音楽の精の冒険 ~Jun Miyake | ☆Dancing the Dream ☆

☆Dancing the Dream ☆

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The Joy of life ♡
with ☆Michael Jackson☆

仕事が始まってしまえば、

予期せぬハプニングも片っぱしから味方につけて、

朝顔が咲いている間しか見えない蜘蛛の糸を渡るように、

あるいは手乗り文鳥の足につかまって無人島から脱出するように、

「最後には笑える」仕事をしてきた。たぶん。
- (三宅純さんの手記より)


ああ、
蜘蛛が巣を編むように、
微妙にして幽かな音を壊さないようにそっと紡ぐ、
それでいて、やんちゃ坊主のように大胆にクレージーにグルーブしまくり、
自由に海を越え空を越えて異種混交の音たちと遊ぶ、
音楽家だけど、科学を疑うちょっと変な科学者のような 
三宅純さんらしい、なんという可愛らしい素敵な文章だろう恋の矢

これを読んで思い出したのは、
そのまんまこの短編を、七宝細工のカンザシにして、
薄桃の頬の乙女の髪に飾ってしまいたいような、、
あの夏目漱石の『文鳥』。。
それから・・
雨上がりの水たまりを傘の先で突いてできた波紋に映る自分の顔を覗きながら、
その水面の底に、ひょっとしたらそんな世界が広がっているかもしれないと思わせる、、
あの芥川龍之介の『蜘蛛の糸』。
どちらも神様が手作りした工芸品のように美しい作品。

異邦人として世界を渡り歩く現代の音楽家、三宅純さんは、
日本文学の文豪たちが描いた世界から
ヒラリと脱出する、音楽の冒険家みたいだ。
人の目には見えないミクロンの異分子、
トランペットを抱えた、可愛いミクロ決死隊だね♬


JUN MIYAKE-CA FAIT LONGTEMPS


Jun Miyake - Le mec dans un train


毎日かかさずプールで泳ぐ。PCから受けた電気を放電するために。
毎食ごとに歯磨きを欠かさない。ラッパ吹きは、歯が命だから。
 1958年生まれ56歳。若い!!
マイケルジャクソンと同い年ラブラブ













芥川龍之介 蜘蛛の糸 ―より抜粋

ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、
独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。
池の中に咲いている蓮の花は、みんな玉のようにまっ白で、
そのまん中にある金色の蕊(ずい)からは、何とも云えない好い匂いが、
絶間(たえま)なくあたりへ溢れて居ります。
極楽は丁度朝なのでございましょう。
 やがて御釈迦様はその池のふちに御佇(おたたず)みになって、
水の面(おもて)を蔽(おお)っている蓮の葉の間から、
ふと下の容子(ようす)を御覧になりました。
この極楽の蓮池の下は、丁度地獄の底に当って居りますから、
水晶のような水を透き徹して、三途(さんず)の河や針の山の景色が、
丁度、覗き眼鏡(めがね)を見るように、はっきりと見えるのでございます。
       蓮       蓮       蓮  (略)
ところがある時の事でございます。
何気なく犍陀多が頭を挙げて、血の池の空を眺めますと、
そのひっそりとした暗の中を、遠い遠い天上から、
銀色の蜘蛛の糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように、
一すじ細く光りながら、するすると自分の上へ垂れて参るのではございませんか。
犍陀多はこれを見ると、思わず手を拍って喜びました。
この糸に縋(すが)りついて、どこまでものぼって行けば、
きっと地獄からぬけ出せるのに相違ございません。
いや、うまく行くと、極楽へはいる事さえも出来ましょう。





夏目漱石 文鳥  ―より抜粋

足を見るといかにも華奢にできている。
細長い薄紅(うすくれない)の端に真珠を削ったような爪が着いて、
手頃な留り木を甘(うま)く抱え込んでいる。
すると、ひらりと眼先が動いた。
      白文鳥        白文鳥       白文鳥 (略)
しきりに首を左右に傾(かたぶ)ける。
傾けかけた首をふと持ち直して、心持前へ伸(の)したかと思ったら、
白い羽根がまたちらりと動いた。
文鳥の足は向うの留り木の真中あたりに具合よく落ちた。ちちと鳴く。
      白文鳥        白文鳥       白文鳥 (略)
 文鳥はつと嘴(くちばし)を餌壺の真中に落した。
そうして二三度左右に振った。
奇麗に平(なら)して入れてあった粟がはらはらと籠の底に零(こぼ)れた。
文鳥は嘴(くちばし)を上げた。咽喉(のど)の所で微(かすか)な音がする。
また嘴を粟の真中に落す。また微な音がする。その音が面白い。
静かに聴いていると、丸くて細やかで、しかも非常に速(すみや)かである。
菫(すみれ)ほどな小さい人が、黄金(こがね)の槌(つち)で瑪瑙(めのう)の碁石(ごいし)でもつづけ様に敲(たた)いているような気がする。
 嘴(くちばし)の色を見ると紫を薄く混ぜた紅のようである。
その紅がしだいに流れて、粟をつつく口尖(くちさき)のあたりは白い。
象牙を半透明にした白さである。