『Sympathy for the Devil』を訳します。
「悪魔を憐れむ歌」という不思議なタイトルになっているこの歌は、
キースとの共作詞となっていますが、ミックがそのほとんどを書き、
ミハイル・ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』に影響を受けて
作詞されたのだといわれます。
スターリンの大粛清時代のソヴィエトの
1930年代末に執筆された長編小説『巨匠とマルガリータ』は、
ソ連当局によって体制批判として受け止められ、生前は発禁処分され、
出版されたのは、全体の12%が変更や削除され、
ブルガーコフの死後26年も経った1966年でした。
ミックが、当時、時を経て蘇ったこの本を読み、
ピンときちゃってこの曲が生まれたのでしょうか?!
悪魔の手下の黒猫が喋り、男の首がはねられ、
女が魔女になり、ある者は箒に、豚に乗り素っ裸で空を駆け巡る・・
私も熱中して読んだにも関わらず、ぶっ飛んだこの物語の
込み入った仔細なディテールはすっかり忘れてしまったけれど・・
いかした悪魔による「救済」の物語だ。
それは、ざっくりと、こんな内容だ。
まず、エピグラフに、
「 …それで結局お前は何者なのだ?
―私は絶えず悪を欲し、絶えず善を成し遂げる、あの力の一部です。」と、
ゲーテの『ファウスト』の一節を引用して始まる。
スターリン時代のモスクワに、ヴォラントという名の悪魔が現れ、
公園でキリストは実在しないというような会話をしていた評論家と詩人に近づき、
自分はイエス・キリストがローマ総督のピラトの裁判を受けたその場にいたと言い、
その時のことを語りだす。
一方では、過去のエルサレム、ピラトのイエスの裁判から死刑が物語られ、
他方では、モスクワに現れた悪魔ヴォラントが、スターリンの支配下にある人々、
芸術家や劇場などを混乱に陥れる。これらが交互に語られる。
そして、悪魔ヴォラントが、語り、聞かせていたピラトとイエスの話は、
実は「巨匠」が書いていた小説の内容だったのだ。
そう、この物語全体は、時空がねじれ、メビウスの帯のように繋がっているのだ。
――モスクワの方では、悪魔によって精神錯乱に陥ってしまった詩人が、
精神病院で「巨匠」という人物に出会う。
巨匠は、誰にも認められない小説を書き続けていたが、
マルガリータという人妻と出会い、恋に落ちたのだという。
マルガリータは彼をを励まし「巨匠」と呼んで尊敬するが、
彼らは、すれ違い別れ別れとなった。
「巨匠」は失望し原稿を暖炉で燃やしてしまい、病院に送られていたのだ。
マルガリータは「巨匠」を忘れられず、もう一度会いたいと願い、
悪魔の提案で、悪魔の舞踏会女主人をつとめるべく、
体中に魔法のクリームを塗り、生まれたままの姿で夜空を飛ぶのだ。
そして、めくるめく舞踏会の女主人を勤め上げ、
悪魔によって、彼女のひとつの願い事を叶えられる。
そこに病院服の愛する巨匠が現れ二人は再会を果たす。
悪魔は、巨匠に、原稿を読ませてほしいと頼むが、すでに、燃やしてしまった後だった。
にもかかわらず、悪魔は「原稿は決して燃えないのです」と言い、
その原稿の束を復元させる。
イエスの弟子がその悪魔の前に登場し、巨匠の救済を求めると、
悪魔ヴォランドは「どうしてお前たちが彼を光のほうに連れて行かない?」と問う。
イエスの弟子は、「彼は光を得ず、安らぎを得た」と答える。
結局、巨匠は悪魔によって救われ、ピラトもイエスによって赦される。
ピラトの物語は巨匠の弟子に受け渡され、すべては火で清められ、
巨匠とマルガリータは新たに旅立つのだった。
『Sympathy for the Devil』、
邦題「悪魔を憐れむ歌」
・・という、この歌、
悪魔が、何度も「私の名前はなんだ?」と、問い迫りますが・・
それは・・
ゲーテの『ファウスト』の一節、
「…それで結局お前は何者なのだ?
―私は絶えず悪を欲し、絶えず善を成し遂げる、あの力の一部です。」
ここに答えがあります。
なんというか・・
『巨匠とマルガリータ』は、残酷で猥雑で崇高で豊穣
悪人正機のようなお話なんですよね!
歌のタイトルもふるっているーー

『Sympathy for the Devil』、
邦題の「悪魔を憐れむ歌」
「憐れむ」と訳されている
Sympathy・・って何でしょう?
「sympathy」の語源は、
ギリシャ語の「sym(ともに)」と「pathein(苦しむ)」が一緒になって
「sympatheia(ともに苦しむこと)」。。
一方、和訳された憐れむ・・
憐は、
現代の中国では、「怜」が「憐」の簡体字で同じ意味なのだそうです。
漢字学者の白川静先生は、
「令」は跪いて神意を聴く形とし、
「怜」は神意をさとるという意味だと言われます。
マイケルジャクソンは、
地球と「sym-pathyともに-苦しんで」
跪いて神意を聴き、神意をさとり、
「地球の歌」、地球の泣き声を体現して見せましたけれど。
あああ~~~ああ、あああ、あ~~・・と。

これも、一種、あの力の一部?を憐れんだ歌ではないかと思います。
Sympathy for the Devil
Songwriters: JAGGER, MICK / RICHARDS, KEITH
Please allow me to introduce myself
I'm a man of wealth and taste
I've been around for long, long years
many man's soul and faith
どうぞ 自己紹介をさせてくださいませ
私は財産家の雅人でございます
私は幾世も巡り生きてきて
多くの人から魂と信念を奪って参りました
And I was 'round when Jesus Christ
Had his moment of doubt and pain
Made damn sure that Pilate
Washed his hands and sealed his fate
キリストが苦しみ神を疑った時に
私はそこにおりましたし
ピラトが手を洗い
キリストの宿命を裁いた時も
私はそこにおりました
*イエスは、十字架上で「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」
「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」と嘆いた。
(マタイによる福音書:第27章45~46節)
*ピラトは、最初のうちイエスの処刑に消極的であった。
しかし、彼は無罪を知りながら、人々を満足させるためにイエスの不当な
死刑判決を認めた。
ピラトは手を洗って自分に責任がないことを示そうとしたが、
これは、最も愚かなジェスチャーであるとされる。
Pleased to meet you
Hope you guess my name
But what's puzzling you
Is the nature of my game
あなた方にお会いできて嬉しゅうございます
あなた方が私の名前をご存知だといいのですが
しかし、あなた方を悩ませることが
私のゲームの持ち味なのです
I stuck around St. Petersburg
When I saw it was a time for a change
Killed the Czar and his ministers
Anastasia screamed in vain
私はペテルブルグに張り付いていました
そのとき私は時代が変わるのを見ました
皇帝と大臣達が殺され
アナスタシアは空しく泣き叫びました
I rode a tank
Held a general's rank
When the blitzkrieg raged
And the bodies stank
私は戦車に乗り
将軍としてそこにいました
電撃戦が猛威を振るい
死体が臭気を放っていた時
Pleased to meet you
Hope you guess my name, oh yeah
Ah,what's puzzling you
Is the nature of my game, oh yeah
(woo woo, woo woo)
あなた方にお会いできて嬉しゅうございます
私の名前をあなた方がご存知だといいのですが ああ、まったく
おー、あなた方を悩ませることが
私のゲームの持ち味なのです ああ、そうなのです
I watched with glee
While your kings and queens
Fought for ten decades
For the gods they made
(woo woo, woo woo)
私は大喜びで見ていました
あなた方の王や女王が
100年の間 戦争するのを
彼らが創り出した神のために
I shouted out,
“Who killed the Kennedys?”
When after all
It was you and me
(who who, who who)
私は叫びました
「誰がケネディ一家を殺したのか?」と
結局のところ
殺したのは、あなた方と私だったのです
Let me please introduce myself
I'm a man of wealth and taste
And I laid traps for troubadours
Who get killed before they reached Bombay
(woo woo, who who)
自己紹介をさせてくださいませ
私は財産家の雅人でございます
そして、私はトルバドゥールに罠を仕掛けました
ボンベイ到着前に死ぬように
*トルバドゥールとは、11-13世紀に南ヨーロッパで
主に恋や騎士道を歌った叙情詩人。一般には吟遊詩人のこと。
Pleased to meet you
Hope you guessed my name, oh yeah
(who who)
But what's puzzling you
Is the nature of my game, oh yeah, get down, baby
(who who, who who)
あなた方にお会いできて嬉しゅうございます
私の名前をあなた方がご存知だといいのですが ああ、まったく
あなた方を惑わすことが
私のゲームの持ち味なのです ああ、そうなんです、 お解りかね、ベイビー
Pleased to meet you
Hope you guessed my name, oh yeah
But what's confusing you
Is just the nature of my game
(woo woo, who who)
あなた方にお会いできて嬉しゅうございます
私の名前をあなた方がご存知だといいのですが ああ、まったく
おー、あなた方を悩ませることが
私のゲームの持ち味なのです ああ、そうなのです
Just as every cop is a criminal
And all the sinners saints
As heads is tails
Just call me Lucifer
'Cause I'm in need of some restraint
(who who, who who)
まさに全ての警官は犯罪者
全ての罪人は聖人なのです
頭と尻尾のように
そう、私をルシファーと呼んでくれたまえ
なぜなら、私はなんらかの抑止力が必要としているのですからね
*ルシファーとは、ラテン語で「光り輝くもの」
明けの明星(金星)を意味する。「太陽とともに昇り、ともに沈み、
誰よりも高い実力を持ちながら、それを過信したために太陽(神)に敗北した哀れな存在」、
天から落ちた大天使。サタンと同一視される。
So if you meet me
Have some courtesy
Have some sympathy, and some taste
(woo woo)
Use all your well-learned politesse
Or I'll lay your soul to waste, um yeah
(woo woo, woo woo)
だから、もしあなた方が私に出会ったならば
礼儀をもって
憐れみと幾分か旨味をもって
あなた方のしっかり学んだ礼儀正しさの全てをもって
手厚くもてなしてくれたまえ
さもなければ、お前の魂をぶっ潰すだろうさ うー、そうさ
Pleased to meet you
Hope you guessed my name, um yeah
(who who)
But what's puzzling you
Is the nature of my game, um mean it, get down
(woo woo, woo woo)
お前たちに会えてうれしいのだよ
私の名前を解るかね ああ、そうさ
だが お前たちを悩ませることが
私のゲームの性根なのさ うー、そういうことさ 解ったかね
Woo, who
Oh yeah, get on down
Oh yeah
Oh yeah!
(woo woo)
ああ、そうさ 解ったかね
ああ、そうさ
ああ、そうさ
Tell me baby, what's my name
Tell me honey, can ya guess my name
Tell me baby, what's my name
I tell you one time, you're to blame
言ってごらんベイビー 私の名前はなんだ?
言ってごらんハニー 私の名前が解るかい?
私はお前らに一度だけ言う お前のせいだぞ
Oh, who
woo, woo
Woo, who
Woo, woo
Woo, who, who
Woo, who, who
Oh, yeah
おお 誰だ?
ウー、ウー
ウー、誰だ?
ウー、ウー
ウー、誰だ?誰だ?
ウー、誰だ?誰だ?
おお、 そうだよ
What's my name
Tell me, baby, what's my name
Tell me, sweetie, what's my name
私の名前はなんだ?
言ってごらんベイビー 私の名前はなんだ?
言ってごらん カワイ子ちゃん 私の名前はなんだ?
Woo, who, who
Woo, who, who
Woo, who, who
Woo, who, who
Woo, who, who
Woo, who, who
Oh, yeah
Woo woo
Woo woo
ウー、誰だ?誰だ?
ウー、誰だ?誰だ?
ウー、誰だ?誰だ?
ウー、誰だ?誰だ?
ウー、誰だ?誰だ?
ウー、誰だ?誰だ?
ああ、そうさ
ウー、ウー
ウー、ウー