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わかっているんです。

例えばすれ違ったとして
わたしは振り向いても
彼は気付かないこと

ちゃんと知ってる。
大人になったから
ちゃんとわかってる。

あてのない想いに
むなしさを混ぜ合わせて
生まれる失笑が
できるようになった時から
もう絶対に戻れないこと。

けれども
思い出や夢の中では
まだ二人あの頃のように笑っていて

同じ道の上を歩き続けるわたしを
馬鹿にしますか?

彼がこころにいたから
わたしはここまでこれたんです。
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わたしはまた ひとつ歳をとった。

もうずっと昔のある歳の誕生日を
まだ 覚えている。

玄関のチャイムが鳴り ドアを開ける。
門の外には 君がいる。
小さなケーキの箱を持ち 神妙な顔つきでわたしのことを見ている。

風が吹き抜けた。
君の肩の向こうまで。

これ これだよ。
君を見ると いつもこれがある。
風が見えるよ。
眼のピントは君に合うのに
肩の向こうの景色まで しっかりとよく見える。

それが 好き だったんだ。

切なくて
愛おしくて
大切な 世界。
君を好きなわたしだけが 知る世界。

もう 追い出されてしまったけれど
まだ 焦がれてる。
あの空気に あの風景に
何より 君に。



わたしはこれからどんどん歳を重ねるけれど
毎年 いえ いつまでか この日はあの日のことを思い出すのだろう。
いつか いつまで 分からないけど

今日は戻りたくて仕方なくなるんだよ。

フルーツケーキ
君の努力 ひとつ
大好きだったんだ。
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今でもたまに 夢に見る
たまに たまに 彼を見る

夢ではいつも幸せで
夢ではいつも笑ってて
過ぎ去った事柄
叶わなかった出来事を
溢れそうな感情を ただ 感じる

夢占いなどあてにならず
わたしは同じ道を歩いているのだ と思う

朝目覚めた時の気分は
切なくて 戻りたくて 叶えたくて 愛おしい

わたしは今を壊す勇気などないくせに
彼と何度でも巡り逢いたい