あぎニャンの地球一周の旅 -3ページ目

小心者にはつらい美しい海岸

ずっと、犬のことを書いてきましたが、実はまだ解決策がきちんと見出せないまま、今に至ります。
ちょっと気が晴れて書けそうになったら、書きたいと思います。

さて、今回は私が住んでいた小さな海辺の町プエルトロペスの近くの美しい海岸Los Frailesに行った話です。
他の近辺の海岸とちがうのは、国立公園の中にあって、きちんと管理されているので人もごみも少ないという
理想の海岸とのこと。(他の海岸はごみだらけ)
町からバスで20分ほどで国立公園の入り口に着きます。
タクシーまたは自家用車で来た人は海岸のそばまで車が入れるのですが、バスで来た人はそこから
歩かねばなりません。もちろん、一人旅の私はバス。
海岸に至るまでの道は2つ。
一つは車が通る幅の広い道路。
もう一つは国立公園のいろいろな見所を見ながら到達するトレイル。
係りのおじさんに勧められるまま、もちろん、見所満載のトレイルへ。
しかし、平日のため人っ子一人おらず、しかも、マムシさんが時折、私の行く手に「こんにちわ」。
みなさん、日本のような公園ではないのですよ、自然そのままのただの広い保護区。
誰もいないここで、マムシさんに噛まれたら。。。
小心者の私は怖くなりましたが、入り口で入場料として12ドルも払った手前、海岸に何が何でも行きたい!
「森の熊さん」を大声で歌いながら、足音高く進むことにしました。マムシさんたちが音を聞きつけて、遠慮してくださる
のを期待して。。。。
頭の中で「そういえば、赤十字の救急法でマムシに噛まれた人の救急法があったよなあ」と頑張って思い出す始末。
見所の中には最終目的地以外の「黒砂の海岸」「亀の海岸」という名の付いた海岸もとおり、それはそれは美しいのですが
誰もいない。。。。
そして「キケン遊泳禁止」の看板。「なんで、遊泳禁止でキケンなの?もしかして死者も出た?」
と小心者の私はチビリそうになり、「亀の海岸」でなぜか、ぷっつり、ワイルドなりにも明確だったトレイルが獣道に変身。
しかも、たくさん、枝分かれしていてどれが行く手かさっぱり分からず。ただでさえ、方向音痴の私ですが、グリム童話の
子どものように途中、木の小枝を落としたりしながら帰り道が分かるようにして進み始めました。
しかし、小心者の私は「富士山の麓の樹海」を連想し始めて、また、チビリそうになり、のっぴきならなくなる前に
引き返すことに。置いておいた枝もよくわからなくなり。。。四苦八苦してチビリそうになりながら来た道を戻りました。
やむなく、入り口に引き返し、係りのおじさんに事情を話すと「あ、あそこからトレイルはないんだよ。海岸線に沿って歩かなきゃ。」
とあっさり言われた!看板を出すとか、最初に教えるとかしてよ!と、ちょっとムっとしまた戻る。

そして、苦労の末、出発から3時間でやっと目的の海岸に着きました!
そこには、今まで一人でチビっていたのが馬鹿みたいにきちんと車で来た観光客がおり、一安心。
ほっとくつろぎながら楽しいひと時を過ごしました。帰りはもちろん、車の通る道を選びました。
子どものころから冒険に憧れていたけれど、自然が怖い、所詮は俗物の小心者であることを実感した日でした。

犬騒動 in Ecuador ③

その日はかなり、打ちひしがれて私は一人、さっさと寝室へ。
夜、いろいろと考えました。

すると、エクアドルの母の心変わりの無責任さに何だかふつふつと
怒りが!彼らは敬虔なクリスチャンとして日々、立派なことを言っているのに、メス犬だって神の子じゃないの?と。
一人悶々と考えてました。

けれど、待て私。建設的にこれからどうしようと。
①家族全員となぜ、ベンガが家にいることについてどう思っているか、
 どうしたいか、を話すべき。
②新しい飼い主を探す
③ここにいなければ、アメリカにいるハウスメイトに相談の上、アメリカで飼い主を探す

翌朝、スペイン語の先生に思いを打ち明けると彼女もまた、ホストマザーの「もう飼えない、誰も欲しがらない」発言に心を痛め、考えてくれていたところでした。

その日は文法の勉強はそこそこに町に出てベンガの飼い主になってくれそうな、先生のお友達を尋ねまわることに。
海辺にいる海上警察、レストラン、ゲストハウスなど、回りました。
けれどもどの人も、「無理」と。

そうだ、この町、唯一の素敵な獣医さんに聞いてみよう!
彼ならだれか知っているかも。
電話でアポを取り、会いに行きましたが、返事は「NO」

アメリカにいるハウスメイトに連絡を取ると彼女は飼えないけど
(すでに2匹の雄犬を飼っている)、カリフォルニアの海辺でベンガを
欲しがる飼い主を見つけることはできそうと。
そして首都にキトに犬猫のシェルターがあり、ハウスメイトのエクアドルでのボランティア事業のあっせんをしていた業者の女性がそのシェルターの支援者であると。ベンガの話を聞いて力になると、言っていたそうです。

なかなか難しいけれど、可能性はいろいろとある。

その日の夜、ホストファザーの帰宅を待ち、ベンガについて、話し合いを持ちたいことを伝えました。
すると父は「今はベンガは家に居ついてしまった以上責任を持って
みる」と。私が雌犬は嫌いとか、昼間誰もいないから無理と母が
言っていたようだがと問うと、
「雌犬は確かにいろいろとやっかいだけど、避妊手術を受けたり、
責任がある。昼間も帰って様子を見に来れる。」と。
じゃあ、どうして昨日は母はあんなことを言ったの?
と聞くと、母も混乱していたんだよ、と。
うーん、何か二枚舌って感じ。と思いましたが。。。


私はエクアドルビザの延長のため、首都に出向かねばならず、
一度、この問題はペンディング。
ベンガの出産が私が帰ってきてからがいいなあ、と思いつつ、
後ろ髪ひかれる思いで首都に向かったのでした。

犬騒動 in Ecuador ②

ハウスメイトが去って一週間ほど経ったある日のこと。

一日4回のお散歩など、にわかに犬のお世話で忙しくなっていたころでした。

私と私のスペイン語の先生で話しているとうちのママが突然、

「エツコ(私の名)が去ったあと、誰も面倒見る人がいないからベンガは行くところがない。

雌犬は誰もここでは欲しがらないし。」

私のようにホームステイしている人がここにいない時にはウイークデイはここからバスで3時間ほど行ったサンタ・エレーナ

という別の町にママと長女、そして3歳の末娘は住んでいるのです。そして、15歳の息子は最近、父親と同じ場所に

勤め始めたところ。(彼らはここにずっと住んでいる)

しかし、このことはハウスメイトが去る前にあった疑問で、私たちが確認したときには「大丈夫、ミゲル(父の名)が

朝は散歩に連れて行けるし、昼も休み時間に見にこれる、夜も散歩に連れて行くから」と言っていたのに!

そのことを私が告げると、ママは「戻って来れないって。エツコも知っているでしょ?ミゲルは夕方遅くじゃないと帰ってこないって」

「誰もほしがらないよ、雌犬は。」そして、彼女の弟が雌犬を飼いきれなくなり、(出産などのため)犬を捨てに行き、3度遠いところに

捨てに行ったが3度とも戻ってきてしまい、4回目にはさらに遠くに捨てに行った話を普通に食べ物の話をするように話すのでした。

私にとっては衝撃的な話。犬は何を思って3回帰ってきたのか、4回目のときはどんな思いだったのか。

彼女の弟さんには私も会ったことがあり、4人の子どもを大切にする子煩悩ないい人と思っていただけに、ショック。

そしてこの町の住人は簡単に犬を殺すことも話すのでした。

犬が吠えているのが好きではないといって、毒入りパンなどをその家の犬にこっそり与えて殺すのも悲しいことに

一般的だとか。

どうしよう。私の中ではベンガの将来に対する不安でいっぱいになりました。

彼女は野良犬の生活をそれなりに満足していたかもしれないのに、私たち人間の勝手で餌をやり、住むところを

提供ししました。彼女の人生を変えてしまった。彼女はここの家を家と認識して帰ってきます。

いまさら、捨てるなんて。。。。どうしよう。

私の頭はクラクラにショックを受けてしまいました。。。。

つづく