パリでデモ暴徒化!マクロン辞めろ (18/12/04)
仏マクロン政権 窮地
経済改革に不満、デモ収まらず 非常事態宣言を検討
2018/12/3付日本経済新聞 夕刊
保存 共有 印刷 その他
【パリ=白石透冴】
フランスのマクロン大統領が、
2017年の就任以来最大の危機を迎えている。
マクロン氏に反発する1日の仏各地のデモで、
南仏で1人が死亡、パリで130人以上が重軽傷を負った。
デモは3週末連続で、収束の気配はみえない。
企業の投資判断などにも影を落とすおそれがあり、
仏政府は非常事態宣言を約1年ぶりに発令する検討を始めた。
仏メディアによると、
南仏アルルでデモに関連した交通事故が起き、
男性1人が死亡した。
この運動が起こって以来の死者は計3人になった。
1日のパリでは
治安部隊23人を含む少なくとも133人が重軽傷を負った。
デモ隊が自動車に火を放ったり石を投げたりしたため、
治安部隊は催涙弾を撃って鎮圧にあたり、
412人を拘束した。
マクロン氏は20カ国・地域(G20)首脳会議出席のため
訪れていたブエノスアイレスで1日、
「意見の違いは尊重するが、
暴力は絶対に認めない」と強く非難した。
運動は蛍光の黄色いベストを着ることから
「黄色いベスト」と呼ばれる。
11月に入ってネット上で盛り上がり、
実施は3週末連続。
すでにネット上では4回目を
「8日朝からシャンゼリゼ通り」などで
強行するとの呼びかけが始まった。
当初は燃料価格の高騰や19年1月に予定されている
燃料税引き上げに反対するデモだった。
ただ、今はそれだけでなく、
社会保障増税やたばこ値上げなど
マクロン改革全体に不満を持つ人が集まっている。
マクロン氏は就任して1年半あまり、
財政再建と企業活動の活性化を2本柱として改革を進めてきた。
先進国の中でも特に多い公務員を12万人減らし、
財政赤字の削減をめざしている。
法人税を33.3%から段階的に25%にし、
解雇時に企業が支払う罰金に上限を設けて雇用・解雇を促した。
しかし、
労働者層は富裕層が優先的に恩恵を受けると受け止めている。
ドイツなどと比べて高い失業率は
マクロン氏就任以来9%台で変わらず、
若年層も失望感を抱いている。
マクロン氏へのこうした不満がデモの呼びかけに共鳴した格好だ。
マクロン氏は11月下旬に緊急の記者会見を開き、
デモ参加者に政策への理解を求めたばかりだった。
仏政府はデモを抑えるため、
人の往来や集会などを制限できる
非常事態宣言を発令する検討を始めた。
カスタネール内相は1日、仏メディアに「タブーはない。
全ての措置を検討する」と明言した。
発令すればパリ同時テロが起きた15年から17年に続き、
1年ぶりになる。
ただ企業の投資が減ったり観光客が減ったりする副作用もあり、
発令の是非は慎重に判断する。
フィリップ首相は近く、運動の代表者と面会する予定で、
対話を呼びかける考えだ。