中部電力「原発データ不正」で社内の異論を封じた〈責任者の逆ギレメール〉 | ☆Dancing the Dream ☆

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不正の底なし沼のような原発。

大災害が頻発している日本では、存在自体が悪としか言いようがない。

地震だけでなく大型台風や集中豪雨、高潮などの気象災害も、原発の安全性に対して複合的なリスクをもたらす。

 

 

【中部電力】浜岡原発データ改ざん問題 調査委「社内の一部が“不正”を独自に正当化」2026/09/14

 

 

捏造の手口…報告書が指摘“企業風土”の課題 浜岡原発データ不正問題でトップ辞任へ【報道ステーション】(2026年9月14日)

 

 

【中部電力"不正"問題】経営層の"圧力"が要因か 調査報告書を公表 会長・社長は辞任へ 静岡 NNNセレクション2026/09/20

 

 

 

 

 

diamond online 2026年9月19日

 

 中部電力の「浜岡原発データ改ざん問題」。実は、顧客への過大請求を放置するなど、社内全体でモラルが崩壊していたことが浮き彫りとなっています。異論を唱える社員への「逆ギレメール」まで飛び出すその闇の深さと、不正を生み出す「日本型組織の病」の恐ろしさに迫ります。(ノンフィクションライター 窪田順生)

データ不正の「正当化」
壊れきった組織のモラル

《『不適切だと認識しつつも何らかの事情でやむにやまれず実行するという事例に比べ、行為者が「自分たちは正しいことをしている」という考え方により、確信ひいては信念すら持って不適切な行為を実行に移している可能性がある』》(調査報告書(開示版)227ページ)

 

 そんな「正義の不正」ともいうべき、ゆがみまくっているモラルにドン引きしたという人も多いのではないか。

 名古屋財界の名門・中部電力が、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の再稼働審査に用いる耐震設計の「基準地震動」のデータを2012年ごろから不正に操作して、意図的に地震の揺れを小さく見せていた問題のことだ。

 ご存じのように今、原発再稼働が着々と進んでいる。関西電力は保有する7基すべてが再稼働済み、中国電力は島根2号機、四国電力管内は伊方3号機が稼働、九州電力も4基を再稼働、福島第一原発事故を起こした東京電力も26年1月、柏崎刈羽原発6号機の再稼働にごぎつけた。

 他の電力会社の背中を追う中部電力社内に「強烈な焦り」があったことは容易に想像できよう。しかも、同社は唯一保有する浜岡原発の安全対策に約4000億円という巨額の費用を投じてきたので今さら「稼働できませんでした」で済む話ではない。そういうプレッシャーにさらされていくうち、社内の一部が常軌を逸した不正を正当化してしまったのだろうか。

 そう聞くと「よくないことだけれど、上から無理な数値目標とかスケジュールを押し付けられて叱責されているうち、精神的に追いつめられちゃった部分もあるんじゃないの?」と同情的な見方をするサラリーマン諸氏も多いのではないか。

 ただ、中部電力のモラルの壊れ方は「現場も被害者」的な話だけでは到底説明ができない。原発に限らず組織内のありとあらゆるところでモラルのネジがぶっ飛んでしまっているからだ。

 例えば今、原発データ改ざんと共に問題になっている「過大徴収」。子会社の中部電力ミライズが約500万件の顧客に対して、電気料金を約12億円も過大に徴収していたのだが、背筋が冷たくなるのはその対応だ。

 

 

 

朝日新聞 2026年9月14日

この社説のポイント

●浜岡原発をめぐるデータ不正で、中部電力の経営トップが引責辞任し、再稼働に向けた安全審査も取り下げる
●再稼働を急ぐ経営層から圧力がかかり、現場は独自の理屈で不正を正当化していた
●信頼を失った中部電に原発事業を委ねられるか、疑問だ

 

中部電力浜岡原発(静岡県)の地震動データの不正は、経営トップの辞任と再稼働に向けた安全審査の申請取り下げに発展した。「結果として安全性に問題はない」「裁量の範囲」といった理屈で不正を重ねた組織の責任は極めて重く、当然の判断だ。

 中部電が公表した調査委員会の報告書からは、「再稼働ありき」の論理が浮かぶ。

 耐震設計の根幹となる基準地震動の評価をめぐり、担当の原子力土建部は遅くとも2012年以降、都合のよい地震動が得られるようデータ改ざんなどを繰り返した。社内で問題視する声や内部通報は度々あり、当時社長の勝野哲会長ら経営陣に報告が上がっても、改善されなかった。

 背景には、審査の遅れを厳しく問う上層部からの圧力があった。地震動を適切に評価すれば、追加工事や審査の長期化につながりかねない。原発の審査は、事業者が正確なデータを規制当局に提出することが大前提だ。しかし、追い込まれた現場は「自分たちは正しいことをしている」という「独自の正当化理論」でつじつま合わせをした。

 審査の状況に対する経営層の理解は乏しく、専門性を盾に外部の指摘や助言を退けた現場の体質も背景にあった、と報告書は指摘する。

 正規の手続きで再稼働の見通しが立たないなら、廃炉を含めて根本から見直すべきだった。南海トラフ巨大地震の想定震源域に立地する浜岡原発で、安全性より再稼働の日程や事業計画を優先する発想がまかり通る。倫理観を欠いた不正は、言語道断だ。

「再申請」を口にするのは早い

 林欣吾社長は会見で、いったんは安全審査の申請を取り下げるものの、「決してあきらめることなく再申請に向けた取り組みを進める」と述べた。信頼回復がこれからの段階で、口にするのは早い。

 

 安全審査の申請を取り下げれば、再稼働は見通せない。原子力規制委員会は全容解明と厳正な対応を進めるとともに、似たような不正が他の電力会社にもなかったか、徹底的に検証すべきだ。

 また、中部電では近年、浜岡原発の安全対策工事の未精算や廃炉費用の不適切請求など不祥事が相次ぐ。報告書は他の不祥事事案についても、「同じような考え方が根底にあるように見受けられるものもある」と指摘。信頼回復への道のりは極めて険しい。

 福島第一原発事故の教訓は、根拠のない安全神話や組織の都合が、リスクへの感度を鈍らせることだった。その感度を失った中部電に、なお原発を委ねられるか。厳しい視線が向けられている。