ベビーベッドに仰向けに寝て天井を見上げていた。
視界でクルクル回る、飾りのようなおもちゃのようなものがあった氣がする。
ベッドには柵がついていて転がっても落ちないようになっていた。
窮屈には感じていなかった。
快適だった。
僕は言葉を発することができず、言葉を理解することもできなかった。
ただ声を出すことはできた。
声を出すと、一人か二人、来る。
僕が何を欲しているのか、知ろうとする。
僕はお腹がすいたり 体調に変化があったとき泣いて 救助を求めた。
それとは別に、明らかに空腹も体調に異常がない場合でも、人が来るのが面白くてわざと泣くことがあった。
来てくれて、 なにごとか 知ろうとし、かまってくれるのがうれしくて、泣いた。
意のままに操れるのだと思った。
得意になっていた。
全能感というやつか。
夢ではなかった。