narratage -5ページ目
彼は特別だったよ
何もかもが解らなくなるわたしを
大多数の男の人のする様に諭すわけでなく
ただ 他人として 最高に優しく触れてくれた
ただ触れてくれれば良いことを
わたしのことを実質的に放っておくことを
それらをしてくれた
一般的に見た 良い方向 に
持っていくためにはどうすれば良いか
あれやこれやと論じてくれるより
それらをすることが本当の優しさなんだと
教えてくれて 思い知らせてくれた
本当の意味で
わたしの根底などを
知っているからこそできる業
彼は特別だった
君が離れて行ってしまうことは
悲しかったり 切なかったり 寂しかったり
もっとそういった類の感情を生むものだと思ってた
あたしは ただ 虚しいよ
気持ちが薄れたからか
記憶が霞んだからか
何にせよ 大きな空虚感
愛じゃなくても 恋じゃなくても
君を忘れることなんてできない きっと
有名なあの歌みたいに
そう 思えることが
わたしのしあわせ
この空虚感すら もうけものかもしれない
そうやって いつも
わたしを褒めに戻って来る
ありきたりな言葉を使うとしたら
“君はズルイ”
君はずるいよ
またわたしは君のために張り切るのね
またわたしは君のために頑張るのね
愛しい君が戻って来た
今回もやっぱり 隣ではないけれど
今回もやっぱり 自分のためのわたしだけれど
ぐるぐるぐりり 回る季節で
色鮮やかで穏やかなあの夜が蘇るの

