第五回の感想 | 川瀬有希の独り言

川瀬有希の独り言

田中好子さん、キャンディーズ、岡田有希子さんに捧げるブログ

『響け!ユーフォニアム3』第五回「ふたりでトワイライト」について、改めて。

コンクールに向けてのオーディションが行われる時期が迫り、真由から聞いた清良女子時代の話もヒントになって今年は大会毎に実施されることが決まったが、部員らの前でそれを通達する際に真由が口にした「そのオーディションって、私もやるんですか?」という言葉に久美子の心は揺れる。

自分が受けた結果一枠が埋まるかもしれず、辞退することで長く部にいる人が優先的に選ばれるべきではないかという考えからの発言だが、転校して来てそんなに日が経っていない自分がメンバーになることに躊躇いがあるようだ。

ましてや皆と楽しく合奏することが何より好きな真由にとって、僅かでも他人に疎まれる可能性が生じる事態は避けたい。

しかし、完全実力主義の北宇治に於いてオーディション辞退は許されない。

久美子はやんわりとそれを伝えるも、真由は必ずしも納得していない様子。



これは明らかに後に引き摺る予感。

転校生、それも3年生になってから途中参加した立場からすると真由の気持ちはごく自然だし、そもそも仲良くなりたいと思っている久美子と同じユーフォ担当であることが問題を複雑にさせている。

久美子自身、名門清良出身の真由の実力を既に知っている以上、たとえ部長というポジションにあっても純粋に演奏力で判断されたらメンバー落ちはなくともソリパートは落選しないとも限らないので不安はあり、表面上親しくしていても警戒心は拭えない。

それを象徴するように、あがた祭りに一緒に行けるか誘われた際、先約があると嘘をついて断ってしまった(その時点ではまだ麗奈と過ごす約束はしてなかったので、そんな嘘をつく必要はなかったにも関わらず)。

この先どう転ぶか。

過去シリーズでもあがた祭り後のオーディションから物語は大きく動いており、この三期は特に久美子本人が当事者となるわけで、これまでより一層心を搔き乱されること必至だ。


もうひとつ、久美子を悩ませるのが進路の件。

父親にも聞かれるし、担任の軍曹先生からは適切なアドバイスを受けるもおいそれと決められる筈もなく頭を抱えるばかり。



麗奈には相変わらず音大受験を勧められ、しかも畳み掛けが激しい。

「将来の夢とかないの?」

「今まで生きた中でひとつも?」

「何を目標に生きてるわけ?」


そんなこと言われたら久美子でなくとも言葉に詰まるもの。

が、彼女のような迷いは決して責められるものではなく、麗奈のように明確に未来のビジョンを描いている方が寧ろ少数派だろう。

今も昔も大多数の高校生なんてそんなもの。

ぼんやりとした将来設計こそあれ所詮願望ありきのもので、それに向かって日々邁進している麗奈はいわば例外的存在。

久美子にかつての自分を重ねて見ている視聴者も多いのでは?(かくいう僕もその1人)。

加えて麗奈の音大推しには他にも理由がある。

別の大学に進学することで関係が途切れてしまうのを恐れているのだ。

いくら自分が会いたいと思っても久美子はそうじゃなくなるかもしれない・・・そうなることを何より心配している。

そんな麗奈に久美子は決してそうはならないと安心させる。

二人の絆はそんなやわなものではなかった。

京アニらしい繊細で美しい夜景描写をバックに、久美子と麗奈の固い結び付きを再確認出来る印象的な演出だった。



ところで、前エントリーでも触れた通りあがた祭りの場面で卒業生(香織先輩と晴香先輩)がチラっと登場したのには感激した。

お祭りに足を運んでるということは地元の学校に進んだということ。






〈ここから先は本編に直接関係ない範囲でネタバレ事項に触れるので、知りたくない方は読まないでください〉




香織先輩は看護学校。

あすか先輩は全国模試で30位以内の成績をおさめる程の秀才かつ地元となれば京都大学で間違いない。

その彼女には成績で敵わないけれど部活を辞めて勉強に専念した葵ちゃんは恐らく同志社大学。

そこで晴香先輩なんだが、それがどうにも分からない。

僕は出身こそ西日本ながら東京の大学しか受けなかったので関東はそれなりに把握している一方、関西は京阪と関関同立ぐらいしか知らない。

小説では具体的に示されていないものの、高校などその他の施設・設定も含め大抵は実在するものをモデルにしているので、原作者の武田綾乃さんはどこかをイメージして綴った筈。

果たして晴香先輩はどの大学に通っているのか。

オーケストラはあるが吹奏楽のサークルはない大学と原作には書かれているが、さすがにそれだけでは関西の大学に疎い自分には推測不可能。

非常に気になる・・・。




他にも目に止まったシーンがちらほらあったのでそれについて。

後輩からお祭りに誘われるも先約を盾に断った久美子に対しすずめが「もしかして秀一?」と疑うと速攻で「違うわ!」と否定して見せたのには笑ったが、それよりも後輩に下の名前で呼び捨てされる秀一って一体・・・。


それと、奏に苗字で呼ばれても以前とは異なり普通に話してる求には感慨深いものが。

前回エピソードを経て吹っ切れたのか、寛大な姿勢になれたところに彼の成長が窺えた。

そう言えば、この第五回放送前にキャストの皆さんが登場された生放送がネットで配信されていた。

出演は豊田萌絵さん(川島緑輝)、土屋神葉さん(月永求)、陶山恵実里さん(義井沙里)。

特に印象的だったのがその求役を務めた神葉さんで、完全に役になりきる為に原作小説まで読み込んでいたとのこと。

素晴らしい。

ちなみに神葉さんは土屋太鳳さんの実弟です。