麗らかなお天気がつづくゴールデンウィーク。
4月29日、昭和天皇の誕生日は、明仁天皇が即位して、
国民の休日をそのまま残す都合上、「みどりの日」になったが、
祝日法の改正により、5月4日が「みどりの日」移行し、
4月29日は「昭和の日」になった。
5月3日は憲法記念日で、国民はつづけて金色の休日をとれるようになった。
しかし、今更 昭和天皇の誕生日を
お祝いする気持ちで休日を過ごす国民がいるだろうか❓
国の祝日は、ほとんどが「天皇制 由来」…by鵜飼哲教授
さて、鵜飼教授の話を聞いて、
改めて、あの柔和な表情で国民に生前退位の意思を伝えられた
2016年8月8日の明仁天皇のメッセージが、
すなわち、憲法4条違反の〈天皇自らの発議〉であり、
これによって、実質的な審議なく全会一致で、
皇室典範が改正されたことになる〜
という事実に驚いた。
天皇メッセージは、
オリンピックという一大セレモニーで開会宣言をすることによる
新天皇のお披露目会を滞りなく行うために
憲法違反をしてまで行われた〈国政への介入〉だったというのは、
明仁天皇を護憲派天皇として認識して
好意的に見ていた国民の一人としては、
衝撃的な事実だ。
東京オリンピックは、
賄賂を支払って買った不正な招致であったし、
アンダーコントロールされているというような安倍の言葉によって、
福島原発事故が収束したように見せかける欺瞞的なもので、
中止されねばおかしいものだが、
私たちは、この暴走を止めることができるのか?
民主主義と天皇制~代替わりにあたり改めて問う~
2017・12・23 鵜飼哲 一橋大学教授v講演。不戦へのネットワーク主催。
「2019年4月末に天皇が退位し、新天皇が即位して
翌年には東京オリンピックがあって、その開会宣言は新天皇が行う。
そういう日程ができている。
これは明らかに新しい天皇が象徴する新生日本国の国際舞台での
お披露目興行みたいなものにオリンピックがなることは、
もうすでにレールが敷かれている。」
「オリンピックに反対するということは、
この構造と闘うという事を意味する。
オリンピック反対の立場で活動している者は少ないが、
彼らは、例えば、安倍政権と天皇家の間では
相当大きな齟齬があるのではないかと、
そこに希望を見出そうとする人達とは
真逆の見方をしていることになる。」
「2019年新天皇即位は、明治維新150周年とも重なっている。
そして、安倍晋三総理は自分自身の政治スキャンダルを
糊塗しようとしている。
フランス語では〈前に逃げる〉という言い方があるが
一生懸命、前方に突破しようとしている。
とにかくオリンピックまでにとにかく改憲したいということで、
3項を加えた改憲案が出てきた(5/3)。
オリンピックが召致されたことによって色々なことが
前倒しになってきているわけである。」
「オリンピックは、ロンドンでもリオでも
地対空ミサイルを配備する。
つまり〈オリンピックというのは非常事態を招致する事〉なのである。」
「オリンピックを梃子にしてその前に改憲しよう
という話になってしまっている。
この前倒しのプロセスというのは一体何なのか?ということ。」
「オリンピック開催中に死んでは不味いからということ。
前の天皇が死んだ時には歌舞音曲禁止だったわけだから。
それと同時に、オリンピックでは次世代の天皇に開会宣言をさせ、
スムーズに移行していきたいと。
オリンピックがなければ、このタイミングで退位ということは
なかったのかもしれない。
オリンピック招致は、日本社会に大きな影響を与えている。」
「私がオリンピックが許せないと考えている第1の理由は、
福島原発事故を隠蔽するために決定されたということ。」
「ブエノスアイレスでの9月13日のIOCの総会で、
安倍晋三氏の〈福島の状況は完全にコントロールされている〉
いわゆるアンダーコントロール宣言である。
ここまで安倍晋三氏は呼吸するように嘘をついてきたので、
みんなこの嘘の巨大さに鈍感になっているんじゃないかと思う。」
「これほど凄まじい 外から見れば、
福島の原発事故はまだ何もどうなっているかも
解っていないのに、アンダーコントロールなどあるはずがない。
実はアンダーコントロールにあるのは日本の民衆であって、
福島の状況ではない。
このことから発して、オリンピックは招致された。
ということは、何をどうしても容認できるものではない。」
「いわきの初期被曝を追求するママの会のお母さんたちが、
〈あなたたちの喜びは、私たちの悲しみです〉と
本当に臓腑をえぐるような弾劾声明を発せられた。
今でも、このオリンピックの本質を
ど真ん中射抜いている言葉だと思う。
ところが、あろうことか、聖火を被災地を通すと言っていて、
開通したばかりの国道6号線を聖火ランナー走る。
まだ車の窓を締めて走らねばいけない場所があるようなところを
聖火ランナーが防護服を着て走るのだろうか?」
「要するに復興などしていないし、
原発事故は収束していないけれども、
収束した復興したというイメージだけを
売り出そうとしているわけだ。オリンピックでは。」
「本来は被災地に向かうべき、資金、資材、労働力が、
東京の再開発にオリンピックのために来ている。
新しい国立競技場には東北からもクレーンを全部もってきた
と言われる。しかも人手不足で、
東京オリンピック関連事業の学生のアルバイトの1日の単価は
2万円を超えている。」
「23歳の現場監督が月200時間以上の残業を強いられて自殺をした。
その遺書は怒りの遺書ではなく、周りの人に詫びながら。
私の世代の者には、円谷幸吉の遺書を思い出させるものがある。
結局、日本はこの五六十年何が変わったのか?という状況が、
オリンピックを巡って展開している。」
「この矛盾をオリンピックという場で調整しようというのが
安倍政権と皇室の関係である。
(安倍政権と皇室の関係は)オリンピックというものを入れないと
解らなくなる。
一つ間違うと、今の天皇は平和主義者で、
好戦的な安倍とは、全く意見が合っていないんだと
過大に評価するようになる。
政治課題としてはオリンピックはど真ん中にあるのである。」
「生前退位を求めるビデオメッセージを2016年8月8日に発した。
それを受けて、2017年6月9日に
〈天皇の退位等に関する皇室典範特例法〉ができた。
最初に、〈天皇は国民の敬愛の対象である〉と書いてある。
こんなものが法律か?というような始まり方。
それだけで私なんかはこの法律には拘束されない
と思ってしまうわけである。
はっきり言って異様な事態である。
憲法の4条1項に違反である。」
「憲法4条1項を破って、
この政治過程は強行された。
このこと一つで今の天皇は、
護憲主義者だということは成り立たない。」
「実質的な審議なしに全会一致で成立したこの法律(皇室典範特例法)は、
その冒頭 第1の趣旨で、
天皇に対する国民の深い敬愛を表明されるという
極めて異様な文書である。
それは、憲法4条で国政関与が明確に否定されている天皇の
言論行為から発せられた法律である。」
「日本国憲法の成立過程では、
天皇の発議権に固執する昭和天皇の抵抗を廃して、
皇室典範を法律一般の一部とすることが定められた。」
「旧憲法下では、皇室典範は普通の法律とは違うステイタスをもっており、
昭和天皇はその皇室典範の地位を保持するために
必死で抵抗したけれども、彼の抵抗を破って
憲法では、皇室典範典範は国会が定めるものであるということになった。
国会が定める国政への関与は、天皇はできないことになった。
これは、当時の生々しい天皇自身とGHQとの交渉である。
ところが、これを今回、明仁天皇に突破されてしまったのである。」
「明仁 現天皇は、事実上、自らの発議で
皇室典範の改正に成功したのであり、
退位を求めることにより、天皇の復権を果たしたのである。」
「非常に特異な歴史の局面に、我々は立ち会っている。
という事を認識しておくべきであろうと思う。」
「このことに始まった一連の経緯をどう見るか?
見方は二つある。
一つは皇室と官邸の関係の中だけを見る考え方。
2013年4月28日の主権回復を記念する式典から
天皇夫妻は安倍政権に対する不信感を深め、
生前退位のメッセージに至った。という見方。
天皇陛下万歳が叫ばれた時に明らかに天皇夫妻は動揺していた。
天皇に近い関係者によると、
〜天皇陛下万歳を唱えた人達は天皇をお飾りとしか考えていない。
有識者会議手では、安倍に近い考えを持つ八木秀次や櫻井よしこのような
右派の論客が、〈公式行事はやめて朽ち果てるまで皇居で祈っているのが
天皇の役割だ〉といった。彼らは馬脚を現した。〜
と述べたという。(東京新聞)
明治以降の保守の政治家と天皇家の関係は、
山縣有朋以来、天皇制を政治家が日本の民衆統治のために使うものであって、
彼らには、別に尊崇の情というものなどはないのである。
しかし、今の天皇明仁は〈これまでのようには使われたくない〉と
はっきりとした意思をもって言っているのである。
ところが、日本の保守政治家集団と皇室の関係は、
ある一定の調和的な関係で機能することによって
民衆統治を行なってきたのである。
そこに大変な混乱が生じているわけだが、これは、
この二つのグループと民衆との関係自体が変わる可能性を秘めている、
ということである。」
「堀内哲氏・著『生前退位‐天皇制廃止‐共和制日本へ』などは、
共和制についての新鮮な議論をしている。
現象的には生前退位に関して90%の多くの人が好意的に捉えており、
〈お労しい〉〈辞めさせてあげればいいのに〉と
死ぬまで祈っていればいいという右翼は不信感を買い、
世論調査では天皇制を支持する人が90%を超え、
表面的には、今ほど天皇制が日本国民の総意に近づいたことはない
かもしれない。
しかし、本当にそうだろうか?
私個人の考えでは、要するに、
今の天皇は、天皇が日本国民の統合の象徴だということは、
いつまでも続くとは思っていない。
統合の象徴であるということは、いつも公共空間に現れて
演じ続けなければいけないということで、
それが演じられなくなれば、
それはもう天皇ではいられないのだという
考え方があり、そのような象徴天皇のあり方は
今の天皇夫妻が作ってきたという自負があるのだと思う。
逆を言えば、天皇側も薄氷を踏むような状況であるのだと思われる。
国民の90%の側は、こんなものを問題にしていると
護憲運動が分裂してしまうという発想に陥っている。」
「つまり、表面上は天皇制がかつてないほど
国民に支持されているように見えるが、
天皇の方は薄氷を踏んでいる。
つまり、天皇制が揺らいでいるのではないか?ということである。
この微妙な状況を堀内氏は、
〜そもそも君主の威厳(マジェスティ)は、
民衆に自由な君主論をさせないところに由来している。
ところが期せずして有識者会議のメンバーは、
浦島太郎の玉手箱を70年ぶりに開けてしまった。
彼らは公論の場で天皇制が纏っていた神秘主義のベールを剥ぎ取り、
政治制度としての天皇制について明仁個人の評価と切り離して
各々が分析し始めた。
本来は天皇制の擁護者たる役割を課せられた彼らの間で見解が割れ、
最終的に主権者たる国民の意思で決定されるべきだ
との声が出始めた。〜
だから、政権や皇室の思惑を超えた百家争鳴の時代が
始まりつつあるかもしれない。」
「堀口氏は、共和制の憲法試案も
どんどん出して行こうと提案している。
日本で共和制になると、橋下徹のような独裁者的な人間が
大統領になると困るから天皇制はあった方がいいという人もいるが、
そこで止めておかないで、危険があるなら危険を防止できるような
憲法を構想してみようじゃないか、という定義をされている。
これは新しい動きだと思う。」
「何れにしても、新しい天皇が即位するとして、
その次の、〈立太子はどうするのかという問題〉がある。
女性天皇の問題が出てくる。
いずれにしても、天皇側も天皇制があと100年続くか続かないか、
という風に思っているだろう。
彼らはこれからもずっと続かなければいけないという前提だから、
そのために今何をするかを考えねばならないのは、
結構大変な計算を強いられる。
天皇制を反対する側は、
もっと流動的にして制度的基盤がより脆くなるよう
どう介入できるかという問題が久しぶりに出てきている。」
「天皇制を支持すると調査に答えた90%という数字と
このような見方との間では、相当の開きがある。
これが今のこの現状の特徴ではないかと思う。」
「9条を擁護する人たちが、1条も擁護する。
今まで語られなかったところを生前退位のメッセージ以降、
〈今の天皇はいい人だ〉〈平和主義者だ〉とか
〈皇后は素晴らしい〉とか色んなことが言われて、
私は一言で言って、たぶらかされているんだと思う。
1条と9条はワンセットで、
9条を守ろうとすると、1条から8条まで、
少なくとも1条は守らなければならない。
堀口氏は、9条を初めにもってくることを提案している。
私は、10条が重要だと思う。」
「今の天皇は、今の右派が考えているような元首にはなりたくない。
自分たちが思うような元首になりたいのだということだと思う。
元首化への複数のコースの争いというのが、
今の状況なのではないか。
いずれにせよ、天皇が元首化されれば実質的な国名変更である。
帝国とは言えないとしたら?王国というのも難しい。
最後残るのは皇国しかない。
日本皇国…あながちないとも言えないような状況である。」
「中曽根の時代から、
戦争のできる国造リのために天皇制は
アップグレードしなければならない。
その方法が今の天皇が考えている方法とは
距離があるということなんだろうと思う。
《今の憲法の天皇条項は、〈前の天皇の戦争犯罪免罪工作〉と、
(アメリカの戦後戦略〉の妥協点》である。」
「日本の保守政治が右に傾くにつれて、
前の天皇とのコントラストで、
今の天皇に平和主義者だというイメージが、
薄く広く広がったというのが現実であろうと思う。
今の天皇が死ねば、民間の皇后が皇室の最高位の存在となる。
皇室は、色々な意味で初めてのことばかりで、
まさに薄氷を踏むごとくなのである。
次の代の天皇の決まったイメージもまだできていない。」
「9条と1条は深い関係にある。
日本は、主権者(天皇)を救うために
主権の一部(軍隊を持つ)を放棄するという希な事をやった。
軍隊をもつという、核心といってもいいような主権の一部よりも
裕仁の命の方が大事であるとして選んだ。
そういう選択を日本は迫られて天皇を選んだ。
これが、《9条の起源》である。」
「私が、天皇制になぜ反対するか?
天皇制は、一種の国家のイデオロギー装置である。
①思考停止装置
天皇ってなに?と子供が問うた時になんと答えるか?
どうしてあの人達は特別なの?どうしてあのお城に住んでいるの?
戦争に勝ったという事で無断で江戸城に150年居座り続けているだけ。
元々、あの城は彼ら家族のものではない。
どうして年間60億円、予算総額110億円、そんなお金を
あの一族のために使わなければいけないのか?
こういう事を問えないということは子供の教育にとても悪い。
この国には問うてはならないことがある。
これが政治文化を低下させる。
②排外装置
1条と10条の関係。どちらも日本国民の定義になっている。
1条は天皇の定義であると同時に、日本国民を定義している。
天皇を国の象徴とすることがその総意に基づくとされる国民が
日本国民なのである。
そういう定義に属さない人は、どうなるのか。
天皇は差別の象徴になる。
ところが、どこまでが日本人かということは
自然には決まっておらず、
日本は基本的に棄民政策でやってきた国なので、
日本人には、自分も切り捨てられるのではないかという
内面的な棄民への恐怖は深くもっている。
市民権というものが内面で確立さえていないからである。
この列島社会で欠けることのない権利を持つには、
内側に入らなければならないという心性が作り出される。
色々な形で差別された人がなんとか内側に入りたいということで、
殊更に天皇制に配意してくるということは15年戦争の中でも
起こったことである。
差別によって、幻想的な内部というものが作りあげられる。
日本の差別の問題は、天皇制と無関係ではあるはずがないのである。
③忘却装置
日本は災害の多い国だが、天皇は万世一系と言われる。
今度の東京オリンピックは復興五輪と言われている。
日本は常に災害があるので、いつも復興過程である。
復興にいつも成功してきた証拠に天皇がいる。
左派勢力がまだ少し強かった時代の70年代の初めに
昭和天皇が死んでいたら、少し変わっていたかもしれない。
日中国交回復があり、戦争の記憶の解放が始まっていたら、
もう少し変わっただろう。
裕仁の君主としての括弧付き偉大さは、
冷戦の間生き延びたということである。
そのことによって、第二次大戦の侵略の記憶に蓋をしたのだ。
良いことも悪いこともより透明な社会にするためには、
天皇制をなくすことが条件だと思う。」
「憲法10条〜日本国民たる要件は、法律でこれを定める。
日本国民であることの条件は殊更に空白にしている。
46年5月2日、憲法が施行される前の日に、
旧植民地出身者を当分の間、外国人とみなす、とした。
朝鮮人、中国人が新憲法のもと人権保護から排除した。
そして52年4月28日、日本国独立と同時に、
非植民地出身者の日本国籍を剥奪した。
何十万の人が法務省の通達一つで国籍を剥奪されたのだ。
これが、在日特権という右派の考え方の元である。
在特会の考えは政府の意思だということになる。
天皇は、日本国の象徴で、日本国民の統合の象徴であるという
憲法1条で規定されることから弾かれる人は、
日本国民の要件を満たさないことになっている。
一言で言うなら〈他者への寛大なき平和主義〉である。」
「外交政策、入管政策は、平和にとって核心である。
外国人を無条件に受け入れることが平和の大前提であるが、
外国人の権利はゼロという憲法体系があり、
それを正当化するのは1条なのである。」
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憲法第四条
一項) 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、
国政に関する権能を有しない。
二項) 天皇は、法律の定めるところにより、
その国事に関する行為を委任することができる。
憲法4条2項に違反する
とってもおかしい天皇の退位等に関する皇室典範特例法
(成立:平成29年6月9日、公布:平成29年6月16日)の概要
この法律は、
① 天皇陛下が、昭和64年1月7日の御即位以来28年を超える長期にわたり、国事行為のほか、全国各地への御訪問、被災地のお見舞いをはじめとする象徴としての公的な御活動に精励してこられた中、83歳と御高齢になられ、今後これらの御活動を天皇として自ら続けられることが困難となることを深く案じておられること
② これに対し、国民は、御高齢に至るまでこれらの御活動に精励されている天皇陛下を深く敬愛し、この天皇陛下のお気持ちを理解し、これに共感していること
③ さらに、皇嗣である皇太子殿下は、57歳となられ、これまで国事行為の臨時代行等の御公務に長期にわたり精勤されておられること
という現下の状況に鑑み、皇室典範第4条の特例として、天皇陛下の退位及び皇嗣の即位を実現するとともに、天皇陛下の退位後の地位その他の退位に伴い必要となる事項を定めるものとする(第1条)
1.天皇の退位及び皇嗣の即位
天皇は、この法律の施行の日限り、退位し、皇嗣が、直ちに即位するものとする(第2条)
2.上皇及び上皇后
(1)上皇(第3条)
① 退位した天皇は、上皇とするものとする(第1項)
② 上皇の敬称は陛下とするとともに、上皇の身分に関する事項の登録、喪儀及び陵墓については、天皇の例によるものとする(第2項・第3項)
③ 上皇に関しては、②の事項のほか、皇位継承資格及び皇室会議の議員資格に関する事項を除き、皇室典範に定める事項については、皇族の例によるものとする(第4項)
(2)上皇后(第4条)
① 上皇の后は、上皇后とするものとする(第1項)
② 上皇后に関しては、皇室典範に定める事項については、皇太后の例によるものとする(第2項)
(3)他法令の適用・事務をつかさどる組織(附則第4条・附則第5条・附則第11条)
上皇及び上皇后の日常の費用等には内廷費を充てること等(附則第4条・附則第5条)とし、上皇に関する事務を遂行するため、宮内庁に、上皇職並びに上皇侍従長及び上皇侍従次長(特別職)を置くものとする(附則第11条)
3.皇位継承後の皇嗣
① この法律による皇位の継承に伴い皇嗣となった皇族に関しては、皇室典範に定める事項については、皇太子の例によるものとする(第5条)
② ①の皇嗣となった皇族の皇族費は定額の3倍に増額すること等(附則第6条)とし、①の皇嗣となった皇族に関する事務を遂行するため、宮内庁に、皇嗣職及び皇嗣職大夫(特別職)を置くものとする(附則第11条)
4.皇室典範の一部改正
皇室典範附則に「この法律の特例として天皇の退位について定める天皇の退位等に関する皇室典範特例法は、この法律と一体を成すものである」との規定を新設するものとする(附則第3条)
5.その他
(1)贈与税の非課税等(附則第7条)
この法律による皇位の継承があった場合において皇室経済法第7条の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物については、贈与税を課さないものとする
(2)意見公募手続等の適用除外(附則第8条)
この法律による皇位の継承に伴い元号を改める政令等を定める行為については、行政手続法第6章の規定は、適用しないものとする
(3)国民の祝日に関する法律の一部改正(附則第10条)
国民の祝日である天皇誕生日を「12月23日」から「2月23日」に改めるものとする
6.施行期日・失効規定
① この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとする。当該政令を定めるに当たっては、内閣総理大臣は、あらかじめ、皇室会議の意見を聴かなければならないものとする(附則第1条)
② この法律は、この法律の施行の日以前に皇室典範第4条の規定による皇位の継承があったときは、その効力を失うものとする(附則第2条)