BUT THE heart SAID NO(和訳)~詩集・Dancing the Dreamより | ☆Dancing the Dream ☆

☆Dancing the Dream ☆

Let us celebrate
The Joy of life ♡
with ☆Michael Jackson☆

 
Dancing the Dream
June 18, 1992   
Pages 148

今夜は、今から23年前、
マイケルジャクソンが出版した詩集「Dancing the Dream」から、
BUT THE heart SAID NO と題されたエッセイを訳してみます。

私たち平和ボケと言われた日本の国民が、
3.11の原発事故に衝撃を受け、
事の重大さに気づいて政治に目を向け、
先の安保闘争以来、初めて、政治権力に断固抵抗し、
大きな市民運動を生み出しています。
大規模な戦争法案(安保法)反対のデモが行われ、
軍事化、独裁、安倍的なものに「NO!」の声があげられている現在、
これを読むと、そこに書かれた内容が、今も少しも古びていないこと、
それどころか、ますます臨場感をもって迫ってくることに、愕然とします。
つまり、世界は少しも平和になってなどいないし、
私たち日本人も、間接的に戦争に加担してきたことを
自覚せずにはいられません。

この詩集が出版された当時の世界に目を向けると、
ソ連が崩壊し、東欧諸国の脱共産化、
冷戦終結後は、アメリカが名実共に唯一の超大国となり、
アメリカの一極支配の時代が始まった不吉な情勢でした。
90年代に入ると、
イラクのクウェート侵攻をきっかけに、
アメリカ主導の多国籍軍が派遣され、空爆を開始。
1991年、湾岸戦争が開始されたのです。
この連合軍には、欧州だけでなく、
サウジをはじめ、エジプト、シリアなどイスラム諸国が参加し、
イスラム同士が対立する複雑な構造を生み出し、
イスラム世界が混迷の度を深めていきました。

さて、このエッセイの中で、
まず、注目しなければならないのは、繰り返されるこのフレーズでしょう。
The head said yes, but the heart said no.
はイエスと言った。しかし、はノーと言った。


$☆Dancing the Dream ☆

"The heart and the mind ... what an enigma."    Charlie Chaplin   
"心と頭・・・ なんという謎だろう!"


これは、マイケルが最も敬愛していたチャップリンの
名作「ライムライト」
のラストシーンで、
チャップリン演じる主人公・カルヴェロが、口にする最後のセリフです。

「mind」と「heart」とは、どちらも「心」と訳されますが、
似て非なる意味を持ちます。
「mind=精神/頭(脳)」
「heart= 心/心臓」
つまり、知性、あるいは論理を支配するのはが「mind 頭」 、
情緒、あるいは、直感を支配するのが「heart 心」と
いうことになりますね。

マイケルは、これを、
音読したときの調子を考慮して韻を踏み
head」と「heart」に言い換えたのだろうと思われます。

もう一つ、
この文章の中で、着目するのが、
"They 支配層の大人たちの眼差し"と
"children 子供たちの眼差し"の違いです。
ここに、鮮やかなコントラストがあります。

同じ「見る」でも、
「They(支配層の大人たち)」は、see
「children(子供たち)」は、look 
しているのです。

See(状態動詞):自然に目に入ってくる。
Look(動作動詞):主体的に見る。意志をもって見る。
この違いです。

つまり、
「They(支配層の大人たち)」は、
see ただ目に見えるものを見て、head 頭で判断し、
心の声を聞かない。

「children(子供たち)」は、
look 目に見えるものの奥を見抜いて、heart 心で感じ取る。

ということなのでしょう。

安倍総理は、未だに「国民の理解」が進んでいないと嘯いていますが、
国民は、心の目で真実を見抜き、安倍政治の不正を理解しているのです。

2016年夏の参院選挙の公約に「憲法改正」を掲げています。
あのまがまがしい自民党の「憲法改正草案」をご存知でしょう。

日本国憲法の前文は、こう始まります。
「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し・・・」

大事なのは選挙で自民党に勝利することですね。
今まで政治に無関心、あるいは、あきらめて
選挙に行かなかったスリーパー達、50%の人々が、目覚め、
心の目で見抜くでしょう。

私たちは、戦争の狂気、惨さを知る人々、
各都市の大空襲、原爆の恐ろしさを知る人々、
平和を切望し不戦の誓いをたてた人々の子供たちなのですから。


BUT THE heart SAID NO



They saw the poor living in cardboard shacks, so they knocked the shacks down and built projects. Huge blocks of cement and glass towered over asphalt parking lots. Somehow it wasn't much like home, even home in a shack. "What do you expect?" they asked impatiently. "You're too poor to live like us. Until you can do better for yourselves, you should be grateful, shouldn't you?”

彼らは、ダンボールの掘っ立て小屋に住んでいる貧しい人々を見た。
だから彼らは掘っ立て小屋を取り壊して団地を建てた。セメントとガラスで出来た巨大な棟々が、アスファルトの駐車場の向こうにそびえ立った。
どういうわけか、それは家とはあまりに似ても似つかず、
それどころか掘っ立て小屋の方が家らしかった。
「君ラは何を期待しているのかね?」彼らは苛立って尋ねた。
「君らは、我々のような生活をするには貧しすぎるのだ。
自分自身でもっとちゃんとできるようになるまで、感謝すべきじゃないかね?」

   

The head said yes, but the heart said no.

彼らの頭はイエスと言った。しかし、彼らの心はノーと言った。

  

They needed more electricity in the city, so they found a mountain stream to dam. As the waters rose, dead rabbits and deer floated by; baby birds too young to fly drowned in the next while mother birds cried helplessly. "It's not a pretty sight," they said, "but now a million people can run their air conditioners all summer. That's more important than one mountain stream, isn't it?”

彼らは、街でより多くの電気を必要とした。だから彼らはダムのために谷川をせき止めてダムを作った。水があふれると、ウサギやシカの死骸が浮かび上がり、飛ぶには幼すぎる雛鳥は巣のなかで溺れ、母鳥がどうしようもなく鳴き叫んでいる。
「それは、美しい眺めではない。」 彼らは言った。
「しかし、今や百万人の人々がこの夏、エアコンを利用できる。
ひとつの谷川よりも、そのほうがよほど重要じゃないかね?」

  

The head said yes, but the heart said no.

彼らの頭はイエスと言った。しかし、彼らの心はノーと言った。



They saw oppression and terrorism in a far-off land, so they made war against it. Bombs reduced the country to rubble. Its population cowered in fear, and every day more villagers were buried in rough wooden coffins. "You have to be prepared to make sacrifices," they said. "If some innocent bystanders get hurt, isn't that just the price one must pay for peace?”

彼らは、遠く離れた国で圧政とテロを見た。だから彼らは、それに反対する戦争をしかけた。爆弾はその国を瓦礫に変えた。人々は恐怖に慄き、毎日多くの村人たちが粗末な木棺に葬られた。
「君らも犠牲をはらう覚悟をしなければならない。」 彼らは言った。
「罪のない戦闘には関係のない一般市民が傷ついたとしても、
それは平和のために払うべき代償ではないかね?」

   

The head said yes, but the heart said no.

彼らの頭はイエスと言った。しかし、彼らの心はノーと言った。



  

The years rolled by and they got old. Sitting in their comfortable houses, they took stock. "We've had a good life," they said, "and we did the right thing." Their children looked down and asked why poverty, pollution, and war were still unsolved. "You'll find out soon enough," they replied. "Human being are weak and selfish. Despite our best efforts, these problems will never really end.”

時が流れ、彼らは年老いた。心地よい家で腰を下ろし、
彼らは人生を吟味した。
「我々は、いい人生を送ってきた。」彼らは言った。
「そして、我々は正しいことをしたのだ。」
彼らの子供たちはじっと見下ろし、
そして、貧困や環境汚染、戦争は何故なくならないのかと尋ねた。
「今にお前たちも解るだろう。」 彼らは答えた。
「人は弱く、利己的だ。我々の最善の努力にもかかわらず、
それらの問題は本当に決して解決しないのだろう。」

The head said yes, but the children looked into their hearts
and whispered "No!”

彼らの頭はイエスと言った。
しかし、その子供たちは、彼らの心を覗き込み、
そして、「ノー!」と囁いた。

    
the children looked into their hearts

and whispered "No!”