イスラエルの次期総選挙(第26クネセト選挙)は、2026年10月27日(火曜日)までに実施される予定だが、現在、早期選挙が強く取り沙汰されている。
国家予算案はすでに遅延しており、超正統派政党の反対などで難航中で、政府が2026年国家予算を3月31日までに可決できなければ、クネセトは自動的に解散され、90日以内に選挙が実施される。
与党内(特に宗教シオニストのSmotrichなど)からも「予算が通らなければ即時選挙」との声が上がっている。
ネタニヤフは汚職裁判の進行を遅らせるため、または政権延命のために「非常事態」を維持しようとする動きが批判されているが、ネタニヤフ本人も2026年選挙への出馬を明言し、「勝てる」と自信を示している。タイミングを戦争の成果で有利に運ぼうとする動きが顕著。
(26年2月28日のイラン攻撃開始時に「特別非常事態宣言(state of emergency)」を発令し、現在も解除していない)
予算を巡る与党内対立が今後の鍵で、3月末が最初の大きな山場となっている。
26年国家予算が通らない・遅れている主な原因は、軍事費の大幅拡大への批判。
ガザ・レバノン・イランとの複数戦線で戦費が急増したため、「戦争特需予算」を優先せざるを得なくなり、予算全体の編成・調整が遅れている。
超正統派政党・ハレディが予算支持の条件としてハレディ兵役免除法案の成立を強く要求している。
超正統派ユダヤ教徒)にとって「ハレディであること」は、単なる宗教的慣習ではなく、彼らのアイデンティティと生存そのものに関わる極めて大事なもの。
ハレディは、「トーラー(ユダヤ教聖典)の学習こそが最高の価値」という信仰がその核心なので、
彼らはイスラエル国防軍に入隊し、宗教的生活が破壊され、世俗的な価値観に染まることは危険だと恐れている。
タルムード Gittin 59b(ギッティン59b)
「トーラー全体は平和への道を示すものである。」
おぞましいとしか言いようがない。
— 安田菜津紀 Dialogue for People (@NatsukiYasuda) March 23, 2026
「議論の焦点は(戦争が)いつ終わるかではなく、いかにして(戦争を)長引かせ、被害を拡大していくかにあるべきだ」
「軍事作戦の一日一日が、国家としてのイスラエルにとって計り知れない天恵だ」https://t.co/Wegp0wn7qO
ネタニヤフ汚職裁判の現状(2026年3月時点)
- 裁判は2020年から継続中で、2025年6月から本格的なクロスエグザミネーション(反対尋問)が始まり、2026年2月も続行中。
- ネタニヤフ本人は2025年11月に大統領赦免を正式要請(却下された)、トランプ大統領が繰り返し「赦免せよ」と圧力をかけている。
- 与党連立は「詐欺・信任違反罪」を法律から削除する法案を推進中(2026年1月)。これは彼が直面する全3件の主要容疑(贈賄・詐欺・信任違反)を根こそぎ無力化する「自己免責法案」。
- 裁判は2026年後半〜2027年まで続く可能性が高く、ネタニヤフ側は「戦争対応で準備時間が取れない」として度々延期を要請している(Gaza→Lebanon→Iran紛争を口実に)。
ネタニヤフの家族の出自と一族の背景
- 父親:Benzion Netanyahu(ベンシオン・ネタニヤフ、1910-2012)
元の姓はMileikowsky(ミレイコフスキー)。ポーランド(当時ロシア支配下)ワルシャワ生まれの歴史家。
父親(ネタニヤフの祖父)はNathan Mileikowskyというラビで熱心なシオニスト活動家。1920年に家族でパレスチナに移住し、姓を「ネタニヤフ(神によって与えられた)」に変更。
ベンシオン自身は厳格な宗教実践をしない世俗ユダヤ人だったが、修正主義シオニズムの信奉者。ウラジミール・ジャボチンスキーの影響を強く受け、「Greater Israel(大イスラエル)」を主張し、アラブ人との妥協を一切認めない強硬論者だった。
彼はユダヤ史(特にスペイン黄金時代や異端審問)を専門とする学者で、コーネル大学などで教鞭をとりながら、イスラエル建国前の米国ロビー活動も行っていた。
性格的に孤高で、ヘブライ大学での教職を拒否された経験から「陰謀論的」な被害者意識が強く、「世界はユダヤ人を敵視している」「力による生存のみが道」というダーウィン的な現実主義を息子たちに植え付けた。 - 母親:Tzila Segal(ツィラ・セガル、1912-2000)
パレスチナ(現イスラエル)生まれの開拓者家庭出身。法律を学んだ知的女性で、家庭の実際の教育・養育をほとんど担った。
夫の学問的・イデオロギー的な仕事に協力しつつ、息子たちに規律・競争心・強靭さを叩き込んだとされる。父親が書斎にこもりがちだったため、母親の影響で「感情的に距離を置くが、達成志向が強い」性格が形成されたとの心理分析もある。 - 兄弟:3人兄弟の次男。
- 長男:Yonatan “Yoni” Netanyahu(ヨナタン、1946-1976) — イスラエル軍精鋭部隊Sayeret Matkalの指揮官。1976年のエンテベ救出作戦で戦死。ベンヤミンは兄を深く尊敬し、兄の死が「テロとの戦い」と「アラブ人への敵対心」を決定的に強めた。
- 三男:Iddo Netanyahu — 医師・作家。
直接迫害経験のないネタニヤフ家
- 祖父Nathan Mileikowsky:ラビで熱心なシオニスト活動家。ヨーロッパ・アメリカを巡回して講演・資金集めを行い、シオニズムを宣伝していた。1920年に家族を連れてパレスチナ移住(ベンシオンは当時9〜10歳)。
ワルシャワ在住時も、家族は比較的裕福で知的層(父親はユダヤ高校校長も務めた)だったため、一般的な貧困ユダヤ人街のポグロム被害を直接受けなかった可能性が高い。 - ベンシオン本人の経験:幼少期にワルシャワを離れたため、ナチス時代の本格ホロコーストはもちろん、1918-1921年の大規模ポグロムも直接体験していない。アメリカ滞在期(1940年代)も迫害被害の記録はなく、学問・シオニスト活動に専念。
壁は突破される…
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2023年10月7日:ハマスが「Iron Wall」と呼ばれた高度な障壁(フェンス+地下壁+センサー・自動銃座・監視カメラ)を約30カ所で突破。ブルドーザー、爆発物、ドローンで通信・センサーを無力化し、数千人の戦闘員が侵入。イスラエル側が「突破不可能」と信じていた壁が、数時間で機能不全に陥った。
Failure at the Fence: How Hamas breached Israel’s "Iron Wall" | The Washington Post + @frontline 2023/12/20
2023年12月20日公開
2021年、イスラエル軍幹部が、ガザ地区沿いの長年続く境界壁に10億ドルを投じて改修すれば、ハマスによる侵入を防げると述べた際、近隣の住民はそれを信じた。
このドキュメンタリーは、その障壁が招いた壊滅的な失敗を検証している。調査の結果、いわゆる「鉄の壁」は実際には脆弱な障壁に過ぎず、イスラエルに誤った安心感を与えていたことが判明した。
この構造物とその高度な監視ツールへの依存が、結局のところイスラエルを自らの脆弱性から目を背けさせ、そして壁の向こう側で練られていた綿密な攻撃計画にも気づかせなかったのだ。
『ワシントン・ポスト』が掲載した、攻撃の経緯を再構築した視覚的調査をさらに掘り下げたものである。 イスラエルのハイテク「鉄の壁」がいかにして崩壊したか...
記者たちは、ハマスによる襲撃のその前、最中、そして直後に撮影された数百もの動画、写真、音声記録を分析した。『ワシントン・ポスト』はまた、殺害されたハマス戦闘員から回収された地図や計画文書も検証した。
ハマスの攻撃への報復として、イスラエルはガザで戦争を開始した。
ガザ保健省によると、これまでに1万8,000人以上のパレスチナ人民間人が死亡している。
イスラエルは、人口密集地帯を支配するハマスを根絶すると誓っている。(2023/12/20)
