
「私は…。」
その端正な顔につい見とれてしまい、言葉が詰まってしまった。
「お前にはもっとわかりやすく問いかけた方が良さそうだな?そうだな…梅干と桜餅ならどっちが美味いと思う?」
「もー!花の評価くらいちゃんと出来ます!」
馬鹿にされた事に気がつき、私は拳を握り土方さんの胸を軽く叩いた。
土方さんは抵抗するわけでもなく、笑いながらされるがままになっている。
「わかったわかった。で、お前はどっちが綺麗だと思う?」
「そうですね、私は桜の方が綺麗だと思います。桜の花の方が華やかで、散る様も美しく感じます。えっと、例えるのなら…。」
私は土方さんに初めて会った時の事を思い出していた。
あの時土方さんは桜の木の下に佇んでいた。
私は何故か彼を桜の精と思い込み、吸い寄せられるように近づいて行った。
そばに寄ると着物は血まみれで、素人の目にも深手を負っている事がわかる。
そんな状況で不謹慎だとわかっているが、痛みに耐える苦悶の顔さえ美しいと思った。
そして言い表せない恐怖を感じながらも、私はこの人から目が離せなくなっていた。
風に舞う桜の花びらがこの人の命に見えて、花が全て散ってしまえばこの人も消えてしまう…そう思いながら手を伸ばした瞬間、唸るような声が耳に響いた。
驚きのあまり、私ははじかれるようにその場を逃げ出した。
しかし、今見た光景が忘れられない。
花が散ってしまう前にあの桜を助けなくては…そんな事だけを考えていた。
「例えるのなら…己が信ずるもののために、潔く命を散らす武士の魂のような…。」
「まさか桜を死に逝く人間に例えるとはな。」
「あっ…ダメですか?変…でしたか。」
「いや、お前がそういった解釈をするとは思わなかった。だから少し驚いただけだ。」
土方さんは薄く笑いながら、私を見下ろしている。
見られている事が恥かしくなり、ふっと視線を逸らし誤魔化すように言葉を続けた。
「土方さんは梅の花が一番お好きなんですよね。」
「俺か?いや、桜だ。梅の花もいいが、俺は桜の花が一番好きだ。」
「どうしてですか?」
「理由か?それは俺だけの秘密だ。」
そう言いながら私の顔を見てクスリと笑う。
「俺の好きな花が梅だって知っているなら、なぜあの時梅ではなくわざわざ桜を寄こした?」
「そっ…それは…」
二月十四日、遠い国では殿方に甘いモノを贈る風習があると聞いた私は、土方さんに牡丹餅と手紙を贈った。
私はその手紙にどうしても桜を添えたかった。
この人は桜が似合う。
だって、土方さんは桜の精なんだから。
紅とおしろいを手に入れ、手紙に一輪一輪桜の花を描いた。
手紙の上に咲いたあの桜の花は、私の想いの全てだった。
「秘密です!あれは…あれは私だけの…秘密です。」
「ふぅん…。」
意味深な笑みを浮かべ、梅の花をそっと手折る。
「そうだな…桜が咲いたらお前にだけ教えてやるよ。俺の秘密をな。」
掃除が終ったら仕事だからな。早く戻って来いと言い残し、土方さんは梅の花を掲げて副長室へと歩いていく。
はらはらと白い花びらが舞う。
その様は美しく、人の目を、心を奪う。
しかしそれさえも霞めるように、青い空の下もうひとつ花が咲いた。
「来る時は茶を持って来い。いいか、美味い茶を二つだぞ。甘いもん食わせてやる。」
それは淡い薄紅色の美しい花。
優しい桜の花が一輪、私の目の前で咲いた。
