5039というか、240Qを肌に付けて動き、
動力を与え、時を刻むのを目にするのは、
ロレックスと感覚的に異なるものがある。
(あくまでも主観的なもの)
小さいローターが腕の動きに合わせて
ゼンマイを巻き上げるという実感は皆無。
しかし、運動量に見合った巻き上げをして
動力を供給している。統合的に機能し、
しかもかなり正確に時を刻む。その様は
我々の身体の組織や器官に重なる。
働いていると実感させることもなく
静かにしかし着実に仕事をこなし、
生命維持を統合的に行なっている。
3998も5205もロレックスも、およそ
自動巻であれば、ローターの回転や、
ゼンマイ巻き上げの音が聞こえたり、
振動が何かしらあるものだが、
5039はそれを感じない。秒針がない
ことも一役買っているかもしれない。
そうした妙なところにツボを感じ、
他の時計とはまた別の意味で
身体の一部という一体感を覚える。
目を落とせば機械式とは思えぬ
正確さ、そしてエレガントな出立ち。
この一体感と信頼に、ロレックスとは
違うパートナーシップを感じる。