去る5/8にウガ金の松本英雄さんの回を見逃していたのでupしておきます。
先の大戦の構造と比較して、現在の石油危機における政権の対応が酷似しているという分析には、
絶望的な気分になります。
とっても単純な事なんです。
— 松本英雄 (@hmatsumot1) May 4, 2026
備蓄は使ったらアカンの。
使わんから、経済/外交の抑止力になる。
核兵器と同列に位置付けるべきもの。
だから、先日『備蓄放出はPoint of no return』と申し上げました。 https://t.co/4vvhNP8HqZ
2026.5.8 ウガ金 なぜ石油備蓄放出は「越えてはならない一線」なのか?
烏賀陽:
今日の話題の1 つは、先日、松本さんがTwitterで呟いておられたことで、私、ずっと気になっていたことではあるんですけれども。
1つ目の話題とは、いわゆる日本が石油の備蓄を放出、つまり、取り崩し始めたというところでですね。松本さんは 「それはもうすでにポイントオブノー リターン、もう引き返せないとこに来たということである」と。もっと 分かりやすい言葉で言えば、「もう今まで超えてはいけなかったはずの一線を超えてしまっている」ということをおっしゃっていたので。
これは一体どういうことなんだろうというので、もうちょっと詳しくお伺いしたかったということが1点目。
そして、2点目がですね。ホルムズ海峡が 今封鎖されて、ペルシャ湾に日本関連だけで40隻ぐらいタンカーが閉じ込められとるという状態で、最近話題になってるのは、外海に面してる、要するにホルムズを通らなくても外洋に出ることができるアラブ首長国連邦、いわゆるUAEのフジャイラっていう港があるんだけれも。これは、「ホルムズ海峡の封鎖というものに対する迂回ルートとして、突破口になるのや否や?」というの2つ目の話題として、お話を聞きたいと。
実はちょっと先回りして 、大体こういうこっちやろな?みたいなのは、僕もちょっとリサーチの段階で 分かってきたんですけれども。
ちょっと、その1点目の 「石油備蓄の放出」ということですよね。
これが「なぜ超えてはならない一線を超えたのか?」あるいはそのポイントオブノーリターンなのかっていうことをちょっと説明してもらえますでしょうか?
松本:
はい。Twitterではですね、「攻撃に類するもんだ」って、ちょっと極端ということを書いてしまった部分もあるんですけども、何を申し上げたかったかって言うと、「攻撃的な要素がある」という意味で核攻撃と言ってるんではありません。
最終手段に相当近いところで、なかなかそれは切っちゃいけないカードだというと。そのカードを切ること自体が人倫に反するとか、他国に対する侵略行為になるとか、そういう意味ではありません。
ただ、「ポイントのリターンである」ことは間違いないと私は思ってますし、要は備蓄を使うということの意味っていうのがどういうことなのかという、まず、「常識」というと言葉が過ぎるんだけれども 認識の醸成がないままに、「備蓄を開けますから、油はあります」「ガソリンの値段下げます」なんていう、<稀に見る愚策>と私申し上げますが…を取るような政権っていうのは、やっぱりもうどうもならんなと思いますね。
その意味において、政権が取っている政策全体がね、やっぱりどうしようもなくなるなと。
それがまず第 1点。
要は「備蓄」って何?と。じゃあ逆に烏賀陽さんのお考えも聞きたいなと思ってるところなんですけど、別に試すとかそういわじゃなくて備蓄って何のために置いてんの?
烏賀陽:
備蓄ってのは、もうあれだと思います。
それこそ日本は海上封鎖されるとかですね。ラストリゾート(最後の手段)ですよね。
ごめんなさいね。拙い知識で言うてますんで、幼稚なこと言うと思うんですけれども。
本来は国家存亡の危機のために置いてあるはずのもんじゃないの?というのが私の認識なんですけれども。
松本:
皆さん、愛国者に溢れているこの国、それが支えてる今の政権の皆さん。
皆さん、多分、3度の飯より好きな台湾有事。台湾有事、別に、ま、起きませんけどね。基本的に起きません。
烏賀陽:
うん。起きませんけどね、あれはね。うん。笑
松本:
というように、例えば、じゃあ「日本近海を完全にもう海上封鎖、日本がされちゃった」と。
…いう時に、使うものなんですよ。
烏賀陽:
そういうことですよね。
松本:
これもTwitter に昔、書いたんですけども。
戦国時代にですね。ある領地が攻められて、その領主さん、大名さんというか、戦国大名でもいいんだけど。のいてはるところ。居城がまだ敵に包囲されてないと。
でも隣の国がちょっと揉めてると。
ひょっとしたらちょっと物流とか、物の流れが悪くなるかもしれんと 言うた時に、城の中にある兵糧米を食うアホはおらんでしょ?
烏賀陽:
ま、おらんね。アハハハハ! いやいやいやって話だよね。それはね。笑
松本:
そんな領主がおったら、家臣は逃げますわな。
烏賀陽:
うーん。というかそれは戦略ミスやね。
松本:
うん。だから戦略的な発想も、戦略的な方策も、戦略的な知見、それから、もう何もないとしか言いようがない… いや、唯一ある戦略は、私あるなと思ってますけど。
何もないところでの政策選択だから、ダメだなって言ってるんですよね。
烏賀陽:
松本さんの定義による「石油備蓄」っていうのは、どういう位置づけなんです?
松本:
まさにおっしゃる通りで、本当にダメな時に使うのは、ある意味、ちょっと遅いんだけれども。
備蓄を使うということは、何を目的にするのかと、いうことなんですね。
で、1 番大きな利点、利点っていうか、僕はこれが 1 番大きな力点だと思ってのは、「時間を買う」ってことなんですよ。
烏賀陽:
ああ、なるほど!
松本:
要は「備蓄で食い繋ぐということを腹を決める」ということは、じゃあ「食い繋いでる時間はどれぐらいありますか?」ということを想定できる。もしくはする。するための努力をする。
そこから始まるはずなんじゃないですか。
で、僕は、前回お話した時に、「政府と政権は違う」って僕は申し上げましたけど。
先ほどの烏賀陽さんの冒頭のところでも、「トランプの米国のような不安定かつ行動が読めない政権はない:とおっしゃいました。
政府としては、僕はまだ機能しうると思ってるんですね。
烏賀陽:
うん。ま、そうですね。いわゆる例えば国務省とか国防省にいるそのキャリア、キャリアというか、そこで一生過ごすビューロクラッツ(官僚)は、多分、苦々しく思ってると思うんですよ。
だけど、ポリティカルアポインティー(政治任命者)として上に来る政治家たちというのが、ま、トランプのお仲間なんだということになりますね。だから自民党の今作ってる日本の政府も、各省庁の大臣は内閣総理大臣が決めるわけなんで。状況は同じやと思うんですよね。
だから「政権と政府は違う」。そういう意味ですよね。
松本:
そういうことやね。 うん。 で、ちょっと話ましたけどね。
「備蓄って何なの?」って言ったら、「時間を買うため」に使う。
で「時間を買うってのはどういうことか?」って言ったら、のんべんだらりと食いつなぐんじゃなくて、例えば「3ヶ月後には何らかの事態の好転が見込まれる」という予想と、その3ヶ月後に事態の好点をもたらすだけの政策ないしは戦略を打った上で、なるほど3 ヶ月間に例えば per day1日当たりどれだけの石油が足りませんか?と。
で、足らんのやったら… 例えば… 前にもこの話してますよね。
日本っていうのは、<(1日あたり)300 万バレルの原油と石油製品を入れている>
烏賀陽:
えっと、1日に、300万から340 万バレルって言たね。大体ね。
松本:
そうですね。ピークの時そうですけど、まあ 300万でいいでしょう。
烏賀陽:
まあ、300万ですね。 概算で。
松本:
話をややこしくせんために。
で、そのうち230万バレル… 240 にしよっか。
240万バレルが原油で、60 万バレルが石油製品。 主たるものとして、ナフサ。
烏賀陽:
なるほど。なるほど。なるほど。それずっと続いている話やね。
松本:
それでね、じゃあ需要を全く抑制しないとそうなるわけですよ。
ということは、「ちょっとごめんなさい。これガソリン使うのやめましょう」と。
もしくは「控えましょう」と。
先月、前回、話したことと同じです。
要は、どういう風な産業セクターないしは、産業のみならず領域に対して優先的に資源を配分しなきゃいけないかってことを考える。考えてると思うんですよ、当然ね。
で、考えた上で、そしたら、今んところ合わせて、「1日300万バレル使ってるけど、これを例えば 200万バレルまで落とそう」と。
大変なことですけどね。1/3 落とすってのは。
烏賀陽:
そうやろね。
松本:
で、それをするために、まず落としていって。
それで例えば、「今、250日保つ備蓄」って言ってたのが、この間の議論でどれだけあるんか?
「ほんまに 2百何十日なの?」って、「割算の分母は何なの?」って議論したと。
まあ 250日としましょうか。 政府発表通り。
じゃ、ということは、300万バレルあるんですね?per day 使っていいんですね?…ということにしましょう。
で、さっき申し上げたように、「200万バレルに需要を落としました」と。 国内総需要を。
で、その状況の中で、向こう 3ヶ月か4ヶ月か知らんけど、確保できる原油及び石油製品… 本当は比率の問題とか全部あるんだけども話がややこしくなるから…
(確保できる原油及び石油製品が)50万バレルですと。per dayね。
これ、割と近い数字を僕、言ってると思います。
…となると200 万バレルしか使えませんって言ったら、足らん部分として 150万バレル。
で、これが、250日分あるんだとしたら、500日分ありますねと。
1 年半耐えられますと。 まずね。例えば。
これが計算じゃないですか?
烏賀陽:
うん。極めてあれですよね。 簡単な掛け算の問題ですよね。
松本:
掛か算。四則演算、以上でも以下でもない。
烏賀陽:
小学校で出てくる範囲やね、これはね。
松本:
はい。ひろ君が300円持って八百屋に行って、150円のりんゴと30円のみかんを買いました。みたいな話ですかね。
烏賀陽:
アハハハハハ! ひろ君って僕? うん。 うん。いいよね。ひろみち君ね。
ひでちゃんとひろみち君、なんでもいいねんけど。
松本:
うん。 そういう話しかないんですよ、これ。
それは数字の組み合わせの問題なんですね。
ということは、考えなきゃいけないことっていうのは、「何年間この状態が続くか?」
もしくは「何ヶ月間、この状態が続くか?」
で、続いてる間に、どれぐらい 300万BD だったものがどれぐらいは確保できるか?
烏賀陽:
BDというのは、バレルper dayやね?
松本:
バレルper day....BDという言葉を使います。
それでバランス分をどういう風に埋めていくか。
で、需要を下げていく。
だから300万BD しか入ってけえへんところで、250万BDしかなかったら、
さっき言ってた300万BD×250日も、250日分しか持たないでしょ。
烏賀陽:
うん。そういうことやね。
松本:
ざっくり言うとね。250 日ちゃう。もうちょい300 日ぐらい持ってたわけだ。
ま、その数字はほんまは違うって話は置いといて。一旦ね。
だから単純な数字の組み合わせなんですよ、これ。
烏賀陽:
だから、ちょっと話、先に急ぐと、要は、いわゆる使ってしまう石油の量を、
要するに、使う石油の量を節約する、抑制するっていう政策をしないで、
その備蓄を取り崩すっていうのは、これ矛盾してるのちゃうかい?っていう話ですよね?
松本:
はい。愚の骨頂です。
烏賀陽:
うん。そういうことやね。
前回の松本さんの、先々週ですけど、前回松本さんが見せてくれたプレゼンテーションのノートにはね。要は、「石油製品の輸出ってやめんといかんのちゃうの?」っていうことが書いてあったよね?
松本:
「石油製品の輸出」っていうか、石油化学品だよね。
ケミカル製品だね。
烏賀陽:
塗料とか、そういうもんやね
松本:
あとプラスチックも含めて。
烏賀陽:
プラスチックも含めてね。 だから要するに国内の供給が、それは先決問題であって外国に売っとる場合とちゃうやろって話やね?
松本:
はい。
烏賀陽:
だから今の…これ共有しといた方がいいと思うんですけど。
全体の概況としては、日本という国は節約は全くせんけれども、貯金を取り崩していくという、
誠にバブル姉ちゃんっぽい状況になっとるわけやね。
松本:
しかもそれに追い銭つけてな。 リッター50円ぐらいつけてると思うよ。
烏賀陽:
そこやね。それもいつまで財源が持つのかわからへんけどね。
松本:
それで、「目詰まりや!」言うてんのやろ?
烏賀陽:
それで、政府の言ってる、僕はあえてこれを「プロパガンダ」と呼ぶけれども。
「それは流通が詰まってるだけで、物が足りひんわけやないんや!」っていうのが、
今の日本政府というか、政権、高市早苗の率いる政権の言ってることやね。
松本:
はい。で、その時にたぶん1番大きなファクターになるのは、「時間」なんですよ。
烏賀陽:
つまり、ホルムズ海峡が開くまで、どれぐらいの見通しなんや?っていうことや。
松本:
そういうこと。
今ちょうど… あれ何日でしたっけ?
烏賀陽:
2月28日。
松本:
2月28日。もう2ヶ月以上経ったわけですね。
で、トランプさんしか…「ドナルドしか平和をもたらせない」って言ってニコニコしてぴょんぴょん…
こんかいはぴょんぴょんはせんかったけど…
烏賀陽:
まあ、抱きついたり、肩組んだり、なんかこうね。
松本:
ホワイトハウスの晩餐会でなんかX Japanの曲やったからって、イエイとかって踊ってた。
烏賀陽:
うん。ま、キャバクラみたいですよね。なんかね、あれね。
松本:
知らんけど。
でね、要は、「トランプの旦那さんは、勝ちはるって言うてる」しか言うてへんのですよ、あの人。
烏賀陽:
つまり「アメリカが勝つ」って言うてんやから、それに賭ける、というか、ベッドするわけやね。
松本:
それしか今のところ報告がない。ある意味ね、アメリカが勝つ確率は、あったと思うんですよね。
烏賀陽:
はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい。
松本:
あったのか、それがどういう風に展開できたのか?ってのは、それ軍事的にバカだったのかどうか、
私は知りませんけれど。
烏賀陽:
うん。うん。うん。うん。うん。うん。うん。うん。あの、ごめん。
勝つっていうシナリオをちょっと僕の専門の分野から引っ張り出してくると、「戦争に勝つ」っていうのは、その国が設定した政治的なゴールを達成することやと僕は考えてるんですよね。
で、今回のイラン戦争でアメリカの最終的な政治的なゴールっていうのは、イランの核開発と呼んできますけれども、「核開発の無力化」だったと思うんですね。
ついでに今の政権を転覆さして、親米的な政権ができたらいいなみたいなことは考えたと思うんやけど。今のところどっちも達成できてないのね。
で、達成できそうにもないので。おそらくこの戦争に勝つことは ないと思う。僕は。
松本:
ないでしょうね。私もそう思います。
だから、何を言ってたかっていうと、「備蓄」の話が、なんで「ポイントオブノーリターン」か?
愚策かっていうと、 1 番大事なファクターである「時間の読みまちがえ」。
で、 それがアメリカしか…
要は、「ドナルドしか平和をもたらせない」っていうのは、平和というのは本当の意味での世界平和じゃなくて、「私と私の周りの人間たちを平和にしてくれるのはドナルドさんあんただけです」って言ったわけですよ。
烏賀陽さんはそこを評価してるっていう論評をしてらっしゃったけど、ま、僕は全く評価してません。
烏賀陽:
僕は、高市が考えたんではないと思うけど。あれは外務官僚の作文やと思うけれども。
あの時のポイントは、「日本が多国軍としてホルムズ海峡のあの戦争に参加するかどうか」っていう議題が出てたから、あれは「あんたしかできへんまへん」っていうことで責任を押し付けたと。
「うちにはできへんねや、それは」と言うたんが、あのメッセージのシグナリングやなと思ったんで、僕はそれは成功したねって言ったんです。
松本:
うん。そこは否定しません。
このメッセージの中に込められてるもう 1 つのインプリケーション(含意)ちゅうのは、何かって言うたら、「あなたの言うことしか聞きません」になるわけですよ。
その怖さなんです。
烏賀陽:
分かります。要するに、太客が 1 人しかいないって状態のキャバクラ嬢みたいなもんやね。
松本:
そうそうそうそう。
烏賀陽:
うん。なんかすいません。皆さん例えが下品ですいませんね。
だから、そういうことですよね。
松本:
うん。ということは…そしたら、アメリカが粘れば粘るだけ日本は備蓄が減り…
ガソリン補助金が増えていき…
ゼロになったらどなするんですか?って話。
それで今出てきてるのが 、例えば、Twitter だったら境野さんとか、ドクターなんとかっていう人が、
「目詰まりじゃなくて、元が詰まってるんや」て言うことに対して、デマや、デマや、デマや、デマやって言ってる人が多いわけですよね。
烏賀陽:
自民党ネットサポーターズクラブとかとちゃうんすかね?
松本:
知らんけどねぇ。だからある人から…と言われて、ご覧になった方いらっしゃるのかもしれませんけど、 ぐじゃぐちゃ言ってるから、「いいや、数字だけのことでっせ」と。「四則演算だけの話でっせ」と。 同じこと書いたんですよね。「 素人がぐちゃぐちゃ言うな」って怒られたんですよ。笑
烏賀陽:
ウアハハハハ! それはまた頭の悪いやつやな。ほんまに。
松本:
ま、ええけどね。
でね、さっきの話にいっぺん戻しますね。
じゃあファクターとしてあるのは、その(戦争の)「長さ」、それから「需要量」「備蓄 」
それから「供給できる数」。
変数としては、この4つぐらいですわ。
所与の条件としてあるのは「備蓄」という数字だけ。 これは減るだけ。
プラスマイナスで考えてた増分として考えのは、「需要を抑え込むこと」と
「ホルムズ海峡を経由しない石油並びに石油製品がどれだけ供給できますか」と。
烏賀陽:
そういうことですよね。
(中略)
松本さんが言うてはるのは、「備蓄を取り崩していくということ自体が、トランプの勝利への一点ベッド」ということやね?
松本:
になりますよね。
烏賀陽:
だからつまり、「イラン戦争は短期」、つまり「備蓄が保つ間に解決する」という前提で、このスキームは回っとるわけやね。
松本:
そうです。
烏賀陽:
もう1 つ認識しなくちゃいけないなと思うのは、高市早苗が言ってることは、「国民の皆様は生活をなんら変わらず続けてください」って言ってるっていうことだよね。
松本:
「需要を抑えないでください」って言ってる。
烏賀陽:
そういうことだよね。
うん。うん。僕それそもそもおかしいと。ま、議論がこないだも出たと思うんですけど。
「オイルロックダウン」とかね 「不要不急の外出やめてください」とか「地下鉄間引き運転します」とかね。そういう話が始まるんやと僕思ってたんですよ。すぐに。 こんな緊急事態だからね。
全くならんなと思って。逆に言うと、別に、やった方が不便やから、皆さん伸び伸びとしてて、のんびりで結構なんですけれども。なんて言うの? え?ほんまにやらんでええの?っていうのは僕はちょっと意外やね。
松本:
身も心も、トランプおじさんというか、トランプの旦差に捧げてはるっていう。
ま、これはカルカチャイズしてもしょうがないんだけど。
だから、こないだちゅうか、「ドナルドしかいない」っていうことの怖さの裏返し。
巧妙の発言だったと、要は、「自衛隊は送れません」というメッセージング、シグナリングとしては非常にいいと思うんだけど。裏を返すと、「あなたのポリシーに 絶対に盾つきません」って言ってるの同義なんですよ。
烏賀陽:
分かりました。「あなただけについていきます」と。なるほど。忠誠を誓ってしまったわけですね。
松本:
で、そうなってしまうと、他の道が取れなくなる。
烏賀陽:
ちょっとその上で、もう答え分かってるんやけど。
あの、devil's advocate(悪魔の代弁者)として投げると…
なんか、松本さんには懐かしいサハリン経由の石油が来たとかね…。
松本:
元々来てますからね。
烏賀陽:
メキシコ経由の原油が来ましたとか。 そういうその「ホルムズ海峡以外のルートもあるんで〜す」みたいなね。
もういかにも、「こんなクラシックなプロパガンダないな」っていうニュースが流れてくるよね。
また民法のマスコミがまた、「勝った!勝った!タンカーが来た!万歳!万歳!」みたいな。
港でこう万歳を叫んでる第二次世界大戦、太平洋戦争の時のアホな何も知らされてない国民みたいな、報道流れてるから。この人ら何も分かってへんなと思うねんけど、松本さん、その辺、聞かしてもらっていい?
松本:
だから、「数字の話でしかない」ということの繰り返しになります。
300万バレル1日入れてた国です。 ということですね。
そこに、はて… 「いや、お前、今日アメリカから5杯来たで」と。
「すごいやないか。お前 。たいしたもんや高市さんな。」 言うてね。
「頑張ってんねんやな」言うてるんですけど。ちっちゃい船なんですよね。
烏賀陽:
メキシコから来た船、100 万バレルやって書いてあった。
松本:
だから希望峰を回ってくるやつが、1発 VLCC あるんかな。それが何隻か来るでしょう。まあ。
烏賀陽
あとね、あとどこやったっけ?どっかから来たのが、 200万バレル積んできた、要するにそのベリーラージな船が到着した。で、また万歳三唱するようなフジテレビの報道が流れてたけれども。
松本:
あれ、あの封鎖前やろ。
烏賀陽
あれ封鎖前に出た船やった? どこやったっけな。忘れた。
もうあんまり瑣末なんで、俺これもう捨ててええわと思ってあんまり注目してへんねんけど。
要は、「日本は、1日300万バレル」
1日ですよ、300万バレルの原油を消費する国なのに、そこで200万バレルのタンカーが着いたからつって、なんやねん?て。 2/3でしかないやん!て。
松本:
ちゃうよ、それ、per day やで。
毎日毎日来てくれたら立派なもんやで。
烏賀陽:
そうそうそう毎日来てくれたら立派やけど、要するに 1日に必要な量の 2/3が着いたと。
ということは16 時間しか保たいないやないかって話ですよね。
それアホみたい。なんて言うのかな。鼻くそみたいな話だなっていう話ですよね。
松本:
ま、それが毎日来てくれたらまだええよ。
一生懸命、頑張ってはるんですよ。元売り各社の方、本当に必死になって、もう多分、今、寝る間もないと思う。僕、現役やったら死んでる。ほんと嫌やなと思う。やりたない。
烏賀陽:
実際に経験したんでしょ? そういうことは?
松本:
うん。近いことはね。
それがだから、「数字や」と言ってて。「ポイントオブノーリターン」であろうが数字であろうが、
なんでもかんでも全部そこに収斂するんだけど。
それじゃあ、<日本という国は、向こう例えば半年間に渡って、100万バレルパーで100万BD 確保できる道筋がついてるでしょうか?>っていうのは次の質問だとしましょうか。
烏賀陽:
つまり、えっと、スポットじゃなくてレギュラーで来る?
松本:
ま、スポットの積み重ねの100 万持ってきてもいいんですよ。それ、ありやからね。別にね。
でもそんな契約してくれる人、いてますか?このマーケットシュチュエーションの中で。
烏賀陽:
だからみんなそれ争奪になってるからね。全世界でね。
松本:
当たり前でしょ。全世界で。日本だけ足らんのじゃないんですよ。
で、まぁ、韓国が偉いとか、あれもまたね、あれはだから、頭悪い左翼っぽいアホリベラルが書いてると思うんです。韓国が頑張ってるのは事実だと思いますけども。
で、彼らは、石油製品の輸出を一早く止めましたよね。 うん。当たり前です。それは。
で、国内の需要も抑えてます。
烏賀陽:
何をしてるんですか?具体的には?
松本:
確かね、ガソリンの販売制限がなんかしてたんちゃうかな。もう。
烏賀陽
だからある意味でその需要抑制政策は取ってるってことやね。
松本:
需要抑制政策、それから国内を守る策。
ま、本当はいけないことだと僕は思いますけども。今のその解放経済の…解放経済とか言うと懐かしい。(笑)
鎖国化していって、自国だけで生きていくってことをやるのを、是認するものではございませんけれども。これは、戦時下なんですよ。
烏賀陽:
要するにその対概念としては、グローバル経済っていうのがあるんだけれども。
今はもう戦時下なので、各国が、「国益を優先するしかない」っていうことですよね。
松本:
当たり前ですよね。
なんで、愛国者の皆さん、それをおっしゃらないのかなと。
烏賀陽:
僕、本当に不思議なけど愛国者の皆さん、それ絶対言わへんのね。
なんでかって言うと、エセ右翼の人達って、台湾有事のことばっかり考えてて、ホルムズ海級がね日本頸動脈であるなんてことを彼ら勉強してないから。
松本:
聞きたくないからでしょ?
ていうか、それだけじゃない。あの人たちは別に気質的に認知がおかしいわけではなくて。
わざと自分で「目をつぶる、耳を閉じる」ということ認識を封するということをやってるだけなんで。
烏賀陽:
それはもう精神分析学的に言えばさ、単なる現実否認ってやつだよね。
あともう1つだけ付け加えると、台湾っていうフィクション、ほぼネグリジブルなシナリオを騒いでる方が、本は売れるし、クリック数は上がるし、講演料が上がるっていうのがあるよね。
つまり近いところでの危機というのを、確率的には 1/1000ぐらいで低くてもさ、
遠いホルムズ海峡のことなんか誰も分からへんから想像力が及ばんから、そっちの方が確率としてはやばいのに、要するに近場の話の方が(中略)分かりやすいってことね。
松本:
そういうことやね。 ごめんなさい。卑近なもの言い方をずっとさっきからしてるんだけれども。
だから「ポイントオブノーリターン」だろうが、「核使用に類する愚作」っていう、何でもいいんだけど。単純な四則演算をちゃんとやってないというか、やってるということをビジブルに国民に見せるとことをやらないような政権はダメです。
烏賀陽:
分かります。 だから、例えばその韓国がやってるような「需要の抑制策」とかね。
一種の「ロックダウン的な政策」とか、それをしたら、彼らは政権が命取りになるとでも考えてるんだろうか?
松本:
むしろね、「トランプさんの機嫌を損ねる方が怖い」と思ってるんちゃうやろか?
烏賀陽:
そっちなんやろか?
松本:
うん。それと両方あると思うけど。
もちろんね、ポピュリズムでしか生きていけないような、これは高市さんだけじゃなくて、小泉純一郎以来ずっとそうだったな、自民党は。
烏賀陽:
ま、そうだね。うんうん。
松本:
だからそういう、もう本当、二流というか、ダメな政党になり下がってしまう…それでも自民ってまだしっかりしてると思いますけども。
烏賀陽:
中にしっかりした人材もたまにおるからね。
松本:
うん。おる。 まともな人おるから。
烏賀陽:
だけどすぐ政権から引きずり下ろされたりするからね。
松本:
うん。で、要はポピュリズムでしか生きていけない。で、選挙だけ勝っとけば、あと何したって別になんとでもなる。これは安倍の時に起きたことやけどね。
だから、法令であったり法令の無視はしないけど、少なくとも慣例であったり国会の慣習であったり、ことごとこく叩きつぶそうとしてきたでしょ。
烏賀陽:
うん。うん。そうですね。
松本:
うん。それってだから議会民主義のルールだったはずものものを、どんどんどんどん壊してきましたよね。
烏賀陽:
そういうこと。要するに民主主義の基本的なルール、根本原則であったようなところを 大にして逸脱してたよね。
松本:
うん。そういう時に愛国者の方々が「多数決が民主主義や」って言はるわけですよ。
多数決は民主主義でも何でもないんですよね。
アベコベなんですよ。 少数意見というものを取り入れて、熟議を凝らして、それをどういうふうに取り入れていくかってことで、最後は多数決で決めなきゃしょうがないねっていう…
比較的まだマシな選択でしかないという、デシジョンメイキングメイキングプロセス(意思決定プロセス)だってことを全く理解できない方だとかしょうがないんですけどね。
烏賀陽:
まあ、なんかあれなんでしょうね。逆の意味で彼らは数しか理解できないんだと思うんですよ。
選挙で票をたくさん取ったやつが政治家としても資質が優れてるみたいな。
クリック数が多い方がコンテンツの中身が質が優れてるみたいな発想なんで。
松本:
そこだけ計算できるんだよね。
(中略)
烏賀陽:
元の話に戻すとその単純な割り算の話なんですよね。だからその要するに僕の今、頭の中でできつつあるまとめとしては、「なぜ、需要の抑制政策やんないの?」っていうことが1つでしょ。
もう1 つは、「イラン戦争という紛争が何日で収束するという見込みの下で、今、備蓄を崩してるんだ?」っていうことは、全く提示されていないっていうことでしょ。
松本:
そうですね。うん。
烏賀陽:
うん。今どうやろ?そんなところで、松本さんの言うとはることの、中間まとめ的なところになるやろか?
松本:
おっしゃる通りですね。
ですから、「政権の問題解決能力が著しく低い」ということになると思いますね。
烏賀陽:
うん。もし松本秀総理だったら何します?
松本:
まず、需要抑制しますね。
烏賀陽:
重要抑制。例えば具体的にはどんな政策でしょうか?
松本:
まあ、しょうがないでしょうね。
だから、ガソリンの販売時間の制限であったり、1 回あたりの例えば給油量の制限であったり。
そういうことせざるを得ないでしょう。
で、ガソリンだけじゃないですからね。
むしろ効いてくるのは、石油化学製品の方が圧倒的に効いてきますんで。
だから例えば、輸出のストップなのか。それとも、ま、ストップと言えないけど、抑制なのかね。
内需に対しての振り向け生産をやっぱり傾斜していく。
それと同時に、外交交渉の中で、「なんとかしてイランとの話をつける目度というか、道筋を探る」
ことをやるんじゃないですかね。
アメリカさんが勝ちはるまで、「欲しがりません、勝つまでは」ってやってたって、いつになるか分からへんしね。
烏賀陽:
だからこれ本当にあれだよね。
「アメリカの勝利だけにベッドしてる。」っていうのは、その心理としては、「日本帝国が勝つ一点
にベッドしてる」のと一緒やん。これ。
松本:
おっしゃる 通りです。おっしゃる通りです。
烏賀陽:
だから何にも変わへんと思うんですよね、これね。だからそこが怖いんだよね、これね。
だから要するに、難しいことは言うけど、「リスク分散してない」わけね。
「アメリカが勝つというシナリオしか用意してない」から、要するに「アメリカが勝たなかったらどうする?」というシナリオがないわけですよ。
松本:
というか、時間がもっとかかってしまう。
だからプランAが、アメリカ3週間で勝ちます。
で、プランBは 2ヶ月かかりました。
あれ? 半年かかってもうこれどうもならんぞと。
どこで俺らはほんまに死ぬんかな?ってことを考えると。
「1いちばん大事なのが、時間」って言ったのは、そこなんですよね!
そう、そう、そこなんですよ。僕が政策当局者やったらシナリオを5種類ぐらい書くと思うんですよ。
1番、シナリオ Aは短期決戦。 1週間でカタがつく。
2は、2月28日に始まってるから大体その例えば 1ヶ月でカタがつく。 その次、3ヶ月とかね、 半年とか、 1 年とか。それぐらいのシナリオは書くと思うんですよ。
で、そうなったら、あ、 1 ヶ月で終わらへんかった。そしたらプランCや!
あ、3ヶ月で終わらんかった。プランDや!…という風に次々にそのシナリオを移行してかないとダメなんだが。今、政権見てると、要するにお前プラン Aしか考えてへんやろ? 他のプランBCDE用意してへんやろ?っていう感じがするのね。なんか見てると。
松本:
まあ、考えてるかもしれないし、多分、霞ヶ関の方々は考えてると思いますよ。政府はね。
烏賀陽:
うん。政府はね。 うん。 うん。うん。うん。 うん。
松本:
だってデータ全部あんねんもん。
烏賀陽:
だからほら、太平洋戦争始める時に、連合艦隊の司令官だった山本五十六がさ、
あれ、誰だったかな? 天皇に聞かれたかなんか…
松本:
ちがう。近衛や。
烏賀陽:
近衛に聞かれたんか。要するに、どれぐらい勝算がある?って。
松本:
「2年暴れて見せます」ってやつですね。
烏賀陽:
「1年か2年間だったら、暴れてみせるけど、それ以降の話は全く心許ない」と。
要するに、「保証できない」って言ったって話があるじゃん。
ということは、雑迫の話だけど 、1年2 年だったら保つシナリオっていうのを考えてたわけでしょう。
松本:
そうですね。
と思います。僕はその時代生きてたわけじゃないし、本をたくさんその辺の伝文書の類をたくさん読みましたけど、そうとしか思えない。
これは烏賀陽さんも多分研究されたと思いますけど、あの当時の、米国の太平洋艦隊と日本連合艦隊の保有隻数。それからパラマ運河が通れる、通れないっていう、そのチョークポイントの問題を考えていったら、開戦筆頭に、大打撃を与えることによって、2年ぐらいは 保てると。
…いうのが、それがその意味では、1番大きな戦略だったよね。
烏賀陽:
これは皆さん、意外とご存知ないんですけれど。
アメリカ太平洋艦隊と第日本帝国海軍では、持ってる空母の数って、初期はね、大日本帝国の方が多かったんですよね。うん。実は、実は多かった。
松本:
あの時 4隻ぐらいじゃないでしょ。4 隻ぐらいです。
烏賀陽:
え、アメリカ側? (そう、そう、そう、そう) アメリカ2隻ぐらいだと思うよ。
松本:
エンタープライズと、ホーネットか。
烏賀陽:
うん。なんかね、めちゃめちゃ少ない。
松本:
インフォルトン?はまだ竣工してなかった?
烏賀陽:
してない。してない。で、日本帝国海軍は少なくとも4隻は持ってたのよ。
松本:
えっと、6 隻。
烏賀陽:
6 隻か。
松本:
うん。攻撃型の要は 2万5000トン以上の空母。だから真珠湾攻撃6隻やったんやもん。
烏賀陽:
真珠湾攻撃 6 隻でやったっけ? ごめん。だんだん俺の不勉強はバレてくるんやけれども。
ごめんなさい。
とりあえず、ミッドウェイ開戦で半年後に 4 隻沈められてメタメタになるという話が続くんですけれどもね。だから、よくある「日本はアメリカの物量に負けた」っていうのはこれ嘘なんです。実は。
松本:
最初は勝ってたんですよ。
烏賀陽:
勝ってたんですよ、実は。
大日本帝国海軍の方が物量多かったんですよね。
松本:
あの時に残ってた油の量が確か 120日分ぐらいやったかな。
で、開戦筆頭に、えっと、ジャワ、スマトラを抑えて、最初は シーレーンを確保できてたから、
昭和で言うと 18 年ぐらいまでは、油はしっかりあったんです。
烏賀陽:
1943 年でしょ。
松本:
そうですね。だから今の話と全部通じいてくるわけです。
烏賀陽:
全部続いてくるんですよね。そうなんですよね。だからその辺が山本五十六が言ってた、
「この辺までやったら暴れたる」っていうそういう話ですよね。
松本:
だからそれがプランAなんですよね。
で、プランA としては、「その間に外交で肩つけてくれ」と。
烏賀陽:
うんうんうん。そういう話だったね。
で、要するに相手の戦意をくじいて、そのアメリカに日本にとって有利な条件ね、要するに「ハルノートぶっ飛ばせ」ですわな。やろうとしたんやけれども、それが全く見込みが外れていったというのが、大日本帝国の悲惨なところですな。
松本:
だから「大日本帝国が勝つんです」って必勝の信念に燃えてらっしゃった東條英機さんと同じことを、高市さんはやってらっしゃるんですよ。
自国の軍隊じゃない、それを他国の軍隊に頼ってる。
烏賀陽:
そこがね精神構造としては全く同じやなと思うんですよ。 こういうの博打では、なんて言うんかな、
1点張り?(中略)
だから、いや、これね、いわゆる、リスク管理としてもおかしいのよ。
普通は「リスク分散」させるからね。
で、アメリカあかんかったら次どっから石油調達すんねん?って言ったたら、「ホルムズ海峡が封鎖されたままやったら、そしたらロシアから売ってもらおうか」とか、「ロシアが売ってくれるとしたら、 1日どれぐらい運べんねん」とかね。そういう話に次のプラン Bとして行くはずでしょ。
松本:
そうそうそう。とりあえずね。それは考えるわけですよ。
今、対露サンクション、制裁があるから、あれなんだけども。
今、だから極東ロシア「ESPO(Eastern Siberia - Pacific Ocean)」の原油、それから、「サハリン2」の原油等と、かき集めて、多分 15万BDから10万BD ぐらいはなんとかなるでしょう。
ピークの時で「サハリン 1、2」で20万BD強を出してましたから。
烏賀陽:
ちょっと待って。サリンで20 万しかないの?
松本:
そんなもんよ。いや、20万BDって、大きいよ。だって日本の1/10やで。
烏賀陽:
ま、そうなんやけど。 1日やろ?
松本:
いや、だからper dayよ。これは原油の話やから、話がややこしくなるんだけど。
僕は原油の頭っていうのは、200万から250 万BDっていう頭があるから。
烏賀陽:
ああ、そういうことか。1/10ってことは要するにあれやろ? 2 時間ちょっとしか持たへんってことやろ?
松本:
そういうこと。いやいや、それが毎日2 時間もちゃええやん。
いや、それがかき集めるってことやから。今やってらっしゃるのは正しいんです。日本の商社さんであったり、元売りさんであったりとかが、メキシコから買います。 うカナダからちょっと買いますね。
アメリカから買います。それはいいんですよ。
で、かき集めて総量がなんぼになるというマクロで見て欲しいわけですよ。
だから、さっきの烏賀陽さん言ってた話だと、愛国者ども…愛国者の方々が、たぶん、軍艦旗でも振ってお迎えするんちゃう?
烏賀陽:
インチキ右翼なぁ。
松本:
あのね、あの軍艦旗、なんかアナルみたいなやつ。
烏賀陽:
軍艦旗とかね、提灯行列とかやりそうやねからね。
松本:
万歳三唱!とかでやりそうやな。
烏賀陽:
やりそうやな。だけど、ロシアだけど、そのロシアって要するに石油を売った金でウクライナで戦争しはるわけやから 。
要するに、だんだん見えてきたんやけれども。皆さんあれですねと。日本の油が足らへんからと言ってウクライナの国民が殺されるのを許容するんですねと。そういう究極の選択になってくるよねってね。
松本:
まあ、でもそれが日本のため、生存のためやったら、僕はそれ選ばざる得ないっていう判断もあると思いますよ。
烏賀陽:
うん。僕も国益を守るっていうのはそういうことであって、ウクライナの国と日本の国益と、日本の政策当局者がどっちが優先するか、それは日本のに決まっとるわなと。
松本:
ま、「うまいことやる」うまいことやるっていうのは。別にウクライナを騙すと意味じゃなくて。
それがちゃんと是認されるような国際世論を醸成した上でやるってことは大事ですけどね。
烏賀陽:
そうですね。 だけど、あれじゃなかったっけ?ロシアの制裁項目から「原油」を外したんじゃなかったっけ?
松本:
外してますね。
えっと、あれちょっと、色々…裏じゃないんだけども。
「サハリン 2」のLNG っていうのは、前も話したけど、今まだ継続的に日本に来てます。
正確な数字は僕、頭の中にも入ってないけど、おそらく、数百万トンレベルで入ってるはずです。
烏賀陽:
あの、ちょっと読者の皆さんに言うてええのかどうか分からへんけど。
「サハリン2 」って、松本さん当事者やったわけでしょ?
松本:
はい。そうですよ。
烏賀陽:
ハハハハハハ! 「産みの親」やんな。
そうか。だからし尽くしとるわな。
松本:
別にあの…僕しか知らないことは言ってません。公開情報しか絶対僕は喋りませんけど。
それは調べりゃ、分かること。
烏賀陽:
それトレードシークレットは別に言わなくていい。
松本:
はい。言う気はありません。
で、今、要は、 LNG の供給ってことについては、ロシアの制裁の元々枠外だったんですよ。
だから、LNG の供給は続いてます。
LNG 供給するたびに出てくる随伴の油ってあるんですよね。
烏賀陽:
はいはいはい。ああ、そうか。分かってきた!
要するに、それを制裁項目に入れると、ドイツとか干上がってしまうから。
松本:
そういうことです。ああ、 ドイツのロシアからのパイプラインガスって止められないと同じことなんです。
烏賀陽:
それ止めたらドイツ干上がってしまうよね。確かに。
松本:
ま、今はLNG 持ってこれれるようになったけどね。
それは、4 年の間に、変わってきたけれども。
烏賀陽:
いわゆるあれでしょ?海からタンカーつけて LNGをドイツに陸上げすることができるようになったってことね。
松本:
だから、今、また大騒ぎになってるのは、カタールの LNGが出ないからね。
違う話やけどね。
烏賀陽:
なんかドイツは踏んだり蹴ったりやね。今ね。うん。
松本:
いや、だから同じロジックで言うと、今、烏賀陽さんがいみじくもおっしゃったように、ドイツに対してのロシアからのパイプラインガス供給を守るのと同じロジックで、日本への LNG供給は保証されてたんです。
烏賀陽:
うん。なるほどね。
松本:
で、LNG供給を続けるたびに随伴物として、原油が出てくるので。
で、今回、「太陽石油さんが買った」という情報が報道されました。
で、太陽石油さんは過去も買ってらっしゃいます。
烏賀陽:
何を?
松本:
サハリン産原油。2、3 年前かな。制裁後も確か入れてらっしゃいます。
で、それは別に公開情報ですね。だから別に特別のディールじゃありません。
烏賀陽:
もしかしたらディールはもっと前からあったかもしれんわけやな。
松本:
もちろん。そうと私は思ってます。
烏賀陽:
ていうか、イラン戦争始まる前にもう契約してあったんかもしれんな。
松本:
1年に、1杯か2杯ずつ取るように… 知らんよ。 契約なのかそういうセットアップなのか知らんけど。
烏賀陽:
ああ、要するにあれか。 定期宅配みたいな感じか。なるほどなるほどなるほど。
松本:
「そろそろ買いますわ」って言って。「さよか」つって。
あとサハリンからくるやつ、「アフラマックス」っていう船のサイズやから 70万バレルぐらいですよね。
烏賀陽:
あれっすな。要するに生協の配達が毎週水曜日に来るみたいなもんですわな。
松本:
だから毎週やないねんけどね。だからそれは細々なんだけどね。油という量で言うとあるんですよ。
で、今言ってた烏賀陽さんがおっしゃったのは、それ以外にとロシアからもし持ってくるてなると、
石油製品もそれから油も、ウラジオストック、ボストーク、それからワニのあたりから出せます。
買おうと思えばね。
それをかき集めて、おそらく日本も10万BDから20 万BD出てきたら、立派やろね。
ドタ感やけどね。あんまり間違うてへんと思う。
烏賀陽:
あ、そう! そんなちっこいの?
松本:
いや、近いから、ええで。船も小いそうて済むし。
烏賀陽:
ああ、そういうことか。
松本:
いやだから、この間もその話したけども。船のサイズとその輸送距離が、かけ算で効いてくるやろ。
烏賀陽:
分かってきた。ああ、そうか。
つまり距離が短かったら小さいで行ったり来たりしてもええってことや。
松本:
船の数がいらんやん。
烏賀陽:
そういうことやね。 うんうん。なるほどなるほどなるほど。
松本:
10万BDだということは、要は「アフラマックス」持ってくる必要があるから、8万BDやから1 週間に一杯、持ってこれりゃええわけよ。
そやから50航海で1週間に1回で、ちょうどええ航海やね。あそこから4 日ぐらいで着くから。
一杯でグルグル回る。すごい単純なこと。シャトルできますよ。
例えばよ。「10万BDが出できます」 で、「週に一杯、アフラマックス持ってきます」ってやったら、ほぼほぼシャトルでいけんねん。
僕らは、だからトレーニング受けた人間ちゅうのは、そういう「スペース」と「もの」とを一緒に考えるから。そういう考え方、それでやっていったら、遠距離だとメキシカンガルフから持ってきて 、ぐるっと回って出てきて、もしくは、パナマを通ってってきたら、これぐらいかかってっていうのが、瞬時に計算するから。
で、それと別に、偉そうな話も何でもなくて。距離を船のスピードで割ったら出てくるやんな。
烏賀陽:
かかる日数はね。うん。なるほどなるほどなるほどなるほど。
だからあれだよね。あのロジスティックス物流の世界って、割とそういう単純な計算でもできるよね。
松本:
一番大事じゃん、それが。
僕らが。コンビニで物の買えてんのも、それのおかげじゃないですか。
トラックがそういうふうにちゃんとシャトルサービスしてるからでしょ。
烏賀陽:
今んところ、いわゆる日本のご近所さんで、原油を買いつけられるって…
松本:
ロシアしかない。
烏賀陽:
ロシアしかないんだ。中国あかんの?
松本:
まあ無理。
烏賀陽:
それなぜですか?
松本:
インドネシアは出せるポジションちゃうし。
マレーシアは?枠の原油はこれから出てくると思うけど、まだやなあ。
烏賀陽:
うん。輸出できるほどのことはないってこと?
松本:
そうね。うん。だからあとあんのは、豪州の原油は多少ある。豪州、オーストラリア。
多少あるね。 10万BD、取れないでしょう。日本向けってことで。
だからね、さっきの話、簡単に僕の中で頭の計算してしまうと、なんぼ頑張っても 100万Bでしょうね。
かき集めて。それは石油製品も含めて。 1/3でしょ。取れるの。
いや、100万BDで取れたら、立派なもんよ。 この状況で。
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