0123わかっているんです。例えばすれ違ったとしてわたしは振り向いても彼は気付かないことちゃんと知ってる。大人になったからちゃんとわかってる。あてのない想いにむなしさを混ぜ合わせて生まれる失笑ができるようになった時からもう絶対に戻れないこと。けれども思い出や夢の中ではまだ二人あの頃のように笑っていて同じ道の上を歩き続けるわたしを馬鹿にしますか?彼がこころにいたからわたしはここまでこれたんです。
1120わたしはまた ひとつ歳をとった。もうずっと昔のある歳の誕生日をまだ 覚えている。玄関のチャイムが鳴り ドアを開ける。門の外には 君がいる。小さなケーキの箱を持ち 神妙な顔つきでわたしのことを見ている。風が吹き抜けた。君の肩の向こうまで。これ これだよ。君を見ると いつもこれがある。風が見えるよ。眼のピントは君に合うのに肩の向こうの景色まで しっかりとよく見える。それが 好き だったんだ。切なくて愛おしくて大切な 世界。君を好きなわたしだけが 知る世界。もう 追い出されてしまったけれどまだ 焦がれてる。あの空気に あの風景に何より 君に。わたしはこれからどんどん歳を重ねるけれど毎年 いえ いつまでか この日はあの日のことを思い出すのだろう。いつか いつまで 分からないけど今日は戻りたくて仕方なくなるんだよ。フルーツケーキ君の努力 ひとつ大好きだったんだ。
0929今でもたまに 夢に見るたまに たまに 彼を見る夢ではいつも幸せで夢ではいつも笑ってて過ぎ去った事柄叶わなかった出来事を溢れそうな感情を ただ 感じる夢占いなどあてにならずわたしは同じ道を歩いているのだ と思う朝目覚めた時の気分は切なくて 戻りたくて 叶えたくて 愛おしいわたしは今を壊す勇気などないくせに彼と何度でも巡り逢いたい