お袋が入院しちゃった。その2 | eteko屋スタジオ

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勝手気ままに生きてる自己中だよ。
妄想では、苦節40年のミュージシャンなのだ。


診療室で、若い医師の説明を聞く。

「腸閉塞は、腸閉塞なんですが、CTに、ちょっと悪いものが映っちゃったんです。」

S医師は、パソコンのモニターの画面を腸の所から上にずらしていった。

胃の上あたりで止めた。

「ここです、食道と胃の境目の所に、影が映ってるんですよ。腫瘍の可能性があります。明日以降、検査してみないと分からないんですけどね。」

オイラは、思ったよ。

やっぱり、こんな時は来るよね。

オイラも還暦の爺だよ。
その、母親が米寿を前にして、癌で亡くなっても、長生きしたよ。
後、一年は、持つのかなあ。

米寿まで生きてるのかなあ。

そんな事を思った。


S医師の説明を受けた、オイラと妹は、診察室をでた。
無言で、がらんとした、診察室の椅子に、腰かけた。

入院する部屋と、手続きが終ったら、呼び出しますって事だった。

しばらくすると、緊急救命室に、お入り下さいとの知らせがあった。


オイラ達が、部屋に入ると、お袋は、移動用のベットに寝かされてた。
点滴の管がさがってた。
年配の看護師が二人付き添ってた。

「お部屋は、C棟の6階になります。」って、ストレッチャを押しながら年配の看護師が言った。

お袋は、意識はある。
「腹の痛みは、大分、治まって来たよ。」

看護師さんか゛、「今は、痛み止めの点滴を入れてますからね。」と、付け加える。


お袋を乗せたストレッチャーは、C棟6階に上がる、エレベーターに向かってる。
緊急救命センターは、B棟の2階だよ。

部屋は、C棟の605号室だった。
6人の大部屋だ。
入口の右側が、お袋のベットだった。

もう、22時になりそうだった。
お袋は、「何も用意してないのに、救急車を呼んだ。」と、オイラを責める。

そんな事は気にならなかったけど、着の身着のままで、病院に運ばれたのは、確かだよ。

妹に、田尻の家に行って、着替えや必要なものを持ってくるように頼んだ。


C棟の605室の一角は、オイラとベットに寝てるお袋の二人になった。

他の患者は、眠りについてるみたいだった。


何もすることないオイラは、思ったよ。

C棟の6階って、6月に、オイラが入院した所だよ。
ここは、内科の循環器の病室になってるみたい。
2ヶ月内の内に、息子とお袋が、世話になっちゃったよ。


23時も回っちゃった。
田尻の家に行った妹に連絡を入れる。
病院に持ってくる品目の準備に時間がかかってるらしい。
何しろ、田尻の家は、お袋が独り暮らしだよ。
入院に必要な品物が、何処にあるのか、捜すのに苦労してるみたいだ。

「じゃあー、必要なものは、玄関の廊下に出しといてよ。明日、オイラが取りに行くから、」
そう言って、電話を切った。
妹は、まだ、会社勤めをしてる。
今日も、退勤後に、病院に来た。
当然、明日も、仕事だ。

もう、24時を回って、明日になっちゃうよ。
身の回りの品物がなくても、2、3日はどうにかなるよ。

etekoも、桜川のボロ屋敷に帰宅した。


帰宅後は、なかなか眠れなかった。
いろいろ考えたよ。
ひとり者のetekoは、一番近い肉親を亡くす日が近づいてるよ。
その後のetekoは、どうなるんだ。

悲しみって言う感情は、起きなかった。
ただ、こんな人生てあるのかなあって、思っちゃった。


それに、明日は、お袋のディー・サービスの日だよ。
月水金と、3日/週行ってる。

連絡しないと、田尻の家まで、お迎えのマイクロバスが来ちゃうよ。

この日は、眠れず、4時頃まで、起きてた。