弦を外す前にオクターブチューニングを確認しておく。
6弦が大幅に高かったので弦長を目いっぱい長くするようにサドルを削り
他の弦は少し高かったので心持弦長が長くなるように削る。
まずはサドルを小一時間金ヤスリで削ってほどよい高さを出す。
今回はだいたい全弦12f4mmくらいだったので、
2mmくらい下げるためにサドルは4mm程度削る。
↓だいたい削った
今回はデコボコをある程度滑らかにするべく
さらに紙やすりをかけた。
さらにブリッジの弦溝を彫ることで、
弦とブリッジの接触面積を増す。
サドルを入れるブリッジの溝がサドルより大きく、
ややグラつく。
そこで家電製品のパッケージプラスチックを切って
サドルのすきまに入れた。
右のほうにはみ出てるのがプラ板。
ブリッジピンが2本折れてたので、新品と交換。
こういうこまごました部品はストックしてあり、少なくなったら補充する。
調整したサドルに弦を乗せた。
6弦 12f が2.5mm程度、1弦 12f が1.5mm程度。
あとはだいたい2mm前後。
限界まで弦高を下げた。
このあと1・3弦にビビりが生じたのでアクリルを硬化させてちょっと高くした。
いったんビビリが生じても、弦を張っている間にネックのそりが
変化するので、張ってつるして1日置いて状態を確認して、
それからまた作業する。
1本のギターを調整するのに最低1週間は頂いているのは、そういうわけ。
無事ビビリもおさまった。
最後の仕上げに、ナットとサドルの摩擦部分に潤滑剤を塗布。
余分な剤はティッシュで拭く。
こうすると、チューニングするときキシキシ鳴りにくくなる。
ヘッドの巻いた弦先は、3-4cm残して丸める。
短く切って出っ張ったままにするとケガの可能性有。
今回納品したギターと全く同じ型のものを生徒さんは持っており、
同じ型でも調整でどう違うか、比べることができた。
2か月前に初めてギターをさわった生徒さんだけど、
調整したギターが格段に弾きやすいとのことで
とても気に入って頂けた。
長い時間をかけて調整した甲斐があった。
イテルギター教室では、
弾きやすさに焦点化した調整を行っています。
札幌市内・近郊はもちろん、
遠く名古屋の方から調整を承ったこともあります。