【石丸伸二の誤読「攻殻機動隊」】国語のテストなら0点‼️ゴーストのない人形は哀しいもんだぜ | ☆Dancing the Dream ☆

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6月15日、石丸伸二が渋谷スクランブル交差点で、選対本部長の小田全宏のヨイショの合いの手を受けつつ、初演説を行った。

小田全宏から「座右の銘」は何か?と問われ、士郎政宗の漫画『攻殻機動隊』を元にした作品群のなかから『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の冒頭、公安9課・草薙素子少佐がテロリストに銃を突きつけて言い放つ名台詞のひとつを披露した。

しかし、石丸が紹介した素子の台詞は不正確だった。
重要な意味をもつフレーズが抜け落ちている。
そのように粗雑に作品を読む者には、当然ながら台詞の真のメッセージは響かない。
石丸の解釈は、全く間違っている。
石丸の罵倒語でいうならば、「国語のテストなら0点!」となるのだろうが、これも点取り虫の悲しさが滲み出ている言葉でしかない。これはメッセージを受け取る感受性の問題だ。
『攻殻機動隊』的用語でいうなら、「ゴーストのない人形は哀しいもんだぜ。特に、赤い血の流れてる奴はな」byバトー


渋谷スクランブル交差点で石丸は、このように演説した。
〜『攻殻機動隊』のなかから一つ引っ張り出しましょう。
 「世の中に不満があるなら自分を変えろ
 草薙素子少佐の言葉です。ちなみにこの後、続くんですよね。
 「それが嫌なら、目と耳を閉じ、口を噤んで孤独に暮らせ
 そんなの嫌じゃないですか。そんなわけにいかないですよね。
 世の中に不満があれば、自分を変えてみる。自分が動いてみる。
 これを一つ、今日、ここでは座右の銘として、
 みなさんと共有をさせて頂きました。〜


では、正確には草薙素子はどのように言ったのか?
この台詞は「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の第1話冒頭に出てくる。

世の中に不満があるなら自分を変えろ。
 それが嫌なら、耳と目を閉じ、口を噤んで孤独に暮らせ。
 それも嫌なら…


そして、この作品の登場人物のなかに、素子のこの台詞とほぼ同じ意味をもつメッセージを書き記している者がいる。
最終回ではサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』の主人公と同じ赤いハンチングをキャッチャーのように逆向きにかぶる青年、天才ハッカーのアオイだ。授産施設のロッカーの内扉に書かれていたフレーズは次のとおり。


I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes
 or should I ?
 (僕は耳と目を閉じ、口をつぐんだ人間になろうと考えた。
  だが、ならざるべきか?)〜


ーー

つまり、こういうことだ。

素子、アオイの場合。
「世の中に不満を感じる」
 →「ならばその自分を変えろ」
 →「自分を変えるのは嫌だ」
 →「ならば”耳と目を閉じ、口をつぐみ” 世の中と関わらずに生きろ」
 →「そうすべきなのか?それも嫌だ」
 →「ならば自らのゴーストの囁きに従い、世の中の悪、犯罪に抗する」

彼らの社会正義を実現しようとする正義感の一本柱は揺るがない。
”ゴースト”とは人間が本来的に持つ自我や意識、霊性、魂のようなものを指し、
自分が自分自身であるために必要不可欠なもの。
”ゴーストの囁き”とは人間の直感のようなものである。



石丸伸二の場合は、
「世の中に不満を感じる」
→「ならばその自分を変えろ」
→「自分を変えるのは嫌だ」
→「ならば”耳と目を閉じ、口をつぐみ” 世の中と関わらずに生きろ」
→「それは嫌だし、そんなことはできるわけがない」
→「ならば、やはり自分を変えよう」

”感じる”=”ゴーストの囁き”である。
自分自身の魂の声を無視し、自分自身を捻じ曲げることは魂の殺人である。



石丸という政治家は市民の「人形」
政治家の失敗は市民の責任
by石丸

石丸は「魂をもたない ”人形”」だという自己認識があるようだ。
石丸は、「政治家とは民主主義の世の中ではご主人様である市民の人形であるので、政治の失敗の責任を負わず、全ての責任は市民にある」と考えているとのこと。

石丸市長の一貫した政治理念  
政治の失敗は最終的には「市民の責任」「自己責任」
「市民は不満をもてないはずだ」



ゴーストの囁き=創造的悪手
大澤真幸『不可能性の時代の問い方』


大澤真幸 講演会『不可能性の時代の問い方』
33:11〜
・『半沢直樹』は銀行のリアリズムを描いているが、一つだけリアリズムに則っていないのが半沢直樹。半沢直樹だけが社会的に意味のある正義に適った仕事をしている。他の全員が出世にしか眼中になく、くだらない仕事をしている。
・現実には半沢直樹のような人は存在しない。
42:12〜
・2016年トランプ政権発足。グローバルな資本主義の代名詞アメリカ自身が「アメリカファースト」として世界規模の崇高な価値を代表するという特権を放棄した。グローバルな資本主義は破綻に向かっている。格差、バブルの崩壊、エコロジカルな破綻、戦争、何重かの意味で破綻に向かっている。破綻というアトラクターに向かっている。もはや資本主義に貢献することはポジティブな使命になり得ない。
47:10〜
・唯一の可能なゲームは資本主義。資本主義以外にないのか?
フレドリック・ジェイムソン(米・哲学者)は「資本主義の終わりを想像することは、世界の終わりを想像するよりも難しい」という。
https://the-criterion.jp/mail-magazine/210624/
https://metasiten.hatenablog.com/entry/2019/11/20/030121

・49:25〜
資本主義の「未来」=破局が見えているが、それとは異なる<未来>=破局とは異なる、あるいは破局を乗り越える未来をつくれる仕事のみが意味がある。
・例えば、将棋の藤井聡太の大逆転。AIは99%の相手の勝率を示していたにも関わらず、藤井聡太は次の一手でAI的観点では悪い手を打つ。しかし、それがチャンスを呼び大逆転勝利となった。
・それを大澤真幸は「創造的悪手」と名付ける。
・藤井のあっと驚くその一手はますます玉が詰むような悪手だが、実は罠が仕掛けられていて逆転となる。
・藤井が「自分の玉が詰むことを知っている」ことが重要。
・完全に自分の玉が詰むことを覚悟した人だけが「創造的悪手」を思いつくことができる。
・54:40〜
・2011年福一原発事故。後から考えれば地震列島に54基もの原発を建てたのであるからこの事故は必然だったと感じるが、同時に、その必然を回避できる可能性があったことに気づく。
・しかし、後から考えて可能なことは現在も可能なのである。
・経産省の官僚の間で、2000年に老朽化のため想定された建設後30年になったので廃炉にするべきだとの案が出ていたが、コストがかかることから非現実的であるとして却下されていた。
1:00:52〜
・資本主義が破局に向かっていくという現実を引き受けた者だけが、もう一つの<未来>に対するイメージを持つことができる。
1:51:01〜
・亡くなった人の遺品を整理する仕事についてのエッセイの朝日新聞書評。この仕事に就く人は、「なぜこの人はこんな寂しい死に方をせねばならなかったのか」と「社会の理不尽さ、不条理に”怒り”を感じる」のである。「この社会が罪を負っている」ことを感じる。
・この社会の枠組みに何か根本的矛盾があり、枠組み以外のものを満たさねばらないという使命を感じ彼らはこの仕事をしている。


ーー

26話 「公安9課、再び STAND ALONE COMPLEX」(オープニング)
バトーの声「モトコーーーーーーーーーー!!」
アオイの声「肉体を喪失しても、思考はネットを巡り、
      個を特定したままその存在を維持し続けられると?」
素子の声 「殻を棄てた意思が、ネットの海で個を維持できるとは考えにくい」
アオイの声「じゃあ、生きてなお、個を喪失し続ける者にとって、この世界は絶望?」
素子の声 「とりあえず死んでみるって手もありなんじゃない?」
アオイの声「あの約束の守り方、最高にチャーミングだった」

エンディング26話 「公安9課、再び STAND ALONE COMPLEX」(エンディング)
@国立図書博物館
アオイ「僕は僕だけがたまたま知りえた情報の確認と伝播を自身の使命と錯覚し、
    奔走した」
素子 「で、見事に玉砕。無垢な媒介者は社会システムの醜悪さに落胆し口を噤んだ」
アオイ「イエス。そして僕は消滅する媒介者となった。
    あたかも新作を発表しないことでその存在を誇張されてしまう作家のように。
    つまりそれは消滅することによって社会システムの動態を規定する媒体であり、
    最終的にはシステムの内側にも外側にもその存在の痕跡を留めない」
素子 「フレデリック・ジェイムソン」(「消えゆく媒介者」)
アオイ「イエス。でもノー。後者は大澤真幸。
    言葉では知っていても、実際に目の当たりにするまでは信じられなかった。
    オリジナルの不在がオリジナルなきコピーを作り出してしまうなんてね。
    あなただったら、あの現象をなんて名付けますか?」
素子 「Stand Alone Complex. 」
アオイ「イエス Stand Alone Complex.
    元来いまの社会システムにはそういった現象を引き起こす装置が
    内包されてされているんだ。
    僕にはそれが絶望の始まりに感じられてならないけど。あなたはどう?」
素子 「さあ、なんとも言えないわね。
    だけど私は、情報の並列化の果てに”個”をとりもどすための
    一つの可能性を見つけたわ」(ep.25 「硝煙弾雨」のタチコマのチップを見せる)
アオイ「ちなみにその答えは?」
素子 「好奇心。たぶんね」
アオイ「なるほど!それには僕も気づかなかったな。
    僕の脳みそはすでに硬化しはじめている。」


25話「硝煙弾雨 BARRAGE」(エンディング)
バトー  「どうして…こいつらが」
コドモトコ「あなたを助けたい一心でラボから抜け出してきたのよ」
バトー  「あ… 少佐…か?」
コドモトコ「私はこの子たちのAIが急速に進化しすぎたために、
      兵器としては使い物にならないと判断した。
      でも、この子たちは積極的に情報を集め、並列化を繰り返すうちに
      逆に個性を獲得し自己犠牲の心まで身につけていた。
      (タチコマのチップを拾う)
      私がもっと早くそのことに気づいてやれたら、この子たちが獲得したものが
      ゴーストだったのかどうかを確かめてやれたのにな」
バトー  「ゴースト…」
コドモトコ「この子たちがいなかったら…あなた、今ごろ死んでいたわね」






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DATA

石丸伸二の「攻殻機動隊」読解力
国語のテストなら0点‼️


#石丸伸二 初演説に渋谷スクランブル交差点   2024/06/15

49:21〜

石丸:
じゃあこれが、ひとまず私の最後のメッセージになるかと思います。
座右の銘というものを、実は結構たくさん持っています。
いま善幸さんから振られてて、いや、どれにしようかなと迷ったんですが、
いま目の前にTUTAYAさんがあって、『攻殻機動隊』やってますね。
『攻殻機動隊』知っている方! お〜〜よしよしよし!
知らない方が後でググってください。
じゃあ、『攻殻機動隊』のなかから一つ引っ張り出しましょう。
世の中に不満があるなら自分を変えろ
草薙素子少佐の言葉です。 (?謎の拍手👏)
ちなみにこの後、続くんですよね。
それが嫌なら、目と耳を閉じ、口を噤んで孤独に暮らせ
そんなの嫌じゃないですか。そんなわけにいかないですよね。
世の中に不満があれば、自分を変えてみる。自分が動いてみる。
これを一つ、今日、ここでは座右の銘として、
みなさんと共有をさせて頂きました。



攻殻機動隊 作品群
・『攻殻機動隊』(英:GHOST IN THE SHELL)士郎正宗による漫画作(1989年〜)
・「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」押井守の映画1作目(1995年)
・「イノセンス」押井守の映画2作目(2004年)
・「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0」押井守の映画(2008年)
・「攻殻機動隊 ARISE」黄瀬和哉の映画(2013年)  
・「攻殻機動隊 新劇場版」(2015年)
・「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」神山健治によるTVアニメ
  攻殻機動隊S.A.C(2002年 - 2003年)
  攻殻機動隊S.A.C.2ndGIG (2004年 - 2005年)
  攻殻機動隊S.S.S.(長編 2006年)
・「攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D」神山健治の3D映画(2011年)
・他、Webアニメ、実写映画 等

 https://ja.wikipedia.org/wiki/攻殻機動隊



攻殻機動隊S.A.C 授産所の子供
〜攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX ep.01 「公安9課 SECTION-9」〜
草薙素子 少佐
「世の中に不満があるなら自分を変えろ。
 それが嫌なら、耳と目を閉じ、口を噤んで孤独に暮らせ。
 それも嫌なら…
   

ep.01 「公安9課」https://www.dailymotion.com/video/x5ltl2x

「お前ら警察か? もはや体制に正義はなし得ない」というテロリストに対し、
公安9課 草薙素子が言い放つ言葉。
素子は犯罪者のこめかみに銃を突き付け「それも嫌なら…」と言う。



〜攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX ep.11 「亜成虫の森で」〜
I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes
 or should I ?
僕は耳と目を閉じ、口をつぐんだ人間になろうと考えた。だが、ならざるべきか?
   

ep.11 「亜成虫の森で」https://www.dailymotion.com/video/x5lcgh1
ep.20 「消された薬 RE-VIEW」https://www.dailymotion.com/video/x5kufjj 
   

電脳不適応児を集めた授産施設に潜入したトグサが、施設内で外部とラインが通じている唯一の場所であるロッカーから少佐と連絡を取る。他にもここを使っている者がいる様子。このロッカーの扉の裏に油絵の具で書かれたのがこのフレーズだった。
サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」の一節のオリジナルに「 or should I ?」が付け加えられている。



〜攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX ep.11 「亜成虫の森で」〜
You know what I'd like to be?
I mean if I had a goddamn choice, I'd just be the catcher in the rye and all.
僕が何になりたいかわかる?
選べるものなら、ライ麦畑でつかまえて、とかね。
     

ep.11 「亜成虫の森で」https://www.dailymotion.com/video/x5lcgh1

ep.11 「亜成虫の森で」のラストシーン。授産施設にいた少年AOI(アオイ)が片時も離さず持っていたキャッチャーミットに書かれていた言葉。



〜攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX ep.22「疑獄」〜
笑い男(葵孝 アオイタカシ)
「今度ばっかりは負けるわけにはいかないんです。
 世の中の全てのインチキが正当化されてしまう」
草薙素子
「世界中の問題をひとりで背負い込んでいるような勢いね。
 で、ネットのヒーローが私に何をして欲しいわけ?」
アオイ
「あなたに笑い男事件の真相を全て伝えます。
 その上で、これから僕がしでかす最後の挑戦を黙って見ていてほしいんです。
 そして、もし僕が破れて死んだりなんかした場合には、
 この事件をあなた達で白日の下に晒して下さい」
草薙素子
「まったく…
 未成熟な人間の特徴は、理想のために高貴な死を選ぼうとする点にある。
 それに反して、成熟した人間の特徴は、理想のために卑小な生を選ぼうとする」
アオイ
「精神分析学者ヴィルヘルム・シュテーケルの言葉ですね」
草薙素子
「やっぱり最初に感じてたとおり、私の嫌いな人間ね。頭でっかち君!」
アオイ
「そういうあなたも前者じゃないですか。
 一言、助けてって言えばなんとかするのに」
草薙素子
「同族嫌悪。
 しかたないわね。なんとかしてちょうだい。
 約束を守るかは分からないけど」
アオイ
「守りますよ。あなたなら」
アオイ
「ぼくの記憶を置いていきます。頼みましたよ」 

ep.22 「疑獄 SCANDAL」https://www.dailymotion.com/video/x5ku6iv
ep.23 「善悪の彼岸 EQUINOX」https://www.dailymotion.com/video/x5kc2rz
ep.26 「公安9課、再び」https://www.dailymotion.com/video/x5kbz79


戦闘で負傷した素子は新しい義体を換装する治療室。アオイが現れる。
担当女医に化けた厚生労働省医薬局麻薬対策課強制介入班(マトリ)の魔の手からアオイが救う。そこでの二人の会話によると、素子とアオイは合わせ鏡のような似た者同士。





https://ja.wikipedia.org/wiki/攻殻機動隊_STAND_ALONE_COMPLEX




笑い男(サリンジャー/ユーゴー)
I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes.
僕は耳と目を閉じ、口をつぐんだ人間になろうと考えた
            〜J.D. Salinger, The Catcher in the Rye

https://www.goodreads.com/quotes/629243-i-thought-what-i-d-do-was-i-d-pretend-i-was



「笑い男マーク」:『攻殻機動隊SAC』に登場するハッカーが用いるマーク
         企業社長誘拐事件、警視総監殺害未遂事件等に用いられた。


     
 由来:
 ・"The Laughing Man" is a short story by J. D. Salinger
  https://en.wikipedia.org/wiki/The_Laughing_Man_(short_story)
 ・The story is inspired by the 1869 Victor Hugo novel of the same name:
   "The Man Who Laughs" .
  https://www.donga.com/jp/article/all/20061216/296620/1


Ghost in the Machine
『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』に影響を与えたGhost in the Machine

“現代思想・ポスト構造主義…?両面を捉える、両極で考える”【ホロン (機械の中の幽霊)】by アーサー・ケストラー



原作がBest of Best
士郎政宗の漫画原作の凄さ


「押井守より士郎正宗の方が上だよ」攻殻機動隊の漫画原作を語る【岡田斗司夫/切り抜き/テロップ付き/For education】
オタキックス【岡田斗司夫 切り抜き】-アニメ漫画専科-


1:00〜
俺の語りたい「攻殻機動隊」の話を聞いてくれと。
「攻殻機動隊」すごい好きな漫画なんだけども、なんか評価されてない気がするんだよな。
押井守版の話が多過ぎるんだよ。
何でこの漫画が凄いのかっていうのが、いまいち伝わってない気がして、俺はことあるごとに言うんだけども、今日も「攻殻機動隊」の原作の素晴らしさというのを話してみようと思って。
原作派ですか?いうふうに書かれるぐらいで。原作派っていう言い方が、もうね、理解できない。
「攻殻機動隊」は漫画を100点だとしたら、アニメは60点ぐらいなんだよ。
僕にとってはそれぐらい違うもんなんだよね。
だから、原作派という言い方がもう我慢できないんだよなというあたりの感覚で聞いてくれ。
何が「攻殻機動隊」が凄いかってのは、色々あるんだけども。

僕がアニメ版の攻殻機動隊に足りないのは…
原作の有名な、アニメにもなってる辺りなんだけども、”このここ” ですね。
上の方でバドーが「これは陰謀じゃないか。謀略じゃないか?」と、いわゆる「公安に騙されてるんじゃないのか?」という風なことを言った時に、(草薙素子が)「いつの時代には我々のような組織は必要だ。だから失うものはない。スキャンダル工作、政治家の足の引き合い、子供の洗脳」「そういうクソ野郎どもを一掃するためにサルと取引することにしたんだ」「やってやろうじゃないの」
「そうしろと囁くのよ。私のゴーストが」

このセリフね。なんかね、好きなんだ。
これなんで好きなのかって言うと、
押井アニメに、やっぱりね、ここがないんだよ。
実は、「攻殻機動隊」って、単純なね、勧善懲悪ものなんだ。
「必殺」とかさ、もう「必殺」どころじゃないよな。
「水戸黄門」に近いんだよ。実は、完全な勧善懲悪もので、ただ、昔みたいに、正義の味方が正義をやるというのにも理由がいるじゃん。
セリフがいるじゃん。
押井版のね、「攻殻機動隊」は草薙素子があんな活動する理由が、全部個人のアイデンティティになってんだよね。
で、”私” っていうのは何なのか?
”擬態”なのか? それとも、”人間”なのか? ”ロボット”なのか?
それとも、”魂”なのか?っていう風なことをさすらう話になってんだけども。

でも、士郎政宗の原作だったら、そういう悩みはあるんだけど、そういう悩みはあくまでアクセサリーで、中心にあるのは圧倒的な正義感なんだ。
この社会をよくしようという正義感があって、この社会っていうのはクズかもしれない。クズだから何してもいいんだ、だから人間は悩むんだってことじゃなくて、社会がクズかもしれないけど、そのクズの中で闘ういち公務員、いち警官だよね。いちポリスマンとしての生き方みたいなものがきっちり書かれて、毎回それは、「アップルシード」にしても、「攻殻機動隊」にしても、「ドミニオン」にしても、絶対にその社会の前線で働く1人の人間として、なぜ人間がヒーローたり得るという資質をちゃんと書いてる。
上で、上でだよ。
その上で、人間とは何だろうか? 擬態何だろうか? ネットは何だろうか?というのを書いてくれてる。
ここら辺のね、この”正義の一本柱”が真ん中を通ってるところがね、凄い面白い。(中略)

これが毎回毎回、アニメになる時にさ。アニメの関係者、押井さんもそうだし、皆んなね、ここの部分を恥ずかしがり過ぎて、飛ばしちゃうんだよね。
そこら辺がね、俺、すごい不満なの。
なので、「攻殻機動隊」ぜひ読んでもらいたいと思って。(中略)
特にアニメの方を好きだという人は、原作は難しいと思ってるかも分からないけど、そうじゃない。
これは勧善懲悪、いわゆる、”強きを挫き、弱きを助ける”という正義の味方の話なんだって分かったら、あとは色々、3年、4年経っても読み返したら新しい発見があるいい漫画なので読んでほしいと思います。
(中略)
士郎政宗っていう人は、ものすごい高度なことを”分かりやすく”ではなくて、”分かる人には分かる”ように描いてしまうので、なかなか、売れてるは売れてるんだけども、やっぱりアニメほど有名になれないっていう、珍しい人だよね。

僕は、本当に「攻殻機動隊」のアニメはすごい好きなんだけども、やっぱり士郎政宗の漫画に比べれば、見せ方も、アイデアも、キャラクターの魅力も、何段階も士郎政宗の方が上だなというふうに思ってるんだよね。
っていうのは、士郎政宗の漫画の中には、こんな話を描いておきながら、笑いがある、ギャグがある、人の心の優しさみたいなものがあるんだけども、押井守のアニメの中には、それが何一つ入ってないからさ(笑)
神山さんのやつにも、笑いはやっぱり入ってないんだ。入れれないんだよ。
だから、凄いんだけども、それを誰でも分かるようにしたアニメの方が、評価が高いっていうのがね。SF漫画を好きな者としては、ちょっと悔しいところではあります。



ムズ過ぎる士郎政宗の漫画原作
超マニアック 読解の楽しみ


『原作版 攻殻機動隊』岡田斗司夫の解説を全て収録【岡田斗司夫/切り抜き】【士郎正宗】

攻殻機動隊3つのキーワード
①終末戦争とサイバーパンク
②バブル経済
③ニューロチップ

29:25〜 第0話『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(プロロークの前の1頁目)
・アジアの一角に横たわる奇妙な企業集合体国、日本と書いてある。
この当時この漫画の中で出てくる日本っていうのは、民主主義国家ではなくて企業集合体国家になっている。
・『アップルシード』(APPLESEED)』という士郎正宗の代表作と実は同じ世界観で、
この世界というのはできている。
・実はこの攻殻機動隊の世界は2029年世界なんですけども、2度の世界大戦に襲われた後。
・一つの世界大戦は1990年代、核戦争(第三次世界大戦)。
このときに東京というのはもう消滅しています。日本地図を見たらもう水没している。
なので、日本の首都というのは後に九州の福岡に復興で作られていますけども、『攻殻機動隊』のなかでは神戸の沖につくられた人工島のなかでのお話となっている。
そのあと1999年に中国の北京にアンゴルモア大隕石が落ちてきて、北京は消滅、共産党は同時に消滅。中国は人民解放軍も失くなり、一気に民主化された世界になっている。
・そのあと第四次核戦争は、非核戦争で、これが長い間続いていて民族紛争が起こり、アメリカはアメリカ帝国とアメリカ連合という二つの国に分かれているという状態。
・だから、2029年という世界は、”進歩している”のではなく、実は、のちにポセイドンと呼ばれることになる「企業連合体国家」日本と、あとは一部の国々を除いて、世界中の国はかなり荒廃している状態である。
・しかし、漫画の中では、作者はこの設定を正面切ってあまり説明しないが、この単行本書き下ろしのところで、まずこのメガストラクチャー(高層ビル・巨大構造物)を見せることで、神戸のあたりは物凄く発展しているけれども、それが「どんなに恐ろしいことなのか」ということを単行本2冊で見せていこうというスロースターとで始まっている。
・第0話(プロロークの前の1頁目)は、終末思想とバブル経済とコンピューターが社会を変えると言われた80年代後半に、士郎正宗はどんな漫画を描こうとしたのか。

33:10〜 第1話 プロローグ
・メガストラクチャー群の空撮から、高さ数百メートルのところに造られた人工的地盤の上に立っている小さいビルにカメラが寄っていく。
・1998年に播磨研究学園都市で創られた成長型ニューロチップ(人間の脳神経系を模したニューラルネットワークを組み込んだ半導体集積回路)を5万倍に拡大した画面からお話しが始まる。
・この画面は縦30センチの雑誌に掲載されているので、5万分の1にすると、1辺が0.006mmのサイズのチップ=30センチの6倍が髪の毛の太さと想像すると良い。生体部品などを使ったコンピューター技術。
・過剰成長で細胞が死にかけて各所で神経繊維の断裂がある。白くなっている部分が神経細胞が壊死している部分。これは、脳を構成している神経繊維のようなものをコンピューターのチップ上で培養することに過剰に成功していることを示す。シリコンチップで作っているコンピューターは人間の設計図通りに物ができていくが、生体部品で勝手に成長するものは、人間が思ってもいないものに過剰成長してしまうので、作った人間ですらそれの仕組みが分からなくなっている。
これがニューロチップである。
・新浜県 海上都市 ニューポートシティ 2029年3月5日。
東京が核戦争で壊滅したあと暫定的につくった兵庫県の沖に海上都市「新浜県」という新しい県が作られている。
・高さ数千〜1万メートル程もあるメガストラクチャー群からカメラが寄るのは、たった8階建の小さなビルで話し合いがもたれている。=悪い奴らが悪だくみをしている。21世紀のセキュリティーは狭い場所を電脳的に封鎖する(=デジタル時代の昭和でいうところの密談のための「料亭」)
・窓の迷彩を無効化する特殊なフィルターで透視し盗撮している(画で表現しているが、作中には一切の説明なし)
・公安部の荒巻部長が盗聴、監視している。(声の振動による窓枠のわずかに振動をレーザーセンサーで探知し音を再現する実用化されている技術。マイクロウェーブが用いられたが人体に害があるので中止された。その進化版)
・密談をしている3者。
 右)ソ連極東通商代表部(極東とはソ連の北方領土を意味する/択捉島の日本と共同で開発している事業団の担当=巨大利権を操る者)サングラス
 中央)日本政府の商務省(財務省のようなものの次官)メガネ
 左)経団連の幹部。白髪ロン毛
この3者が秘密会議をしている。
・3者の密談の内容
ソ連「なぜ、今さらシリコンの鉱床などを?」(=ニューロチップの時代になぜシリコンに援助するのか?古いコンピューター技術のシリコンチップなのか?)
日本「(日本)政府が貴国(ソ連)の分離独立を認めない方針に関与しないと保証できるほど重要な内容です」「先の独立を認めれば援助を行うという約束はいわばタテマエで我々の貿易とも矛盾しません」(=日本は、ソ連の小さな衛星国が分離独立を望む場合ソ連が認めてやるならば択捉島に経済援助をもっとするという政府間約束がすでにあるというのが前提。日本側は本来はその方針だが、ソ連が衛星国が独立しないように圧力をかけることを”見て見ぬふり”しても良いと言っている)
ソ連「第3国を経由します」(=日本はソ連への直接援助でなく第三国を経由して投資し第三国がソ連に投資したという形のマネロンでソ連に投資を行う)
日本「結構」
・これを聞いている公安の荒巻部長は怒りに燃えている。
・3者の悪巧みの会話
ソ連「奴隷の国が奉仕を怠ると貴族の国は飢えますからねぇ」(=貴族の国とはロシア。奴隷の国とはソ連の衛星国)
日本「人手不足は奴隷製造業を潤す」(=安い労働力は我々日本にも必要だから日本も”見て見ぬふり”をする。日本も貧乏国がなくなると投資先、安い労働力が得難くなる)
経団連「社会主義からいささか外れますがね」
・荒巻部長の指令
荒巻「2班まだか!」(2班はこれから突入するビルから市民を避難させる)
2班「HEROが起きそうだぁ。助けてぇ!」(HEROとは、兵器への電磁波放射リスクのこと)
・事件の背景
これ以前に発生した「首相爆殺事件」では、密談している日本の商務省次官が手引きをした。首相暗殺は自民党内での政権争い。暗殺の実行者はソ連。商務省はその首相暗殺のお礼にソ連の択捉島のシリコン鉱床の援助をするという背景がある。しかし、なぜ今更シリコン鉱床なのだ?という会話。日本のように全ての人がニューロチップが仕込まれて電脳化されてしまうと消費活動も労働も思ったようにやらなくなる。貧乏な国はシリコンチップ程度の薄い電脳、スマホ程度を持たせておけば良いというのが日本国の考え。
日本は戦争孤児が政府の洗脳施設で強制労働させられていた(「スーパースパルタン」の回)が、日本以外の貧乏国にも同様のものを沢山作ろうとしていた。そのためにはニューロチップではなく、シリコンチップのコンピューターが必要だった。シリコンチップをばら撒き、低賃金労働者としてネット接続させずに民主主義運動などをさせないように操ろうとしている日本人達と、ソ連はそれによって衛星国が分離独立しようとしなくなり都合が良く利害が一致する。
・荒巻と草薙の関係=対立する関係
荒巻は政府の公安の部長。
少佐と呼ばれる草薙素子の一派。
荒巻と草薙は互いを疑っている。荒巻にとって草薙はテロリストとそれほど変わらない。草薙にとって荒巻は腐った政治家達の一味であり正義のために動こうとしている自分たちを権力で操ろうとしている悪い奴。
草薙とその部下の間には情報量、戦闘力に大きな差がある。
・草薙素子は盗聴している。草薙のバイザーには、荒巻が見ているのと同じ日ソの密談の絵が映っている。
草薙の部下「少佐、公安が準備完了したぜ」(公安の無線を傍受している)
草薙「うるさいなぁ。分かってるって」「暗号変換AI任せだと、ネコにもネズミにも聞かれるわよ」

1:03:17〜 第2話 スーパースパルタン
・第2話「スーパースパルタン」は攻殻機動隊のストーリーがようやく分かってくる回となる。攻殻機動隊の連載版の一番最初。(第1話は単行本の時に書き下ろしで付けられた特殊な話)
・「少佐」と呼ばれる謎の人物が部下と花見をしているところへ、警視庁公安課の荒巻部長からある事件への出動を要請される。
・「財団法人・聖庶民救済センター」は働けなくなったニートを大量に囲って再教育しているが、人権を無視した労働をやらせて非合法なことをしているのではないかという疑いあるため、突入しろとの命令だった。
・「少佐」チームは、公安の依頼内容の方に怪しいものを感じる。
・作品の時代背景は、2029年。

1:08:40〜第2話「スーパースパルタン」サロンの講義が始まる。
1989年執筆の連載から40年後の世界を描いている。
・1989年12月頃からバブルの崩壊が始まったが、世間では好景気が続くと思われていた。日本経済の転換点の時代に執筆した。
・「ブレードランナー」(1982年)はガジェットがスタイリッシュであったりするだけで、”サイバーパンク”ではない。
・「攻殻機動隊」は”サイバーパンク”を描いた先鋭的な作品。
サイバーパンクとは、人間の生体と機械との融合を描いたSF作品のこと。
草薙素子とフチコマ(AI搭載型思考戦車:バイク型)が合体する。
・荒巻部長は草薙に命令できる立場にない。
 2者は取引している。
荒巻「仕事だ。少佐」
  「南新浜4区、水仙と合流しろ」(水仙=政府のワゴン車)
草薙「やなこった。へへーん」
荒巻「きさまが要求していた予算は通したぞ。仕事しろ」
草薙「フチコマ!確認は?」
フチコマ「Yes Sir!」
・草薙素子がやりたかったことは何か?
世の中には普通の法律では裁けない電脳犯罪、ネット犯罪が蔓延り、警察や軍では対応できないので、これに積極的に介入して解決するような独立した団体、つまり、警察組織、公安の端にいて上司の考えや許可を伺わなければいけないような組織ではなく独立した組織が必要となっていた。草薙はその独立組織を作るために予算を上申し、荒巻はその予算を通した。故に草薙に政府の一員、国家公務員として仕事をしろと言っている。草薙はそれが事実かどうかフチコマに確認させる。草薙が最も信頼しているバトーと有線ケーブル(首の後ろの接触端子を使う。無線のWi-Fiは盗聴去れ易いと言われるが有線はセキュリティーが高い)で話す。
バトー「公安部のサル部長はキレモノのクソ野郎だ」「取引に賛成は3、反対は2、棄権1」
草薙「正式な特殊部隊の設立を内務大臣に申請するには公安部の協力も必要だわ」
バトーは、荒巻は独立部隊にするつもりはなく専属として自分たちの下に組み込むつもりだと主張し反対している。
フチコマが、国家審議会で予算を通過したレポートがあることを再度確認する。
草薙は、荒巻との取引をすることを決断する。
・目的地に移動しながら行われるブレインダイブの様子
新浜4区に向かって走る。(先の戦争で核攻撃か大型爆弾攻撃を受け、山が大きく削られた海岸線。「アップルシード」で描かれた核戦争の後の世界。戦後復興の時代)
草薙「ブレインダイブ用意」(状況を説明するために無線で部下と会話する。草薙の脳内に入って来るように命令している)
草薙「チリチリする辺が、ゴーストライン。それ以上は潜るな」(草薙の脳内が描かれている。ゴーストラインとは彼女固有の魂の部分。部下はゴーストラインぎりぎりまでダイブしている。義手の痛みまで感知する様子など)
草薙「2秒で出ていかないと脳細胞を焼くわよ。揃いも揃ってゴースト近くまで潜ってきやがって。くそ。これだからデリカシーのない野郎どもを脳内に入れるのは嫌なんだ」
・新浜4区に到着。水仙(政府のワゴン車)で作戦を知らされる。
水仙のドライバーが「現在、公安部は”聖庶民救済センター”を完全に監視下に置いています」
水仙の女性「福祉施設です、少佐殿。戦災孤児を引き取って、生活、学習、職場を提供するところです」
草薙「じゃあ、私らは必要ないな。バイバイ」(草薙らは公安や軍で対処できない悪に対応する先鋭チーム。福祉施設の監視には対応しない)
水仙の女性「洗脳装置(ゴーストコントローラー)があるんです。少佐殿」
「この救済センターは社会に出す人材のレンジが広いことで知られています」
草薙「政治家、評論家、犯罪者。似たようなものだ」
荒巻「公安部はそこを人間工場と呼んでいる。なければ困るし、雑菌が入ったら社会問題だ」(荒巻はモニター上で説明している)
水仙女性「研究所の電脳からハックされたHC25設計図」「証拠がないので踏み込めないのです」
・”聖庶民救済センター”とは
”聖庶民救済センター”が、戦災孤児達への教育を建前にして”洗脳”する洗脳装置(ゴーストコントローラー)を使っている疑惑があり、これは違法。
”聖庶民救済センター”は政府の組織を政府が襲撃するというリスキーな仕事。

1:39:00〜第2話「スーパースパルタン」の後半
・士郎政宗は、1989年に2029年のことを考えて描いた。40年後の世界。
・施設に突入
草薙「いつの時代にも我々のような部隊は必要だ。だから失うものはない」
「スキャンダル工作、政治家の足の引き合い、子供の洗脳、そういうクソ野郎どもを一掃するためにサルと取り引きしたんだ。やってやろうじゃないの」
「そうしろとささやくのよ。私のゴーストが」
・トグサの失敗
施設から逃げ出した子供が警備員に捕まえられている。
トグサが、「子蜘蛛(監視装置)を仕込んだ」
ある警備員はマンホールの蓋に異常(トグサのミスでマンホールの蓋が草を巻き込んでいる)を発見する。(監視装置が仕込まれたことに気づいた)
警備員「大至急、排水路を封鎖しろ。枝がついている」
草薙「気づかれた!トグサ、緊急脱出!」「敵は同業のプロだ。通信を攻性防壁モードに切り替える」「バズ、サイトーはトグサを連れ出せ。イシカワは援護。ボーマは退路確保。私とバトーが援護する」(逃げる体制で、何かにスイッチを入れている)
・水仙の女性(人工知能のロボット)が死ぬ
草薙「何してる。攻性防壁にやられるぞ!」
水仙の女性「ロックされてますぅ!」(→死ぬが死ではない)
草薙「行くぞバトー、そいつはただのスピーカーだ。公安部が修理する」
バトー「新しい模擬人格を注入してか?ゴーストがない人形は悲しいね」
・警備員の方も相手がプロだと気づく
警備員「ゴーストが焼ける時の抵抗感がなかった。俺が焼いたのは人工知能か」
「敵は遊び半分のハッカーじゃない。プロだ」
・トグサの未熟さ
全員撤退を命じられる。
トグサ「なんで排水路だとわかったんだよ。情報漏れか?やっぱしワナか?」
(情報漏れ=自分のチームに裏切り者がいる?ワナ=公安部長のワナか?と他人を疑っている。トグサは自分のミスだと気づいていない。)
トグサが徐々に成長していく姿を描くのも「攻殻機動隊」の漫画版の裏テーマ。
トグサはかつて刑事だった。それなりに敏腕刑事だったのでチームに引き抜かれた。
・警備員が攻性防壁を使う
攻性防壁とは、自分の中に入り込まれないように壁を築いているはずが、それが相手に侵入される鍵にもなるという仕掛け。
警備員は、イシカワの脳を操作しており、石川の脳を通り過ぎてサル(荒巻)を操作して、フチコマ回線で繋がっている草薙の脳の中に入ろうとしている。「フチコマ回線を切れ!閉鎖モードに」と言われるがすでに草薙の脳に警備員が入ってきていてスイッチが押せない。草薙はフチコマから飛び出すことでラインを切った。
・草薙は同経路の逆流で攻性防壁を使って攻撃させる。
・警備員と草薙チームのバトル 光学迷彩
草薙は光学迷彩の服(柔らかい布状の液晶モニター/真後ろの映像を映し姿を隠す)を着る。
警備員は草薙を追い詰めたつもりが、ダミーと書いてある地雷だった。
警備員「姿も音も熱もない。京レの「隠れ蓑(光学迷彩)」か」(何もないところから撃たれた)
警備員は戦争のプロなので即決で降参する。警備員は軍の最新装備を持っているが、相手は想定外に高度な装備を持っていることを理解する。プロであるから戦うのを即止めて交渉に入る。
草薙は「洗脳装置とゴースト侵入鍵素子」を渡せと要求。

2:09:33〜 
「ゴーストインザシェル」ハリウッド版について
(省略)