Japan's great failure (English Edition) 2025/12/9
日本の大失敗
円はまもなく死滅する。本書は、日本政府、日本銀行、その他公的機関が公表する統計データを中心に、円の死滅のプロセスを紐解く。グラフは全117枚。
私は弁護士を本業とし、統計分析は趣味である。故安倍晋三首相が開始した経済政策「アベノミクス」の分析結果をまとめた著書『アベノミクスによろしく』を2017年10月に出版して以来、副業として執筆活動を行っている。
アベノミクスは極めて単純な誤りを犯した。つまり、意図的に円安誘導することで物価を強制的に引き上げたのだ。しかし、賃金はほとんど上がらず、太平洋戦争以来最悪の消費低迷を招いた。そして、この失敗を隠蔽するため、GDPの修正、つまり「捏造」とも言える修正が行われたのだ。
これらの事実は公的データを分析すれば容易に特定できるはずなのに、専門家ではない私以外には誰も指摘していなかった。本を執筆するにあたり、自称日本の「経済専門家」の本を数多く読んだ。しかし、それらに共通していたのは、データ分析がほとんどなく、外国人経済学者の名前が数多く挙げられていたことである。権威を重視する一方で、実際のデータは軽視されていた。
私が最初に出版した本は、主に安倍首相に批判的な人たちに読まれ、かなりの反響を呼んだが、日本社会には全く影響を与えなかった。専門家にはほとんど無視されたのだ。
その後、数冊の本を執筆する中で、アベノミクスは日本の大失敗の最後のページに過ぎないという結論に至った。たとえ安倍首相がいなくても、誰かが同様の政策を実行しただろう。
端的に言えば、「失敗」とは経済成長で全てを解決する戦略だ。経済が成長できる限り増税は不要。
経済が成長できる限り国債問題もなし。それが戦略だ。
そして日本は、もしその戦略が失敗したらどうすればよいのか、全く分かっていなかった。
統計が示すように、日本の戦略は失敗した。その結果、円安の時代は終わりに近づき、いつ終わってもおかしくない。アベノミクスがなかったとしても、この運命は変わらなかっただろう。
賢明な読者であれば、本書を読み進めていくうちに、これが日本だけに起こる孤立した出来事ではなく、あなたの国でも起こり得る問題であることに気づくだろう。日本が直面している問題は、すべての先進国に共通している。つまり、先進国では高齢者人口の増加に伴い社会保障費が増大し、一方で出生率の低下により税金と社会保険料の納付者数は大幅に減少する。経済成長は鈍化し、最終的には縮小局面に入る。税収と社会保険料の不足を補うための借金によって、国の借金は膨らみ続けている。その果てに待ち受けているのは、通貨の死だ。
本書では、説明に必要不可欠な場合を除き、人物名を一切出さない。日本の失敗は個人的な問題ではなく、どの国にも起こりうる構造的な問題であることを示したいからだ。「あの政治家がいなければ、こんなことにはならなかった」といった個人的な批判思考は、同じ過ちを繰り返すことにつながる。
しかし、たとえこの問題を認識したとしても、本当に対処できるのだろうか?もしかしたら対処不可能なのかもしれない。通貨の死は、どの国も逃れることのできない運命なのだ…。私はそう思い始めている。この問題の解決策は、私には思いつかない。
いずれにせよ、我が国の失敗は人類共通の遺産であるべきだと私は考えている。専門知識のない人にも理解しやすいよう、平易な言葉でこの物語を語ろう。
日銀が政策金利を0.75%に引き上げ――30年ぶり水準。
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) December 20, 2025
それでも円安は止まらず、物価高は加速。日本経済は、どこへ向かっているのか。
オッカ君🐺チャンネルでは‼️
12月19日、『アベノミクスによろしく』の著者、明石順平弁護士をゲストに徹底解説‼️… pic.twitter.com/kaveQfnNlP
明石順平弁護士に聞く!/日銀0.75%に利上げ、30年ぶり水準/トリプル安加速❗アベノミクス再び?サナエノミクスの行き着く先 2025/12/19
日銀が政策金利を0.75%に引き上げた一方で、円安と物価高は止まらず、「トリプル安」への懸念が強まっています。#明石順平 さんは、これは突発的な危機ではなく、アベノミクス以降に積み重ねられてきた金融緩和と財政運営の帰結だと指摘します。円の実力低下、実質賃金の長期下落、GDPの“かさ上げ”、国債の借り換え構造――。データをもとに、日本経済がなぜ金利を上げられず、なぜ円安から逃れられないのかを丁寧に解説。高市政権が掲げる「積極財政(サナエノミクス)」の先に何が待つのか、冷静に考えます。
【目次】
00:00 オープニング:利上げでも不安が消えない理由
06:30 円安はなぜ止まらないのか
13:30 アベノミクスが為替に残した傷
20:30 実質賃金が下がり続けた現実
27:30 食料高騰とエンゲル係数の悪化
34:30 GDP「かさ上げ」が意味するもの
41:30 国債と日銀、金利を上げられない構造
48:30 トリプル安が示す日本経済の現在地
55:00 サナエノミクスは何を再現しようとしているのか
1:02:00 まとめ:市場が突きつける最終判断
急激な円安、まだ通過点に過ぎない(ゲスト・経済評論家の藤巻健史さん)●The News 7/26スピンオフ●
