【児玉龍彦✖️上昌広 緊急提言】児玉龍彦教授 part 文字起こし | ☆Dancing the Dream ☆

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児玉龍彦先生と上昌広先生。
お二人の新型コロナの科学的レクチャーを
昨年来、ずっと追いかけて聴き続けてきました。

なんとお二人揃っての緊急提言❗️必聴です。

児玉先生と上先生のレクを
各々2部に分けて文字起こしします。
本稿は児玉先生のパートです。

※司会は科学ジャーナリスト、
元NHKエグゼクティブプロデューサーの林勝彦さん。




今日は、
「変異ウイルス」と「ワクチン」
「これからのコロナ対応をどう精密医療でやっていくか」
ということをお話したい。

1変異のメカニズム
2RNAワクチンが齎す転機
3精密医療〜事実の風評化、差別の被害化の二重の誤

変異株のメカニズム


波ごとに異なるウイルスが広がる
去年の
2月の武漢株、
3月頃の緊急事態の時の欧米株(D614G/B1.1.114)
4月頃の東京埼玉株(B1.1.284>B1.1.214)
暮れから正月にかけて東京埼玉株(B1.1.214>B1.1.284)
同じタイプウイルスで2回感染を起こしている。
今年、
今は英国株(B1.1.7)が流行っている。
次にインド株が出ている。

変異株とはどういうものか?
新型コロナウイルスは、
RNAという核酸が3万個並んでいる、
核酸の塩基の並びが変わると、
これにコードされていたタンパクが変わる。
変異株というのはウイルスの3万個並んだ核酸が
増えていく時に読み間違えが起こる事で起こってくる。

RNAウイルスが感染する場合、
人間の細胞にRNAが入っていく。
RNAがRNAポリメレースというのによって増えていく。
増えていく時に、RNAからRNAを作るのは読み間違えが多い。
普通、遺伝情報は二重螺旋、2本鎖のDNAで安定的に保たれて、
RNAを作り出すときも読み間違いがないようにされているが、
RNAというのは1本鎖なのでレファレンスが少ないという事もあり、
間違いが多くなる。

遺伝情報の読み間違いは一定の率で起こっていて、
変異のウイルスも一定の率で出てくる。
ところが、変異が入ると大半の変異というのは
ウイルスの機能を弱めてしまう。
元々今まで進化して出てきたタンパク質や遺伝子の配列が
違うものにランダムに変わるので、ほとんどは機能がなくなる。
ところが、ある一部で、
《増殖のスピードが速い》《感染性が強い》というのがあると
この変異したウイルスばかりがどんどん増えていく。

変異はどういう場所で起こるか?
ひとつは動物。
コロナウイルスは人獣共通感染症で、
風邪のコロナの一大発生母地になっていたのは
集団生活をするコウモリ(1集団:100万匹)。
今回の感染で見られたのはデンマークで
数百万~数千万匹のミンクで大発生した。
英国型はミンクの変異とかなり共通する。
ミンクの変異は人間に感染した事が証明された
数少ない人獣共通感染症。

もうひとつは、人間の集団で、
たくさんの人が感染するとたくさんのウイルスが複製されて、
増えるスピードの速い株が選択される。
しかし、スピードの速い株というのは、
もう少し変異が入ると壊れていってしまう。
これで《波》を作る。

もうひとつは、
1人の免疫不全の人でも、変異が入る。
免疫不全の人の中ではウイルスが長期間増え続けるので、
一般に肺炎などが悪化して治療すると、
《薬剤抵抗性のウイルスが増えてくる》
『NATURE』で、107日間感染が続いて重症化し、
治療耐性株が出て、亡くなった患者の例が報告された。

コロナウイルスの波〜マルチスケールフィードバック
コロナウイルスの変異株の特徴は、
《自動的に出て、自壊して消えていく》という《波》を作る。
しかも《波》を作るのに色々な要素が関わっている。
これを「マルチスケールフィードバック」という。
・ひとつの細胞の中でもフィードバックがかかるし、
・個体の中でも免疫を逃れたりするものが増えるとか、
・社会的に防護対策が行われると対策から逃れるものが増える
などの変異が起きる。

いわゆる「SARS」と「新型SARS-COV2」では、
今の新型コロナウイルスの方は《重症化しない人が多い》
《重要化しないときにウイルスが出る(無症状感染者)》
という事で社会的に広がる。そういう進化をしてきた。

ところが、進化して増えていくと、
変異がどんどん増えると、
《逆に一定数以上変異が入ると、自壊して消えていってしまう》
という“複雑な挙動” をとるので、
ウイルスは《周期的に波を描く》。

ウイルスのphylogeny(系統発生)を解析、
アメリカの学者の解析によると、
「枝葉」と呼ばれる「変異して増殖し易い枝葉のウイルス」ではなく、
最初の武漢とコウモリとパンゴリン(センザンコウ)に近い
「幹」になるrobustな(頑強な)ウイルス、
=ゆっくり増えるけどしぶといウイルスがだんだん増えてくる
というのが問題なんじゃないかという論文も出ている。

変異株、例えばイギリスから起こった株は「英国株」と呼ばれ
世界中に広がっているし、
ブラジルから出た株も世界中に行っている。
南アフリカも出ているし、今はインド型というのも出ている。

RNAワクチンは変異に強い
細胞性免疫をおこす
次に問題になるのが、ワクチン。
変化するウイルスに対し、今までのワクチンは様々問題があった。
《主に液性免疫という抗体を作る》というのでいくと
ウイルスが変異した時に効きが悪くなって、
《抗体性依存増強》というワクチンでおかしくなる
というケースも知られている。

これらに対し、今回作られた「RNAワクチン」というのは、
《抗体を作るという液性免疫》ではなくて、
《筋肉の細胞にコロナウイルスのタンパクを発現させる》ので、
《細胞性免疫》を起こす。
細胞性免疫というのは、
細胞表面に分解されて出てきた短いタンパク質、
ウイルス抗原と言っても短いタンパク質を認識するので、
短いタンパク質が変異部分でなければ、細胞性免疫が働く。
という事で、従来のワクチンと比べてRNAワクチンは、
変異に強い事が証明されている。

とは言っても今後、
RNAワクチンを超える変異ウイルスが出ないとも限らない。
すでに、ファイザー、ビヨンテックでは、
どんどん変異している配列の新しいRNAワクチンが作られていて、
3回目を打つともっとよく効くという事が報告されている。

ちなみに、RNAワクチンが、ファイザー、モデルナ。
従来のアデノウイルスで運ぶのは、アストラゼネカ、
ジョンソンアンドジョンソン、ロシアのスプートニクファイブ。

10日目で中和抗体ができる
RNAワクチンは、細胞性免疫だと言ったが、
液性免疫も非常によく誘導する。
東大の医師に採血して調べさせてもらったところ、
RNAワクチンを打ち10日目で中和抗体が出てきて、
3週間目に2回目のワクチン接種で、
非常に高く抗体が出てくる。
この抗体、細胞性免疫というのは、
質だけではなく量の問題もあるので、
沢山出てくるとウイルスが変異しても、
親和性が弱くてもやっつけられる強力なもの。

過去に罹っていた人は、
1回ワクチンを打てば2回目は打たなくても良い。
2回打ったのと同じ効果が出る事が知られている。

自衛隊の大規模接種より
報道されない自治体のワクチン接種が主体

今、自衛隊のワクチン大規模接種というので報道が埋まっているが、
実際にはコミットしている世田谷区で見ると、
65歳以上で18万人接種予定の内、14万人予約が済んでいる。
東京大規模接種会場では7万人位予定していたが、
3万5000人位しか埋まっていなくて残りの大半は自治体で打ちたいと。
昨日(6/24)に大規模接種会場に行った人は
世田谷区では750人(内250人が世田谷区と重複)。
だから大規模接種会場はそんなに大した数ではない所に大騒ぎをして
財源を注がれているということが分かる。
世田谷区では7月末までの接種枠は18万人のところ予約が14万人なので、
4万人分空いているから、基礎疾患のある人の希望受付を開始している。
当初の予定では11月末に成人全員接種終了予定だったが、
10月末に繰上げを目指している。
そのために、薬剤師や臨床検査技師にも注射を打つ要員に
なってもらおうとしているが、医師会の反対が課題になっている。
政府も薬剤師や臨床検査技師が打ち手になるのは問題ないと言っている。

ワクチン接種までにどのようにして生命を守るか?
イギリスでのロックダウン解除の方策は?

ワクチンを打つと同時に、以下のものが行われている。
①コンタクトトレーシングのアプリと迅速検査による個別隔離。
②無症状感染者の検査。
③入国検疫の徹底。(イギリスでもあまり上手くいっていないという評価)
④マスクの使用。
⑤社会的な小集団(バブル)での規制緩和の交流。

「精密医療」とは?
○感染者が出たら集団で検査をし誰が感染しているかを把握する。
○陽性者はゲノム解析して変異を知る。
○早期診断して早期治療する。

早期発見早期治療とは?
変異株をどうするか?
無症状の感染変異が入ってくる。
↪︎外国からの変異(空港のすり抜け)
↪︎国内のエピセンターでの変異(繁華街)
これが家庭内感染となる
↪︎会社の社員の一家が感染した場合に企業の中だけ見ていてはいけない。
 保育園、学校、大学で子供が感染し両親も感染し会社に入っていく。
 お年寄りも感染し病院や老人施設に入る。
 英国株では若い世代から学校に広がり、これが家庭内に入り、
 それが病院老人施設に入って死者が出るという格好になっている。

早期に検査し重症化させないためにどうするか?
○コロナは発症後しばらく経ってから免疫暴走で急速に重症化する。
○肺炎のある患者は早期からステロイドやアクテムラで治療すると
 重症化を防げる。
○PCRで早期に診断されたらCT検査で肺炎の有無を確認し、
 肺炎があれば重症化予防ができる。

東京都は早期治療の指導をかなりやっていた。
東京と大阪で死亡率に大きな差ができたのは、早期治療のちがい。
このウイルスは重症化してしまうとなかなか治療法がなくて
「ICUで焦げ付いてしまった」と表現されるが、
ずっとICUに入っていなければならない患者が多数出てきて
医療崩壊になってしまう。

①PCR検査でウイルス量と変異の有無をみる
②陽性例はCTの検査をし、治療のラインに入る
③肺炎は免疫暴走を抑える早期治療を行うと重傷者、死者を抑える。

無症状者PCR検査を否定した間違いはなぜ起きたか?
遺伝子工学、計測科学、情報科学に弱い、
感染症専門家が無症状者の検査を否定した。
○厚労省、保健所、政治家
↪︎「物理的な量が足りない」と言った。
↪︎文科省は大学、研究所を閉鎖するというようなことが起こった。
○専門家の分科会、感染症学会
↪︎「症状のある人を追いかける、今のままでいい」と言った。
↪︎PCRは擬陽性、偽陰性があるとか、強制力がないとダメだなどと言い、
 色々な理由をつけて検査否定論を展開した。

遺伝子工学、計測科学、情報科学の専門家がいない分科会の失敗は、
行政検査はクラスターだけに行い、無症状者は本人負担にしたこと。

自治医大の永井学長に言わせると、
「インパール作戦のときの軍部と一緒で、〈英米と比べて物理量が足りない〉だから〈大和魂の今のままの戦いでいい〉と言っていたのと同じことだ」と。
誤謬が2通りあるから、片方を批判するともう片方が出てくる。
もう片方を批判するともう一方が出てくるということで、
その悪循環から抜け出すには、
コストをかけ絶対数を増やすイニシアチブが要る。
無症状者検査を否定して、本人負担にしたために、
「自己責任」にして、その結果「品質の劣化」が起こった。

「検査」については上先生からお話しがあるので言わないが、
検査では「ウイルスの量を見る」という事が重要だ。
※ Ct値をみる。Ct値とはPCR反応の増幅産物を蛍光で検出する際に
 検出しきい値を越えたときの増幅サイクル数である。
 従って、ウイルスRNA量が少ないほどCt値は高くなる。
実際に定期検査をやると世田谷区ではクラスターが3分の1になった。

「事実」を「風評被害」とよび
事実が隠される

「検査否定論」で最後に出てくる「風評被害論」というのは、
実は二重の誤謬である。
水俣病やアスベスト問題で被害の地域的な広がりや時間的なずれがあったが、
「事実」を「風評被害」という言葉に置き換えて「客観的な事実を隠す」
という事が行われる。
福島原発事故の時も、米の全数検査をやるために米の検査機を作ったが、
当時の原子力学会の専門家は「農家をムチ打つようなものだ」とか
「全数検査する機械なんかできるわけがない」と言っていたが、
ご存知のとおり、全数検査の機械は、医療用petのセンサーを使って
100台くらい直ぐに広まって1000万袋の検査が行われた。
水俣病の時は熊本のチッ素の病院と熊本大学が現地調査を始めた昭和30年代、
その頃に突然、東京工業大学の清浦教授(清浦 雷作)や、
日本科学工業の大島先生(大島泰郎)という東京の人たちが、
「他にも原因があるんじゃないか」
だから「工場排水だというのは風評被害ではないか」という批判が行われ、
その為に、実際の患者認定が15年遅れた。
「風評被害」の「被害」とされているものは、「差別」である。
差別は、LGBTやセクシャルハラスメントでも分かっている通り、
隠すとますます広がるという現象がある。
「風評被害」も同じで「事実を隠す」「差別を隠す」ために
「風評被害」という言い方が使われる。
誤謬が二重なので永遠に繰り返すという特徴がある。



今日のまとめ
精密医療とはソーシャルデザイン
※ソーシャルデザインとは社会をどのように築くのかという計画

繰り返し波をえがく感染の場合にどういう事が起こるか?
①入国検疫の徹底
 繰り返し外国からウイルスが入ってくるので、
 入国検疫を徹底しなければならない。
②新規感染者の同定:スマホで追跡
 日本ではスマホの民間の専門家が始めたCocoaを厚労省が取り上げて、
 総務省出入りの就活業者のDoda(デューダ)に何億円かで渡して、
 民間の専門家がタッチできないようにされた。
 デューダには技術がないので、スマホのヴァージョンがアップする度に
 ついていけなくなった。
「中抜き」をやっていただけの者達がCocoaをダメにしてしまった。
 民間でやっていた*関さんがまた戻ってきてやり出したので、
 Cocoaもこれからよく働くと思う。
  https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2102/19/news140.html
 *関 治之さん 政府CIO補佐官(非常勤職員)
③ゲノム解析
 陽性者が出たらウイルスのタンパクを決める。
④感染集積地の同定。
 よく感染の対処方法が一律で言われるが、一律の対処方法などはない。
 医師もどこのレベルに入るかでマスクも防護服も変わる。
 感染対応の仕方は、時事刻々、その地域の感染状況、
 流行っているウイルスの種類によって変わる。
⑤医療崩壊阻止への医療資源投入
 感染集積地と非集積基地を明確に分けて、
 非集積地から集積地へ医療資源を医療崩壊阻止のために
 系統的に投入する事が必要になる。
⑥残存感染者の地域徹底追跡
 ピークアウトしてきたら残存感染者の追跡で減らしていく。
⑦ワクチンの最適化
 配列を元にワクチンも数だけではなく配列の最適化をする。

細密医療というのは、技術の問題ではなく、
ソーシャルデザインの問題である。