Billie Jean の "表訳" と "裏訳" | ☆Dancing the Dream ☆

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The Joy of life ♡
with ☆Michael Jackson☆


ハリウッド女優を夢みた Joan Barry(ジョーン・バリー)と名乗る女は、
子供の認知を求めて、チャップリンを訴えました。

血液鑑定では、チャップリンの子供ではないという結果が出ましたが、
当時の裁判の規定では、まだ血液鑑定は認められておらず、
2年間におよぶ裁判は、彼女の優位に進み、
チャップリンに子供の認知と養育費支払いを命じる
評決となりました。

あの人道派チャップリンに多大な屈辱と不名誉を与えた
不公正な裁判の背後には、
当時、反戦活動をしていた映画人への圧力、
「マッカーシズム」の力が、働いたことは否めないでしょう。
後にチャップリンは、この「赤狩り」を逃れて、スイスに亡命します。

さて、確かにチャップリンは、ジョーン・バリーを気に入り、
女優として見込み、彼の映画のヒロインに抜擢し、
前例に漏れず、愛人関係を持っていました。

けれども、この裁判に至る前に、
彼女の狂気に気づかされることになります。
ちょうど、その頃、チャップリンは、
生涯の伴侶となるウナ・オニールと出会っていました。

妄執に取り憑かれたジョーン・バリーは、
金品をねだるばかりでなく、
泥酔状態でチャップリンの自邸に車で乗り込んだり、
窓をたたき割って自邸に侵入したり、
はしごを使って侵入し、
拳銃を振り回して自殺をほのめかすなど、
激しいストーカー行為を行っていたのです。

**********

今夜は、ビリージーンの 表訳裏訳
同時に示したいと思いますが、
正味、裏と表で、和訳が異なるのは、
[4th verse]だけなのです。

しかし、この[4th verse]のとらえ方の違いによって、
「表」と「裏」では、ストーリー全体も全く違ったものになります。

表訳の方で描かれているのは、
いわば、ジョーン・バリーのような女性との男女の修羅場。

マイケルがこだわった曲のタイトルは、
「ビリージーン」という女性名、固有名詞です。

ジョーン・バリーという名の氏名をひっくり返すと「バリージョーン」
「ビリージーン」「バリージョーン」・・発音はそっくりです^^;;

マイケルは、遊び心に富んだクリエイティブライセンスを用い、
これをとても気に入り、Qに反対されても、
この曲のタイトルは、「ビリージーン」しかないと
押し通したのでは?  いや、あくまでも私の想像、私感ですが^^

さて、問題の裏訳です。
表訳は、チャップリンの認知裁判に代表されるような、
世間に起こりがちな男女間の揉め事、痴情の縺れの惨状を描いていますが、

裏訳の方は、ごく個人的な
マイケルジャクソンという人の "心の特質"を
表した物語になっていると思います。

マイケルという人物は、
いったい、何に、何故、どのように心を動かされ、
スポットライトの中であのダンスを踊るのか?・・ということですね。

マイケルが、もっとも気にかけているのは、
大人たちが繰り広げる狂騒の狭間で、忘れ去られた子供の心なのです。

マイケルは、いかれたグルーピーから
"子供の父親はマイケルで、
すでに一人マイケルの子を中絶したことがある"という内容の手紙と
銃と子供の写真が同封された小包を受け取り・・
その子供の写真を額に入れて、
ダイニングテーブルの上に架けて、
キャサママをうろたえさせた・・と言います。

これは、普通には理解しがたい奇妙な行動ですよね?
しかし、マイケルジャクソンという人物は、
その女性と子供は、別の存在だと考えるのでしょう。
たとえ、自分を脅かす女性の子供であっても。
その子には父親がいない。
しかも、母親はスターを追い回し、
脅迫まがいのことをするグルービー。
子供を取り巻く環境が荒んだものであることは推して知るべし。
罪のない子供は一番の被害者なのだ。どうかこの子に愛を。と。

つまり、マイケルジャクソンという人物の心は、
特別に子供の傷ついた心に共振して止まないのです。

ワンステージがフルマラソンと同等と言われるほど厳しいステージを引っさげて、
地球を何周も駆け回り、世界中を熱狂させた、あの巨大なエネルギーは、
一重に子供たちの救済支援のために捧げられたものでした。

生涯に渡って、その姿勢は貫かれ、
最後のワールドツアーになるはずだった『This is it』も同じでした。
マイケルの死は故殺によるものであるとの判決をもたらしたコンラットマーレー裁判。
この裁判にコンラットマーレーから提示された、
薬物に酩酊しながら語るマイケルの肉声テープは、
奇しくも、マイケルの子供たちへの救済活動が、
よく揶揄されたような、売名や偽善によるものなどではないこと、
痛切な彼の真実を表していました。

"That will be remembered more than my performances. My performances will be up there helping my children and always be my dream. I love them. I love them because I didn't have a childhood. I had no childhood. I feel their pain. I feel their hurt. I can deal with it. 'Heal the World,' 'We Are the World,' 'Will You Be There,' 'The Lost Children.' These are the songs I've written because I hurt, you know, I hurt."
僕のパフォーマンスよりも記憶に残されるだろう。僕のパフォーマンスは、僕の子供たちを助けるために行われるんだ。そして、それがいつも僕の夢なのさ。僕は子供たちを愛している。僕は子供たちを愛している。何故なら、僕は子供時代を持てなかったから。僕には子供時代が全くなかった。僕は彼らの痛みを感じるんだよ。僕は彼らの傷を感じるんだ。それに応えることが僕にはできる。ヒールザワールド、ウィーワーザワールド、ウィルビーゼアー、ザロストチュルドレン、僕がこれらの歌を書いたのは、傷ついているからなんだ。解るかい?僕は傷ついているんだ。

マイケルジャクソンは、
父親に暴力を振るわれながら、芸を仕込まれ、
生き馬の目を抜くような芸能界に投げ込まれ、
幸福な子供時代とは無縁でした。
そして、メジャーデビューの決まった
年端もいかない少年は、
タフな芸能界の悪しき儀式として慣例化している
むごい性的虐待を受け、
完全に子供時代との決別を強いられたのです。(∴Heart break hotel

つまり・・裏訳の
ビリージーンの主人公「ボク」は、
たぶん、ビリージーンとは、子供ができるような行為はしていませんね。

マイケル(ボク)は、おそらく、夜中の三時まで、
ビリージーンの身の上話を親身になって聞いていたのです。
彼の心に響いたのは、彼女には父親がいない息子がいるという話。
泣いている赤ちゃんの写真を見せられ、
その子の置かれた境遇を察するのです。
夜の街に出歩く美貌の母親ビリージーンの赤ちゃんは、
母親の手を離れて今はどこにいるのか?
施設に預けられ、母親の温もりに飢え、
寄る辺なく寂しい子供の心。
その心を映す子供の目は、
同じような心を持つマイケルの目に似ていたのですね。

だから、子供ができるような行為をするなら、
do think twice.二度考えろ!と彼は歌っています。

"Dance on the floor in the round" というのは、
とても含みのある言葉で、
もちろん"Hする"という意味もあるでしょうが、
"心を通わす""個人的に特別に仲良くする"というような意味も
あると思います。
また、"苦悩に悶える"
あるいは、"陰謀に踊らされる"というような意味も
含んでいるでしょうね。

*************

マイケルジャクソンという人は、
彼自身が言うように、
"ショービジネスの中で、
 その浮き沈みを潜り抜けて来た数少ない人間の一人"であり、
"地獄を潜り抜けて帰ってきた"強靭な精神力をもつ人物です。

また、先見性と実行力のあるアーティストであり、
抜け目のない(エリザベルテーラー曰く)ビジネスマンでもあります。

その彼の唯一の急所こそが、
「ビリージーン」で歌われた、
「傷ついた子供」への彼の特別な感受性なのかもしれません。

そして、その感受性の核にある、
マイケルの癒えない"pain" "hurt"こそが、
彼の巨大な作品群を生み出した源なのですね。

それはまた、諸刃の剣となって、
彼の人生に厄災をもたらしもしました。
彼を恐ろしい裁判へと迷い込ませ、
無罪を勝ち取っても、生前には、
完全に汚名を払拭することができないほどのダメージを与えました。

彼は癒えない傷が故に、その傷と対峙する苦悩を味わいましたが、
その生涯にわたる格闘をさらけ出し、私たちの魂を揺さぶり、
誰しも無傷では生きられない私たちに、大きな贈り物を届けてくれました。

彼の作品は、彼の傷跡。
マイケルの傷が愛おしい。

では、和訳を。



"Billie Jean"
Writer: Michael Jackson
"Thriller (album)"
Released:November 30, 1982
Recorded:April 14 – November 8, 1982

[1st verse]
She was more like a beauty queen from a movie scene
I said don't mind, but what do you mean I am the one
Who will dance on the floor in the round
She said I am the one who will dance on the floor in the round
(表)
彼女は まるで銀幕の美の女王 以上だった
気にしなくていいよ だけど
僕がフロアーのスポットライトの輪の中で踊る人だと言うのは
どういう意味だい?と僕は言ったんだ
彼女は僕がフロアーのスポットライトの輪の中で踊る人だと言ったんだ
(裏)
同じ

[2nd verse]
She told me her name was Billie Jean, as she caused a scene
Then every head turned with eyes that dreamed of being the one
Who will dance on the floor in the round
(表)
彼女が僕にビリー・ジーンだと名乗った すると騒ぎが巻き起こった  
その時 皆の頭が一斉に ぐるりと振り返った 
フロアーのスポットライトの輪の中で踊る者になることを夢見る目で
(裏)
同じ

[Bridge]
People always told me be careful of what you do
And don't go around breaking young girls' hearts
And mother always told me be careful of who you love
And be careful of what you do 'cause the lie becomes the truth
(表)
人はいつも僕に言った 行動に気をつけろ
若い女の子たちの心を弄んで傷つけて回るんじゃないと
ママはいつも僕に言った 恋する相手に気をつけなさい
自分のすることに気をつけなさい 何故なら嘘が本当になるからと
(裏)
同じ

[Chorus]
Billie Jean is not my lover
She's just a girl who claims that I am the one
But the kid is not my son
She says I am the one, but the kid is not my son
(表)
ビリー・ジーンは僕の恋人じゃない
彼女は ただ僕が父親だと言っている ただの女の子だよ
でも その子は僕の息子じゃないよ
彼女は僕が父親だと言っている
でも その子は僕の息子じゃないんだ
(裏)
同じ

[3rd verse]
For forty days and forty nights
The law was on her side
But who can stand when she's in demand
Her schemes and plans
'cause we danced on the floor in the round
So take my strong advice, just remember to always think twice (heeee)
(do think twice.)
(表)
40日と40夜の間
法律は彼女の味方だった
でも 彼女が陰謀と計画をもって要求してきたら
誰が抵抗できるというのか
なぜなら 僕らはフロアーのスポットライトの輪の中で踊ったのだから
だから 僕の強いアドバイスを聞いてくれ
いつも2度考えることを覚えておくんだ (2度考えろ)
(裏)
同じ

[4th verse]
She told my baby we'd danced 'til three
Then she looked at me
She showed a photo of a baby crying
His eyes looked like mine (oh, no!)
Cause we danced on the floor in the round, baby
(表)
彼女は、僕の恋人に "私たちは3時まで踊ったのよ"と言った
それから 彼女は僕を見つめて
泣いている赤ちゃんの写真を見せた
彼の目は 僕の目に似ていた (ああ、なんてことだ!)
なぜなら 僕らはフロアーのスポットライトの輪の中で踊ったのだから
ベイビー
(裏)
彼女は、"僕の魂(僕の子供心)"に訴えかけたのさ
僕らは3時までダンスして
そのとき 彼女は僕を見つめて
泣いている赤ちゃんの写真をみせたのさ
彼の目は 僕の目に似ていた (ああ なんてことだ!)
なぜなら 僕の魂と彼はフロアーのスポットライトの輪の中で踊ったのだから
ベイビー
 
[Bridge]
People always told me be careful of what you do
And don't go around breaking young girls' hearts
She came and stood right by me
Then the smell of sweet perfume
This happened much too soon
She called me to her room
(表)
人はいつも僕に言った 行動に気をつけろ
若い女の子の心を傷つけて回るんじゃないと
でも彼女の方からやって来て 僕の目の前に立ったのさ
そして 彼女の甘い香水の香り
それはあまりに素早く起こった
僕は彼女の部屋に呼ばれたのさ
(裏)
同じ

[Chorus]
Billie Jean is not my lover
She's just a girl who claims that I am the one
But the kid is not my son
Billie Jean is not my lover
She's just a girl who claims that I am the one
But the kid is not my son
She says I am the one, but the kid is not my son
(表)
ビリー・ジーンは僕の恋人じゃない
彼女は ただ僕が父親だと言っている ただの女の子だよ
でも その子は僕の息子じゃないよ
ビリー・ジーンは僕の恋人じゃない
彼女は ただ僕が父親だと言っている ただの女の子だよ
でも その子は僕の息子じゃないよ
彼女は僕が父親だと言っている でも その子は僕の息子じゃないんだ
(裏)
同じ

Billie Jean is not my lover
She's just a girl who claims that I am the one
But the kid is not my son
She says I am the one, but the kid is not my son
She says I am the one, she says he is my son
She says I am the one
(表)
ビリー・ジーンは僕の恋人じゃない
彼女は ただ僕が父親だと言っている ただの女の子だよ
でも その子は僕の息子じゃないよ
彼女は僕が父親だと言っている でも その子は僕の息子じゃないんだ
彼女は僕が父親だと言っている 彼女は彼は僕の息子だと言っている
彼女は僕が父親だと言っている
(裏)
同じ

[Outro]
Billie Jean is not my lover
Billie Jean is not my lover
Billie Jean is not my lover
Billie Jean is not my lover
Billie Jean is not my lover
Billie Jean is not my lover

ビリー・ジーンは僕の恋人じゃない
ビリー・ジーンは僕の恋人じゃない
ビリー・ジーンは僕の恋人じゃない
ビリー・ジーンは僕の恋人じゃない
ビリー・ジーンは僕の恋人じゃない
ビリー・ジーンは僕の恋人じゃない