うららかなある日の日曜日。
「自分で食べられるからいいですって!」
「言ってるそばからこぼしてるじゃねぇか。ほら、口開けろ。」
ethlinは渋々口を開けて、箸でつまんだおかずを口にした。
「美味いか?」
「むぐ…はひ…おいひいれふ。」
「ふっ…。」
「…なんですか?」
少し不機嫌そうなethlinを見下ろしながら、俺は箸で肉団子をつまみあげた。
「うさぎに餌付け
してやってるみてぇだな。」
「なっ…やだ!も~自分でた・べ・ま・す!!」
そう言っていつも以上に小さい体で、俺から箸を奪い返そうと暴れだした。
「こら、暴れるな。」
その拍子に肉団子は箸から落ちて床に転がった。
「あ!あぁ…肉団子が…肉団子が…。」
恨めしそうに肉団子を見つめるethlinの頭をポンポンと優しく撫でてやる。
「だから言ってるだろ。無理すんな。」
そう…今、俺の目の前にいるethlinにはうさぎの耳がついていて、体は子供のように小さい。
どうやら昨日の夜、腹が痛いと言って山南さんに薬をもらいに行ったらしい。
朝起きたら、いつかの俺のような状態になっていた。
「しっかり食わねぇと縦も胸も大きくなれないぞ。そうだ、たしか…飯が終ったら風呂に入らなきゃいけねぇんだよな。」
ニヤリと笑いかけると、ethlinは顔を赤くしたり青くしたりし始めた。
「おっおっお風呂!?お風呂くらい自分で入れます!」
「お前一人で入ったら湯船に沈むだろ?」
「ぐっ………。」
前回俺に言った台詞をそのまま返され、ぐうの音も出ないらしい。
(ククッ…見てて飽きねぇな。)
「安心しろ。いつも以上に胸がぺったんこでも、ちゃんとバスタオル巻いてやるから。せっかくだからのんびり入らねぇとな。」
小さな体をひょいと軽く持ち上げ、俺の膝の上に座らせた。
「えっ!?ちょっちょっと!?」
「暴れるなって言ってんだろ。」
赤い顔をしながら慌てて膝から降りようとするethlinを、俺は片腕で軽く抱きしめた。
「今日一日くらい黙って俺に甘えてろ。いい子にしていたら、夜になったらご褒美をやるよ。」
「ご褒美ってなんですか?甘いモノとか?」
「そうだ。とびきり甘いモンだ。」
「えっと…シュークリーム?」
恥かしそうに俯いているいるわりにはいつもの食い意地のはった発想しか出ない辺りが笑いを誘う。
「もっと甘いモンがあるだろ?」
「おまんじゅう?おしるこ?ん~わらびもちかな…あっ!わかった!プリンだ♪」
真剣な顔で甘い食べ物の名前を次々とあげていく。
「これがテストだったらお前は0点、落第決定だ。」
そんな~と口を尖らせ、真剣な顔でさらに甘い食べ物の名前を列挙していく。
「え~。じゃあ…えっと…シフォンケーキ?杏仁豆腐?」
「この調子じゃあ、一生かかっても正解は出そうにないな。」
「えぇ!!あぁっと…わかった!月餅!」
「不正解だ。」
「はぁ~。」
がっかりとうな垂れる姿が可笑しすぎて、俺は笑いを堪えるので精一杯だ。
「悪いがこのご褒美は夜限定だからな。だから夜までいい子にしてろ。」
「…うなぎパイ。」
「違う。」
大きなため息をつきガッカリと肩を落す姿があまりにも愛らしくて、俺は堪らずethlinの額にキスをした。
「あっ…。」
途端にゆでたこのように耳まで真っ赤に染まった。
「やっとわかったみてぇだな。」
そう…それはそれはとびきり甘い…王子様からお姫様への甘いキス。
そしてキスの後の…二人だけの甘い時間。