これが俗に言う〝ハマグリ〟ケース。
ハマグリの殻の噛み合う縁の如く、
先端がピタッと閉じてくっ付いている。
中央にふっくらとした厚みもある。
言い得て妙。
ただ、ロードマーベルにおいて、
この2枚の殻が口を閉ざす部分の
厚さはビミョーに異なるようだ。
金無垢は総じてラグの厚さより薄いが
この閉じた殻のフォルムの究極は、
カルティエポケットウォッチの
ケースサイドだと思っている。
(カルティエはほぼ一点モノに近く、画像も見つけにくい。下は、メーカーは違うがほぼ同じフォルム)
要するに縁は厚みがなく、ほぼ
ナイフの刃先に近いエッジ。
(そう言っちゃうと極端かもしれないけれど)
90年に代質流れ品で見かけて以来
再会できない憧れの品。
思えばあのフォルムに似ているのだ、
ロードマーベルは。もっとも、
あれほど洗練されてはいないが。
真ん中がふっくら、と言うより
カルティエに比べたらずんぐりむっくり。
(カルティエは中央部分でも厚さは僅か4ミリ程度だった)
しかし、こちらはセイコー。しかも腕時計。
いいじゃない、可愛くて。
ハマグリに惹かれるルーツはここかな、
最近頓に思うのだ。知らない内に
どこかであのポケットウォッチの
幻影を追っているのかもしれない。