特捜検事の全面敗北
郵便不正、村木元厚労相局長に無罪判決…検察の構図を全否定 (YOMIURI ONLINE)記者会見で笑顔を見せる村木厚子元局長(10日午後6時24分、大阪司法記者クラブで)=吉野拓也撮影 郵便不正に絡む偽の障害者団体証明書発行事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた厚生労働省の村木厚子・元局長(54)(起訴休職)の判決が10日、大阪地裁であった。横田信之裁判長は、証明書発行が国会議員の口利きによる「議員案件」だったとする検察側の構図を全面的に否定し、「元係長が、村木元局長の指示で証明書を作成した事実は認められない」と述べ、無罪(求刑・懲役1年6月)を言い渡した。 特捜検事の全面敗北ともいえるこの裁判は歴史に残る裁判でしょう。あちこちで報道されていますが、検察側が提出した供述調書を、証人喚問で証人はことごとく否認し、さらに裁判所は「客観的証拠が重要」として大半の供述証拠を証拠採用しないという異例の事態。検察側に何らかの圧力がかかっていたのを裁判所が見抜いたのでしょうか、何ともあっぱれな判決でした。 「反転」(田中森一著)を読むと検察が犯罪を作り上げていく構図やきわどい取り調べの方法が描かれています。しかし、検察も気の毒なところはあります。検察のところに上がってきた事件の証拠はそれまで警察が人件費もろもろ何千万円、あるいは何億円もかけて集めてきたものであるというプレッシャーから、絶対に立件、公判維持しなければならないという意気込みはわかりますし、国策捜査の面も否めないということもあり、検察官を責めるのは筋違いです。 ともあれ、女性局長のスキャンダルとして注目されたいとした思惑はもろくも崩れ去ったということでしょう。