【憲法記念日】金子勝「新しい戦前はもう始まってる。議決もなしに軍事費をどんどん膨らませている」 | ☆Dancing the Dream ☆

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二週連続のデンジャラスコンビ!【青木理、金子勝】2024年5月3日(金)青木理 金子勝 太田英明【オープニングトーク】

金子先生
実言うと憲法憲法とか議会性民主主義とかいうのの、
イギリスの成り立ちっていうのを見ると、財政なんですよ。
王様に対して、土地貴族が、自分たちを勝手に課税をしてね、税金をかけて、常備軍で色々干渉することに対して、その王権に対抗して。
それで、「議会で決めないとだめだ」っていうのが本当の最初なんですね。

太田さん:
王権を制御するための憲法っていうことですね。

金子先生
そうですね。皆さん聞いたことあると思うんですけど。
受験勉強で「マグナカルタ」とか「権利の章典」とか「名誉革命」とか。
ああいうのが、出発なんですよ。
だから、ちょうどそれに当たるのは 「憲法83条」なんですよ。
ほとんどの人は、憲法83条って知らないんで、昔はね。
「憲法 83条ってあるんですよ」ってやると、
なんか僕は専門家のような振りしながら、憲法を語るっていうのは格好がついてたんだけど。
最近は、「予備費」とか「基金」とか、もうべらぼうに、憲法違反をやっているので。
そういうのがね、通用しなくなってきて困ってんだ。

太田さん:
憲法違反というのはどういう意味合いでですか。

金子先生:
ああ、議会が全くチェックしないで、閣議決定で出される「予備費を10兆円出す」 なんてことは、戦後1度もないですから。
普通は、大震災があっても、東日本大震災でも2兆円で、その後、みんな追加のために補正予算でやってるわけ。
能登地震もそうじゃないですか。
「予備費がもう本当、微々たるもんしか出さないで、補正も組まない」っていう、もうこの酷さっていうのは何だろう。
その 一方で、コロナの時に「年間10兆円」も、議会のノーチェックのお金を出して、それを余らせて、で、それを急激に、「不要だったんです」って言って、「削るようなふりしながら、利益剰余金をひねり出して、それで防衛費に出してる」っていう。

青木さん:
あれでしょ、あの今金子さんが 83条って言ったの、僕、今改めてちょっと憲法の条文をネットで開いたんですけどね。要するに憲法ってのは、僕が言うまでもなく、要するにこう権力の行使者、つまり公の職についてる人たちが「これを守れよ」っていうその権力を縛るものじゃないですか。で、その中で、日本の憲法の場合は、第一章、天皇から始まって、で、議会であったりとか、国民の権利であったりとか、司法であったりとか、定めてんだけど。83条からは、これ第7章で、財政を定めていて。
で、これは要するにあれですよね、つまり、確かに国家権力ってね、平和主義だったりとか、国民の権利や義務ってのも大事なんだけれども。
要するに、「国民から金取って、その金をどう使うか」っていうのは、最も重要なところの うちの1つで。
だから「83条以降の財政のところ」を、やっぱり、金子さんは注目をするってこと。

金子さん:
そう。昔は、それで知ったかぶりでてきたんだけど。
あまりにひどい状態になってきたんで、多少、83条を口にする人が出てきた。
これが今の現状ですよ。
で、元々言えば、近代国家っていうのは、いわゆる「税金を勝手に取ったり、勝手に取った税金を使ったり」、それから常備軍なんですけど、要するに、「常に持ってる軍隊を、議会が規制する」っていうのが、近代国家の出発点なんですよ。

青木さん:
だから、ちなみに言うとね、「83 条」ってのは、「国の財政を処理する権限は国会の議決に基づいてこれを行しなちゃいけない」と。
で、84条は。「新たに租税を課し、または、現行の租税を変更するには法律または法律の定める条件によることを必要とする」と。
つまり、法律ってのはね、唯一の立法府・国会しか作れないので。
つまり、国会の議決とかを経なければ、勝手にお金、税金取ったりとか、勝手に予算を使っちゃいけないっことなわけですね。

金子先生:
そう。予算使っちゃいけない。特に、「戦争することに関して議会の同意なしに、戦争するな」と。
要するに「軍隊を出す」っつったら、昔の土地貴族は王様で動員されたり、兵隊を出さなきゃいけないわけじゃないですか。
「お前が勝手に決めるなよ」と。「議会で同意をしてくれ」と。
それが近代国家の最初なんですよ。
で、我々ほら、第2次大戦のひどい戦争があったんで、「憲法九条の改正」を巡って対立が生まれてきちゃって。最近は歴史修正主義が出てきて。
それが焦点だと普通は思ってんだけど、普通の憲法は「勝手に税金をかけたり、勝手に税金を権力者が使ったり、勝手にそれで軍隊を維持したり、ということをやってはいけない」ということが近代国家の最初の出発点だったんです。
だから僕は自分の分野で、誇りを持って、近代国家を最低限実現しなきゃいけないと思ってたのが、このアベ ミクス以降、デタラメにしちゃった。
この状態ですね。

青木さん:
ちなみにもう1個、「85条」もそうですよね。
「85条」は、「国費を支出し、または国が債務を負担するには、国会の議決に基づくことを 必要とする」と。
つまり、だから、この83条以降で定められている財政の項目のとこで定められてるのは、いわゆる、金子さんが言ってる、いちばん近代民主主義でいちばん大事な財政民主主義っていうものの部分なわけでしょ。

金子先生:
そうそうそうそうそう!
まさに、債務負担で言えば、今、後年度負担という形で、1年じゃなくて5年。今度は法律で10年までできちゃうようになってんだけど。
例えば、自衛艦をつくるんだったら、5年ローン。これ10年ローンで出せると。
…いうようなやり方 でどんどんどんどん膨らましているっていうのは、1年目だけ予算書の中にポコっと入ってるだけで、後の部分はずーっとどんどんどんどん累積していくのに、ノーチェックになってる。
これ が、もう今、累積する状態になっているので。
「憲法9条が改正しなければ大丈夫だ」っていうのは、ちょっと幻想で。
もう事実上…例えば、去年の予算で、23年度の予算だと、11兆、5年度負担。
24年度で、14.2兆 。
これ、だから、5年、10年ずっと、払い続けていくわけです。

青木さん:
それもだから、いわゆる防衛費ですよね。
つまり、アメリカから高額な兵器を買うのに、5年じゃ払いきれないから、あるいは、その先も含めて本来だったら5年まででってのは原則だったのに、その原則をぶっ壊して、10年までできるようにしたっていうことですよね。

金子さん:
そうそうそう。だから、もうなんだろう。実態として9条を変えなければ日本は平和国家にとどまってるって考えるのは、甘くて。
実態としても、戦前。新しい戦前は始まっていて。
もう国会や議会の同意もなしに、あるいは、チェックもなしにどんどん軍事費を膨張させているのが今の日本国家なんです、と。
憲法記念日を素直にお祝いできないような現状があるっていうことを、僕は憂えてます。正直。

太田さん:
憲法違反が財政的に言うと状態化してるっていうことですね。

金子先生:
常態化してる。