この絵本をお持ちの方は、実際に絵本をひらいて
お読みいただくと、より、解りやすいと思います![]()
《私の視点&考察》
モーリスの「かいじゅうたちのいるところ」と、マイケルの作品の類似点
★絵の画面の大きさが変わる
絵の画面のサイズが変化するのはなぜか?・・・マックスの心に広がる、
怪獣たちのいる、深層心理の世界、つまり、Where The Wild Things Areの
サイズを 絵の画面の大きさで表しているのだと思う。
深い眠りに入り、夢を見ると、深層心理が解放されるという。
・だんだん大きくなって・・・ Wild Things の世界が拡大していく。
・最大になって・・・Wild Thingsが、最大級に解放される。
・だんだん小さくなって・・・・Wild Thingsより good thingsが恋しくなる。
・でも、元のサイズには戻らない・・・Wild Thingsの世界への冒険で心が成長した。
・最後は白紙・・・Wild Thingsの世界が温かい good thingsに包まれ閉じられた。
「スリラー」のSFでも、「現実の世界」と「非現実の世界」が、
曖昧になるような、トリッキーな表現で、見る側の深層心理を揺さぶります。
★月が満ち欠けする
絵の中の月齢の意味は?・・・本能のエネルギー(リビドー)が、
満たされている度合いや状態を 表しているのではないかと思う。
そして、モーリスの月は、高いところから、全てを見下ろし、
心の深い森の奥にある命の根源に、働きかけている。
この「表紙」と「裏表紙」の絵柄を、じっと見ていて…ふと、裏表紙の絵は、
森を上から見た「月の視線」かな?と。。
・三日月・・・欲求不満
・異常に輝く満月・・・エクスタシー(怪獣ダンス)
・朧な満月・・・思慕、胎内回帰願望
・普通の満月・・・安心 満足
「スリラー」でも、狼男に変身するのは、満月の夜。
「ビリージーン」のスポットライトの「円」は、満月の「月光」か?!
マイケルが、ルナティックな力に操られて、帽子で半分顔を隠し、
片手袋で、妖しのダンスを踊ります。
★MAXと言う名前
主人公の少年の名前MAXとは、「maximum=最大限,最高」の略である。
語源を紐解くと、 mag(=great(大きな))+simum(=最上級語尾)=greatest。
さあ、M・センダックは、この名にどういう意味を託しているのだろう?
・MAXな存在・・・強くて大きいもの(=怪獣)への憧れ
・MAXな男子・・・男の子の性衝動、男根に対する意識
・MAXな自己・・・無意識に眠る自己(集合的無意識)も含めた大きな自己
「ヒストリー」の「金色の巨像」などの表現は、MAX感、ありますねぇ。
また、公平さを欠く扱いを受ける黒人アーティストであったことから、
若きマイケルは、「NO.1」を目指し、こだわっていたことは事実です。
歴史に残る「最高のエンターティナー」でありたいと望んで、
事実そうなりました。
★オオカミの着ぐるみを着る
男の子は、スーパーマンになったり、モビールスーツを着てガンダムになったり、
女の子は、かわいい魔女になったりすることに憧れ…。
成人男子も、カッコイイ車に乗ったり、成人女子もお化粧して着飾ったり…。
太古の人々や、民族の習慣で、入れ墨を入れたり、身体改造したり…。
やはり、人間には、なにかしら変身願望が、あるのですよね。
マイケルの作品の「変身」というテーマを揚げると…
「スリラーの狼男」 「ブラホワのモーフィング」 「ゴーストの怪物七変化」。。
「変身」は、マイケルにとって重要なテーマなんですね。
★EAT & 怪獣のLOVE
お母さんに“I’LL EAT YOU UP!”と言ったマックスは、反省部屋に入れられた。
マックスに“we’ll eat you up- we love you so!” と言った怪獣たちも、
マックスに拒否された。
怪獣が言ったように「食べちゃいたいほど愛している」と言う表現がある。
他人を自分の体内(胃袋・子宮)にしまい込みたいという欲望と、怪獣の愛は、
どういう関係があるのだろう?
・EATとは・・・食べるという行為は、そもそも他の命を奪う行為。
飢えて、お腹が満たされていないから起こる
根源的な欲望からくる生命を維持する行為。
・怪獣のLOVEとは・・・マックスと怪獣たちの言う
「愛しているから食べちゃいたい」というのは、仏教でいう「渇愛」
のことでしょう。
「渇愛」とは、五官(眼耳鼻舌身)に刺激を与えたいという欲、
生存欲、破壊欲の3つの側面があるそうです。
これも、人間が持つ根本的な欲望のこと。
直接、「EAT」と言う言葉を冠した歌もあります。
ダイアナにプロデュースした曲、「Eaten Alive」
しかし、「 Leave Me alone」「Scream」「 Why You Wanna Trip On Me 」…
マスコミや、ストーカーのような、怪獣のLOVEはこりごりだ!と言う感じの
歌は、一杯ありますね。
★Good things to eat
文中の「Good things 」と「Wild Things」と言う言葉は、呼応していると思います。
・「食べるに、"良いモノ"」・・・つまり「お母さんの愛のこもった料理」です。
「渇いている」から奪う「渇愛」ではなく、
「与える」行為が「愛」なのでしょう。
怪獣の「渇愛」に、NO!と拒絶し、マックスは、
お母さんの愛で満たされたくて家に戻ります。
「愛」を歌う曲は、たくさんありますが、特に「子供たちへの愛」は、
マイケルの最大のテーマでした。
「Good things to eat」は、マイケルがよく使う言葉で言えば、
「Care」でしょうか![]()
でも、マイケルの「食生活」が、どうにも危なっかしいのは、
幼い頃から、ツアーなどで、お母さんの手料理には、あまり恵まれ
なかったからかなぁ。。![]()
★Wild Things「かいじゅう」
Mセンダックが描いた「かいじゅう」とは、いったい何だろう?
マックスの出会った「かいじゅう」は、どれも彼自身なのでしょう。
ユングは、「リビドー」を、「性」だけでなく、「すべての本能のエネルギー」だとし、
リビドーの源泉である「無意識」は、「人類の歴史が眠る宝庫」だと言いました。
無意識の奧底には人類共通の素地(=集合的無意識)が存在すると考え、
それを「元型」と名付け、分析心理学を体系付けました。
ユングは、曼荼羅や易に興味をもち、東洋の精神世界も学んでいたようです。
曼荼羅にみる神々や、悟りの哲学に共通する点もあるのではないかと。
元型には、次のようなものがある。
・グレート・マザー(太母)・・・愛情・保護と支配・脅威の二面性を備えた
母性的存在。
・オールド・ワイズワン(老賢者)・・・人生経験と知恵を持った老賢者
・シャドウ(影)・・・自分と正反対の人生観・価値観・性格傾向を指し示す影。
人間にはシャドウに対する願望や嫉妬などがあり、
自我とシャドウとの統合によって自己実現が促進する。
・トリックスター(道化師)・・・秩序の破壊者であり、英雄的な個性的な変革者。
・アニマ・・・男性の中に生起する理想的な女性イメージ。
・アニムス・・・女性の中に生起する理想的な男性イメージ。
・セルフ(自己)・・・自己実現、個性化のプロセスや目標を指し示す。
私たちは、例えば、このような「怪しい獣」を心に飼っているかも。。
どの子が、どの元型のイメージか?考えてみるのも面白いかな?
「かいじゅう」とは、本当に素晴らしい訳ですね~![]()
本能のエネルギー、これに関するマイケルの曲も、山ほどありすぎて…![]()
たくさん、この手の記事を書いてきたので。。
ちょっと、思い出せるものだけ、PICK UPします。
興味があれば、読んでください。
*新釈:Cry~生命の息吹 おぎゃ~~!!! 2012-06-27
*チャップリンのLimelightのラストライン~そして名曲ビリージーンが生まれた
*You Rock My Wouldの謎①(連載)君とぼくの壊れた心を救う!2012-05-10
*続・Black or White☆考~ピーターパンの影 2011-12-23
★表紙の怪獣
この物語の「主人公は、マックス」なのに、なぜ、この「雄牛のような怪獣」が
表紙に描かれているのか?物語では、中心的な存在ですらありません。
登場する怪獣の中では、唯一「人間の足」をもった怪獣。
半人半獣ともいえる子なのです。
・雄牛・・・シュメール、メソポタミア、エジプト、ミトラ、ローマでも、
古代宗教では、雄牛は、生命の原理の神と崇敬された動物でした。
初期キリスト教の布教のために、雄牛を悪魔の動物として
失墜させます。激情、乱暴、放蕩などのイメージ付けで
悪いレッテルを貼られてしまいました。
・罪悪感・・・罪悪感をもった赤ちゃんはいませんので、
罪悪感とは、他者から植え付けられるものです。
「ありのままの自分」を、見る…それだけでいいのですが・・・
「雄牛」は、ただ雄牛。。
それなのに、人間は、「乱暴で淫蕩な悪い雄牛」というように…
「眼耳鼻舌身意」から入る情報を勝手に捏造して嫌ったりします。
仏教では、私たちが認識している現象の世界というのは、
真理・事実ではなく、幻覚の世界で、怒りや嫉妬や憎しみや
その他の汚れた感情が現れるのは、主観で情報を捏造する
せいなのだそうです。こういうのを、「パパンチャ」と言い、
一切の生命は捏造者=パパンチャしてるのです。
思い当たりますねぇ![]()
パパンチャを破ることを「ニッパパンチャ」と言い、それが、
「涅槃・解脱」に至ると言うことだそうです。。
そして、生来なかった罪悪感は、主観で捏造された情報を
押し付けられて、植えつけられたのではなかろうか?
・マックスの中の「野性」・・・良いも悪いも、ただ、私たちには、あるのね。。
「渇く」とガオ~!となり、「満たされる」と気持ちよく眠って、
また、元気に活動できる大元です。
Mセンダックは、「雄牛」を描きましたが、これも「パーン神」の系譜ですね。
マイケル的に言うなら、彼が「心の中に持っている特別な象徴」だと言った、
ピーターパン(パーン神)。マイケルにとって「覚醒」とは、「子供のまなざし」
をもつことのようです。
「覚醒」を呼びかける歌は、思いつくだけでも、「スムクリ」「ブラホワ」
「ゴースト」…他にも、色々ありますが、
「見る音楽」としてのミュージックビデオを革新した「スリラー」は、
現代人が主に頼っている「目=視覚」の不確かさについて、暗示的に
示し、普段、ちゃんと事実を見れているのかどうかを考えさせられます。
関連過去記事
*怪物たちの神話①~日本の怪獣/スリラー考(和訳) 2012年06月30日(土)
*怪物たちの神話②~ゴジラとマイケルとスティービー 2012年07月01日(日)
*♡ 愛すべき神・パン ♡2012年01月09日(月)
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「Where The Wild Things Are」
Story and pictures By MAURICE SENDAK
訳:ByTen
The night Max wore his wolf suit
and made mischief of one kind
その夜、マックスはオオカミの着ぐるみを着て吠えた。
こんな風に いたずらをはじめた。
それから、こんなことも。
His mother called him “WILD THING!”
and Max said “I’LL EAT YOU UP!”
so he was sent to bed without eating anything.
お母さんは、「この、酔っ払い怪獣!」と叱った。
「おまえを食べちゃうぞ!」とマックスも言い返す。
そして、ご飯ぬきで 反省部屋のベッドに放り込まれちゃった。
That very night in Max’s room a forest grew
マックスの部屋の まさにその夜、森は大きく…
and grew-
どんどん大きく…
and grew until his ceiling hung with vines
and the walls became the world all around
どんどん蔦で天井が覆われ、
壁は、すっかり森になっちゃった。
and an ocean tumbled by with a private boat for Max
and he sailed off through night and day
マックスのボートは、むちゃくちゃに海にもまれ、
夜も昼も、
and in and out of weeks and almost over a year to where the wild things are.
幾週間も過ぎ、おおよそ一年が過ぎ…
「"怪獣たち"のいるところ」 へと旅をした。
And when he came to the place where the wild things are they roared their terrible roars and gnashed their terrible teeth and rolled their terrible eyes and showed their terrible claws-
やがて、彼は「"怪獣たち"のいるところ」にやってきた。
そのとき、怪獣たちは、恐ろしい声で吠え、恐ろしい歯をきしませ、
恐ろしい目玉をギョロギョロさせ、恐ろしい爪を見せつけた。
till Max said “BE STILL!”
and tamed them with a magic trick of staring into their yellow eyes without blinking once and they were frightened and called him the most wild thing of all
「静まれ!」 とマックスが言うまで。。。
それから、一度もまばたきしない彼らの黄色い目を見つめる魔法の技で
彼らを手懐けた。
すると、彼らは、ギョッとして、
マックスのことを皆のうちで"最も野蛮なモノ"と呼んだのだった。
and made him king of all wild things.
“And now,” cried Max, “let the wild rumpus start!”
そして、彼を"怪獣たちの王"にしたのだ。
「さあ!」 マックスは叫んだ。「怪獣バカ踊り、はじめーー!」
“Now stop!” Max said and sent the wild things off to bed without their supper. And Max the king of all wild things was lonely and wanted to be where someone loved him best of all. Then all around from far away across the world he smelled good things to eat so he gave up being king of where the wild things are.
「止めーー!」 とマックスは言って、怪獣たちを晩ご飯ぬきで寝かせた。
そして、怪獣たちの王、マコト君は、寂しくなってきちゃった。。
誰よりも彼を愛してくれる誰かさんのところに戻りたくなってきゃった。。
そのとき、あたり一面、遠くのほうから、美味しそうな"良いモノ"の匂いがやってきた。
そこで、彼は、"野蛮なモノ"の王様でいることを諦めた。
But the wild things cried, “Oh please don’t go- we’ll eat you up- we love you so!” And Max said, “No!” The wild things roared their terrible roars and gnashed their terrible teeth and rolled theur terrible eyes and showed their terrible claws but Max stepped into his private boat and waved good-bye
だけど、怪獣たちは、「ああ、どうか行かないで。ぼくらは、食べちゃいたいほど、君のことをとても愛しているんだ!」と泣き叫んだ。
でも、マックスは「ダメなんだ!」と言った。
怪獣たちは、恐ろしい声で吠え、恐ろしい歯をきしませ、
恐ろしい目玉をギョロギョロさせ、恐ろしい爪を見せつけたけど…
マックスは、自分のボートに乗り込んで、さよならと手を振り、
and sailed back over a year and in and out of weeks and through a day
一年と 幾週間と 一日、
海を越えて…
and into the night of his very own room where he found his supper waiting for him-
彼を待っている晩ご飯がある まさに彼自身の部屋の その夜に帰って行った。
and it was still hot.
その晩ご飯は、まだホカホカだった。
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もうちょっと、気づいたことがあるので、
「マイケルジャクソンとモーリスのいるところ」Where The Wild Things Are③に、
つづく。。。















