【#汚染水の海洋放出決定に抗議します】関係閣僚会議(4/13)〜汚染水海洋放出の方針決定 | ☆Dancing the Dream ☆

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日本の汚染水海洋放出に、
中国、韓国、台湾と、アメリカ、IAEAの意見が分かれ、
東アジアが、揺すぶられている。
日本と近隣諸国の関係が険悪になっている。

折しも菅総理は、15~18日の日程で訪米し、
16日には、バイデン大統領と会談する予定だ。

4/13、関係閣僚会議で汚染水海洋放出(2年後から)の方針を決定し、
中国、韓国、台湾など近隣諸国から抗議の声が上がっているが、
一方で、アメリカは容認、IAEAは歓迎し支援するとしている。

しかし、なぜ、今なのか?
昨年2020年4月3日、すでにIAEAは、処理水の取扱い(海洋放出)に関し、
資源エネルギー庁の小委員会が2月に取りまとめた報告書に対し、
「科学的・技術的根拠に基づいている」「技術的に実施可能」とし、
日本政府が決定した際にIAEAとして支援を図る姿勢を示していた。

※ IAEA が福島第一発電所に保管されている水の管理についてレビューを実施
2020年4月3日 IAEAプレスリリース
https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200402002/20200402002-1.pdf
※福島第一処理水でIAEAがレビュー報告書、エネ庁委員会の検討結果を評価
03 Apr 2020 https://www.jaif.or.jp/journal/japan/2467.html

IAEA主催の核セキュリティ国際会議(2020年2月10~14日)に
日本政府代表で出席した外務省の若宮健嗣副大臣が、
ラファエル・マリアーノ・グロッシー事務局長に小委員会報告書を手渡した後、このレビューが行われていたという。

昨年2月〜4月と言えば、
2月以降、日本で発生したマスク不足の解消のためとして、
4/1の新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で、
安倍総理(当時)は、「再利用可能な布マスク」について言及

4/7「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」で閣議決定し、
アベノマスクの配布が開始された時期である。
アベノマスクの生産国は、中国、ベトナム、フィリピン、ミャンマーなどだった。

そして、今年2月1日に、
ミャンマー国軍によるクーデターが発生している。

※ バイデン米大統領、ミャンマー制裁の大統領令署名、国軍関係10人と企業3社対象
JETRO 2021年2月11日
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/02/eda671987dec167c.html

ミャンマーは石油、天然ガス等、資源に恵まれた国で、
中国にマラッカ海峡を経由せずミャンマーの天然ガスと
中東等の原油を輸入可能とするパイプラインが作られている。
https://note.com/mizusour/n/n6fde0a238407
https://note.com/mizusour/n/na5f5caf5aa1f




2021年4月13日 麻生大臣 
「あの水(処理水)は、飲んでもなんちゅうことはない」


4/13 原発“処理水”海洋放出を決定、
中韓反発 米は容認 IAEA「歓迎」

福島原発の処理水放出 行政院「安全確保まで決定すべきでない」/台湾
中央通訊社(中華民国の国家通信社) 2021/04/14

https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202104140002.aspx
(台北中央社)日本政府が東京電力福島第1原子力発電所の敷地内にたまり続ける処理水の海洋放出を決めたことに対し、行政院(内閣)の羅秉成報道官は14日、周辺各国の人々が安心し、安全が確保されるまでは決定を下すべきではないとの見解を報道資料で示した。
羅氏は報道資料で、原子能委員会(原子力委員会)が日本側に文書で反対の立場を示したことに言及。文書では日本が近隣諸国の反対を顧みずに海洋放出を決定するのであれば、台湾付近の公海における放射性物質の量の変化の測定、台日双方での海洋モニタリング・評価に関する技術交流、情報共有の強化などを求めるとした。
羅氏は処理水の海洋放出について、日本政府は改めてよく検討し、オープンで透明な責任ある態度で、台湾を含めた周辺の影響を受けうる国に十分な情報を自ら公開するべきだと呼び掛けた。
また政府は各省庁と連携し、台湾周辺の海洋のモニタリングに尽力し、海の生態系や漁業従事者の権益を守っていくとの姿勢を示した。
(賴于榛/編集:楊千慧)




2021.4.12 共産党 小池晃 中央委員会書記局長 記者会見
汚染水海洋放出 断固反対


2021.4.12 高橋千鶴子​ 議員 衆院決算行政監視委員会
原発汚染水 海洋放出の撤回迫る 「漁師継げずに復興なし」


○事故前の放出基準は、22兆bq/1年
○現在貯まっているタンクは、約1000基
○貯蔵水量は、約120万トン、
○トリチウム量は、860兆bq。
○1基(1000トン)放出するのに、500基分の海水で薄めなければならない。
*サブドレンのトリチウム濃度(2020年3月処理水に関する検討素案)の基準は 1500bq/1L
*海洋放出する場合、海水で希釈しながら現在のタンクがなくすのに30~40年を有効に使う。

福島第1原発事故 処理水海洋放出、政府決定 2年後開始見通し 漁業者懸念強く
毎日新聞 2021/4/13 東京夕刊 有料記事 1533文字
https://mainichi.jp/articles/20210413/dde/001/040/035000c
 東京電力福島第1原発の汚染処理水の処分について、政府は13日、関係閣僚会議を開き、放射性物質の濃度を国の放出基準より下げた後、海に流す方針を決めた。実際の放出は約2年後の見通し。風評被害が懸念されるため、東電は被害が確認されれば賠償するほか、政府・東電は漁業関係者らの意見を聞いて具体的な対策も検討していく。
 建屋内の地下には連日、壁のひびから地下水が入り込んでおり、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)を冷やした水と混じって、放射性物質を高濃度に含む「汚染水」が発生している。それを、多核種除去設備「ALPS(アルプス)」のフィルターなどに通して濃度を下げてから、タンクにためている。*有料記事  残り1242文字(全文1533文字)

●海洋放出ありきに怒り
高橋・岩渕氏 漁民と懇談 福島
しんぶん赤旗 2021年4月11日
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-04-11/2021041112_01_1.html
 日本共産党の高橋千鶴子衆院議員と岩渕友参院議員は10日、東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む汚染水の海洋放出問題の渦中にある福島県いわき市で、漁民たちと懇談しました。宮川えみ子、吉田英策両県議、熊谷智党いわき双葉地区委員長が同席しました。
 いわき市漁協役員らとの懇談では「今までの試験操業から本格操業への移行期に入り、一歩二歩と前に出ているタイミングで、なぜ海洋放出なのか」「絶対反対だ」と怒りの声が相次ぎました。
 江川章組合長は「『トリチウムを流したら福島の魚はもう終わりだね』と、漁民じゃなく仲買人が言ってきた。深刻だよ。国は海を守り、生計を立てているわれわれの声をよく聞き、その上で方針を決めてほしい」と厳しく注文しました。
 福島県南端の勿来(なこそ)漁協でも、集まった漁民らが不安と怒りをぶちまけました。
 震災のがれき撤去作業が終わったとき31歳と29歳の息子2人が後を継ぐと言ったと話す漁師(57)は「本当は漁師にさせたくなかった。若い人たちがこのまま続けていいのか、首相に聞いてみたい」と語気を強めます。
 漁師2代目の男性(66)は「海に流すしかないのか。陸地保管を続けながら処理方法をもっと考えてほしい」と訴えました。
 高橋議員は「いったん決定を見送りしてから半年間、何をしていたのか。県民と対話する努力は見えず、結論ありきだ。皆さんの怒りの声を届けます」と応えました。





汚染水海洋放出 
最終的に●●(国際的訴訟の責任)を取るのは誰だ?!


烏賀陽弘道氏
〜汚染水問題というのは、経産省、資源エネルギー庁が処理方法を模索していた。
最後に残ったのは、海洋放出と自然蒸発だった。
1979年のスリーマイル島原発事故を取材した。
スリーマイル原発でも、溶け落ちた燃料棒を取り出した後も最後に残ったのが、汚染水の問題だった。ペンシルバニアのサスケハナ川の中洲に建つスリーマイル原発は、下流の生態系を破壊するために放水はできなかった。
スリーマイルが川で、福一は海だが、今までなかった放射性物質を環境中に流すという点では同じである。

〜さらにタチが悪いのは、日本政府は、汚染水ではなく、処理水だと言い張っている。
皆、誤解しているが、東京電力ポータルサイトにちゃんと書いてある。
「いかに処理しても、セシウムもストロンチウムもゼロにはできない」と書いてある。
「たまたま国が定めている基準値を下回っている」と言っているだけである。
マスコミも騙されているのか、プロパガンダにのっているのか分からないが、トリチウム以外はもうないと思っているが、セシウムもストロンチウムも、場合によってはプルトニウムもあるかもしれないが、必ず残る。
それが環境中に放出される。ゼロにはできない。

〜もし国際的な訴訟になったら、被告は東京電力であるが、東京電力が責任をとれるのか。
要するに、セシウムもストロンチウムも国の基準値を下回っているというだけの話で、決して無くならないそれを海洋放出する。
放射性物質というのは自然で分解されない。
放射線をずっと放ち続けるという毒性を持っている。
太平洋は地球の面積の約3分の2を占めている。太平洋は世界有数の漁場。
太平洋の周りには、台湾、フィリピン、ロシア、カナダ、アメリカという世界の漁業国が密集している。
それらの漁業国がとった魚から福島原発由来のストロンチウム、セシウムが出た時に、その国の漁業は壊滅的な打撃を受ける。その日は必ずくる。
国際政治を動かしているのは、「事実」ではなく「認識」である。
例えば、チリのマグロ、オレゴンのサケに福島原発由来の放射性物質が見つかった時に、人々の「認識」はどう反応するかということ。日本政府の基準値を下回っていると言っても、人々はそんなことは気にしない。
その国際的訴訟に東京電力は耐えられるのか。
おそらく負けて賠償金を支払う。それも税金から出る。

一月万冊 清水有高氏
〜烏賀陽さんの本やnoteでもさんざん言われていることだが、
「低線量、長期被曝に関しては科学的エビデンスが現在まだ出ていない」
科学的にも分からないことを「安全だ」と言い切り、
その上、法的には誰が責任とるかも分からない。
要するに、これはウソなのだ。

烏賀陽弘道氏
〜こういうときは法律を見れば良い。
法律を見ればこういう時に東京電力がどうやって責任をとるか、キチンと書いてある。
原子力賠償法をみたら、2000億以上の損害を発生させた場合は国が責任を取る。
日本国政府が被告になって提訴されるかもしれない。
政府は、法務官僚の検察官上がりの弁護士を抱えている。
負けても構わない。全部国民の税金で払う。

〜汚染水を海洋放出すれば、将来、中国などから外交カードとして利用される可能性もある。
韓国からも外交の駆け引きの材料にされる可能性もある。
汚染水海洋放出は外交的弱みになる。
日本は核加害国である。


●東京電力ホールディングス
汚染水の浄化処理に関する計測・分析結果

https://www.tepco.co.jp/decommission/progress/watermanagement/purification_analysis/index-j.html



● 【原発】【小出裕章】元京大原子炉実験所助教からの提言
月刊 政経東北 2020/03/29 18:36
トリチウム除去は不可能

https://note.com/seikeitohoku/n/nf5b1a47042e0

――原発事故の発生から丸9年が経ちますが、小出先生の目に被災地の状況はどう映っていますか。

 小出 広島原爆で大気中に放出されたセシウム137の量は8・9×10^13ベクレルです。ちょっと分かりにくいので(苦笑)これを広島原爆1発分と置き換えると、福島第一原発1号機から放出されたセシウムの量は広島原爆6~7発分でした。3号機からの放出量は約8発分で、桁違いに多かったのは2号機でした。1~3号機を合計すると、その放出量は広島原爆約168発分(1・5×10^16ベクレル)に相当します。

 誤解しないでほしいのは、これらの放出量は私が勝手に言っているのではなく、日本政府がIAEA(国際原子力機関)に提出したセシウムの放出量に関する報告書に明記されているものだということです。

 では、これらのセシウムはどのように拡散したのか。事故当時、上空では偏西風が吹いていたため、セシウムの多くは海(太平洋)に流れましたが、地上にもかなりの量が降り注ぎました。報告書に載っている汚染地図を見ると、福島県の東半分を中心に宮城県の南部、茨城県の北部と南部、栃木県と群馬県の北半分、千葉県の北部、岩手県・新潟県・埼玉県・東京都の一部に拡散したことが分かります。

 では、汚染レベルはどれくらいだったのか。茨城県の北部と南部、群馬県の西部、千葉県の北部などには3万~6万ベクレルの汚染地が広がっています。福島県の中通りや栃木県・群馬県の北部は6万~30万ベクレルで、中通りには30万~60万ベクレルの場所も点在しています。原発周辺地域がそれ以上の猛烈な汚染だったことは、今更説明するまでもないと思います。

〜(中略)〜

 ――福島県内ではトリチウムを含む処理水の処分方法に注目が集まっていますが、政府小委員会は1月31日、海洋放出と大気への水蒸気放出を現実的な選択肢とする提言内容をまとめました。

 小出 放射能汚染水は福島第一原発の敷地内に設置された大量のタンクに貯蔵されていますが、東電が昨年末に発表した資料によると、タンクの貯蔵容量は128万9100㌧で、このうちトリチウムを含む処理水が109万1429㌧、ストロンチウムなどを含むALPS(アルプス)処理待ちの汚染水が7万6404㌧、濃縮廃液などが2万6443㌧、計119万4276㌧で、タンクの空き容量は9万4824㌧しかありません。しかし、東電は福島第一原発の敷地にこれ以上余裕がないことを理由にタンクの増設は困難としています。そこで浮上しているのが海洋放出と水蒸気放出という二つの案です。

 ――政府小委員会は技術面から海洋放出を現実的な選択肢としています。トリチウムを含む処理水は、国内の他の原発でも希釈して海に排出しています。しかし、漁業者は風評被害を懸念し、海洋放出に強く反対しています。市民団体は「引き続きタンクに貯蔵すべきだ」「モルタルで固化して地下埋設すべきだ」と主張しています。本誌も、まずはタンクに貯蔵し続け、その間にトリチウムを除去する技術を開発すべきだと考えています。

 小出 結論から言うと、トリチウムは絶対に除去できません。トリチウムは陽子1個と中性子2個で成り立ち、別名「三重水素」(T)と言われています。三重水素は天然には存在せず、放射能を持っています。半減期(12・3年)を経て2個ある中性子の1個が陽子に変わり、ヘリウムになる性質があります。

 化学の観点から説明すると、水素(H)はボンベなどで閉じ込めない限り、普通の環境下では酸素と結合して水(H2O)になります。トリチウムも三重水素と言われるように、化学的には水素と全く同じ性質で、酸素と結合するとトリチウム水(HTO)になります。

 ALPSで行われているのは、汚染水からさまざまな放射性物質を除去し、きれいな水にする作業です。しかし、トリチウム水は化学的には水そのものなので、どんなことをしても(トリチウムを)除去できません。だから、政府小委員会は海洋放出しかないと主張しているのです。

 とはいえ、海洋放出は簡単ではありません。東電は当初、トリチウム以外の放射能は除去済みと説明していましたが、タンクに貯蔵されている処理水の8割はストロンチウムやヨウ素などが含まれ「トリチウムを含む処理水」と呼べるものは2割しかありませんでした。

 この8割の処理水はALPSで再度除去し、その後、海洋放出することになりますが、東電の2017年度のデータによると、処理水に含まれるトリチウム濃度は1㍑当たり159万3000ベクレルです。これに対し、排水時のトリチウム濃度限度は1㍑当たり6万ベクレルと定められています。つまり、トリチウムを含む処理水を海洋放出するには27分の1に希釈しなければならないのです。

 一方、トリチウムの半減期は12・3年で、半減期の10倍を過ぎれば放射線量は1000分の1に低減します。ですから、トリチウムを含む処理水をタンクに123年貯蔵すれば濃度は1㍑当たり1593ベクレルまで下がり、排水時の濃度限度(前述した1㍑当たり6万ベクレル)を大幅に下回るので海洋放出が可能になります。もっとも、123年貯蔵することが現実的とは思いませんが……。

 ――トリチウムは絶対に除去できないのでしょうか。

 小出 物理学的に言うと、水素、重水素、三重水素を分けることは可能です。同位体濃縮という特殊な技術を使うのですが、ただ、それには物凄いエネルギー量が必要です。たとえるなら、国内の全原発でつくった電力を全部投入しても足りない。何十年分、何百年分投入しても足りないレベルです。だから、事実上除去できないと言っているのです。

 そもそもトリチウムを含む処理水の処分方法をめぐり、政府小委員会や原子力規制員会、東電が「タンクに貯蔵し続ける」と言及したことは一度もありません。言うまでもなく福島第一原発のトリチウムは燃料デブリから発生しています。その量は1~3号機合わせて計200㌧あります。もし原発事故が起きていなかったら、原子力推進派の構想では使用済み燃料を青森県六ヶ所村の再処理工場に持ち込み、化学処理を施した後、プルトニウムを取り出し、残った核分裂生成物はガラス固化して地中に埋設し、除去でないトリチウムは海洋放出する方針でした。六ヶ所村の再処理工場では年間800㌧の使用済み燃料を処理する計画ですが、もし福島第一原発のトリチウムを含む処理水をタンクに貯蔵し続けることを容認したら、六ヶ所村での海洋放出もできなくなるばかりか、福島の比にならない数のタンクを用意しなければならず、再処理工場の稼働自体がままならなくなる。だから、政府小委員会、原子力規制員会、東電は口が裂けても「タンクに貯蔵し続ける」とは言えないのです。

 ――小出先生の話を聞く限りは海洋放出しかなさそうですね……。

 小出 漁業者をはじめ、多くの方が反対していることは承知しています。私はトリチウムを含め、あらゆる放射性物質を海洋放出することに反対です。しかし、日本という国が原子力を推進しようとする限り、トリチウムは海洋放出する以外の方策は取れないのです。であるからこそ、私は原子力を使うこと自体に反対してきました。

 ただ先ほども言ったように、トリチウムの濃度を1㍑当たり6万ベクレル以下に希釈しなければ海洋放出はできないし、汚染水は毎日増え続けている現状を踏まえると、すべての放出を終えるまでには何十年もかかるでしょうね。


「IAEA福島第一原子力発電事故・事務局長報告書 巻頭言及び要約」(日本語版)
https://www-pub.iaea.org/MTCD/Publications/PDF/SupplementaryMaterials/P1710/Languages/Japanese.pdf
《p96〜97》🔻
4.1. 環境中の放射能
事故は、環境への放射性核種の放出をもたらした。放出の評価が、多くの機関によって様々 なモデルを使用して実施された。大気への放出のほとんどは、卓越風の風向に従って東の方向 に飛ばされ、北太平洋に􏰂着し、拡散した。放射性物質の量と組成の推定における不確かさは、 大気への放出の海への􏰂着に関するモニタリングデータの不足などの理由により、解決が困難 であった。
風向の変化は、大気への放出の比較的小さな部分が陸上、多くは福島第一原子力発電所から 北西方向に􏰂着したことを意味した。陸上環境に􏰂着した放射性核種の存在と放射能濃度がモ ニターされ、特性が明らかにされた。放射性核種の放射能測定値は、物理的崩壊、環境輸送プ ロセス及び除染活動のため、時間を追って減少する。
大気からの􏰂着により海に入る放射性核種に加えて、福島第一原子力発電所からサイトの場 所の海への直接の液体の流出と放出があった。海洋での放射性核種の正確な動向は測定のみで は評価が困難であるが、海洋拡散を推定するために多くの海洋輸送モデルが使用された。
ヨウ素 131、セシウム 134 及びセシウム 137 などの放射核種が放出され、飲料水、食品及び幾 つかの非食用品目で検出された。これらの製品の消費を防ぐための制限が、事故への対応とし て日本の当局によって定められた。
4.1.1. 放出
福島第一原子力発電所の事故による放射性核種の放出に関する多くの評価が、確立された数 学モデルや手法及び関連するコンピュータコードを使用して実施された(参考文献[170-177]を 参照)。
事故の早期段階で、半減期がそれぞれ 10.76 年と 5.25 日の希ガス 85Kr と 133Xe が、大気放出物の プルームからの外部被ばくに寄与した。半減期が 8.02 日の短寿命の 131I が、経口摂取あるいは吸入 された場合には甲状腺への等価線量に寄与した。半減期がそれぞれ 2.06 年と 30.17 年のより長寿命 の 134Cs と 137Cs は、外部被ばくと内部被ばくを通じて、等価線量と実効線量の双方に寄与した。 131I は比較的􏰁く崩壊するが、甲状腺に比較的高い等価線量を与える可能性がある。幾つかの地域 では、137Cs は環境中に存在し続ける可能性があり、環境修復が行われなければ、個人に対する実 効線量の要因になり続ける可能性がある。
ストロンチウム、ルテニウム及び幾つかのアクチニド(例えばプルトニウム)の放射性核種 も、様々な量で放出された。セクション 2.1 で示されたように、中性子が 3 月 13 日の 05 時 30 分から 10 時 50 分までの間に発電所の正門付近(1~3 号機から約 1 km 離れている)で検出さ れた。中性子は、炉心損傷の結果として放出された可能性がある放射性核種の自然核分裂に由 来したものと推定される。そのような現象は予測できたことであり、比較的低レベルでのこれ らの放射性核種の存在が報告されている。
大気への放出
希ガスは、福島第一原子力発電所からの初期放出の重要な部分であった。約 6000~12 000 PBq の 133Xe が放出されたと推定されている(初期推定が評価に含まれる場合は 500~15 000 PBq)。 放出された 131I の平均全放射能は約 100~400 PBq であり、137Cs については約 7~20 PBq であった (初期推定が含まれる場合は各々90~700 PBq 及び 7~50 PBq)。事故による放出量は、1986 年の チェルノブイリ原子力発電所事故による放出量の約 10 分の 1 と推定されている[169, 178, 179]。放 出量の大半は、北太平洋に拡散した。その結果、放出された物質の量と同位体組成(ソースター ム)は、放射性核種􏰂着物の環境測定値によって再確認することができなかった[177]。
海洋への放出
大気に放出され北太平洋へ拡散したほとんどの放射性物質は海洋表層に降下した。福島第一原 子力発電所のトレンチからの高濃度放射能汚染水を主な源とする、サイトにおける海への直接 の放出と流出もあった。放射性物質放出のピークは、2011 年 4 月初旬に観察された。131I の海へ の直接放出・流出量は、10~20 PBq と推定された。137Cs の直接放出・流出量はほとんどの分析によって 1~6 PBq の範囲であると推定されたが、幾つかの評価は 2.3~26.9 PBq の推定を報告し た[175]。


●海洋の放射性物質の動態と計測
〔「ぶんせき」編集委員会〕 廣瀬勝己

ぶんせき (日本分析化学会) 2011.8
http://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2011/201108eq05.pdf
海洋の放射能モニタリングの基本は,高濃度 汚染レベルを把握すればよいということばかりでなく, 測定可能なすべての濃度レベルを把握することが極めて 重要であると認識されている。値が得られなければ海洋 の放射性物質の広がりの実態を把握することはできな い。特に,海は刻々と変動し,それに伴い海水中の放射 性物質濃度も変動する。測定に時間はかかっても,精度 が高い値を提供することが海洋の放射能モニタリングの 本来の目的である。〜略〜
ここでは,福島第一 原子力発電所事故を受けての緊急時モニタリングの視点 もあり,主に 137Cs, 90Sr, Pu を選び,標準的な放射性核 種分析法を中心に紹介する。〜略〜
7 福島原発による海洋汚染
福島第一原子力発電所から放出された放射性物質は降 水等により海洋表面に降下したことに加え,原子炉内の 破損燃料に冷却水が接して生成した高濃度の放射性物質 を含む汚染水が海洋に漏洩した。東京電力によると,4 月初旬に漏洩した汚染水に含まれる 131I と 137Cs の総量 はそれぞれ 2.7 PBq と 0.9 PBq と推定されている6)。
3 月 21 日に東京電力は事故後初めて海水中の放射性核種の濃度を測定した。その結果,発電所の放出口近く の海水で高濃度の 131I(5 kBq/L), 134Cs(1.5 kBq/L) および 137Cs(1.5 kBq/L)等を観測した6)。この濃度は 過去に海洋で観測されたいずれの濃度よりも高い。ただ し,福島原発付近で降水があった直後のあまり混合して いない沿岸海水を採取した場合,あり得る値である。こ の海洋汚染の調査結果を受け,文部科学省は 3 月 24 日 に福島沖約 30 km の海域で南北約 60 km の間の 8 測点 で海洋放射能調査を実施した。その結果,すべての観測 点で高濃度の 131I(24.9~76.8 Bq/L)と 137Cs(24.9~ 76.8 Bq/L)が測定された16)。131I/137Cs は 1.5 から 4.3 で東京電力が当初沿岸海水で観測した比(3.3)と大き な差はない。福島沖全体で観測されたことから,これら は福島第一原発から大気中に放出された放射性物質の フォールアウトに由来するものと推定される。その後も 福島沖の海洋放射能のモニタリングは続けられている が,海域全体に高濃度の放射性物質が観測されることは なくなった。しかし,福島第一原発の放出口近くの海水 では常に高濃度の放射性物質が観測されていることに加 え(6 月 1 日時点で 131I は検出下限値以下であり,137Cs の濃度範囲は 24~62 Bq/L),沖合の観測点の幾つかで も高い放射能濃度を観測している。さらに,観測期間中 の最大濃度は 4 月 15 日の採取海水から測定された16)。 この 137Cs 濃度レベルはアイリッシュ海で 1974 年に観 測された最大の濃度と同程度である。このような局地的 に高濃度で観測される放射性核種は,大気中からの フォールアウトに由来するものではなく,福島第一原発 から海洋に漏洩した汚染水に由来するものと考えられる。
8 おわりに
福島第一原子力発電所事故の結果海洋に放出された放 射性物質とその影響については世界が注視している問題 である。如何なる種類の放射性核種が,如何なる量,如 何なる過程で海洋に放出され,それが如何なる広がりを 示しているかを明らかにすることが求められている。そ れに答える効率的で総合的な観測と精密な放射能分析が 行われることが重要である。