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聖書を読んで示されたことを記しています。礼拝でしたメッセージや聖書の学びの内容も載せています。

 このユダとタマルの物語もそうですが、聖書はあまり詳しい事情が記されず、出来事が淡々と記されていることが多いのです。なぜヤコブの家族の中でユダだけ独りで、他の地域へ行って住み、そこの土地の人と結婚したのかが分かりません。またなぜ、このストーリーがヨセフ物語の間に挿入されたのかも、前後の文脈から、また編集者の意図から推測するしかありません。ともかく、ユダはお友達はいたようですが(アドラム人のヒラ、38:1)、異国での生活はうまくいかなかったようです。カナン人のシュアという女性と結婚し、3人の男子が生まれましたが、長男、次男とも罪を犯して主に撃たれて死んでしまいました。当時の古代の慣習であるラビラート婚に従うと、長男が子どもを残さず死んだ場合、次男が、そして次男も亡くなった場合、3男が長男の嫁と結婚し子を産み、「長男の子供」として家系を続くという制度があったからです。ユダは息子たちの死の原因が、長男の嫁のタマルにあるのではないかとし、3男に嫁がせることを躊躇してタマルをやもめのままに長期間放置しておきました。カナン人はヤコブの家族が信じる主なる神様を知らず、偶像を拝み、乱れた慣習を持っていたので、アブラハムの時からカナン人から嫁をとることはしてきませんでした。間違いなく、ユダがカナンの女性と結婚したことにより、彼らの文化。慣習、偶像崇拝の影響を受けて子供たちが育っていたことでしょう。

 この話の驚くべきことは、このタマルという女性が舅ヤコブに対し大胆な計画を遂行し、そして成功させたことです。当時の社会では女性が自立して生活することは困難であったため、夫に先立たれたやもめは家族に経済的にも依存するしかありませんでした。彼女としてはユダの家の嫁に入ったので、そこで面倒を見てもらうべく生き残り作戦を、つまり遊女に変装して舅のヤコブと床に入り、妊娠したのです。そして、遊女がタマルだと気が付かなかった舅のヤコブは、嫁のタマルが妊娠した知らせを受けて激怒、焼き殺してしまえと命じます。タマルはそのことを計算して、あらかじめ遊女の報酬として、ユダの印象と杖をもらっておき、「この持ち主によって身ごもったのです」と訴えました。そのことを知らされて、ユダは「彼女が正しい。わたしが彼女に息子のシェラを与えなかったからだ」(26節)とし、彼女を家に戻し、彼女から双子が生まれました。その双子の一人のペレツ(「出し抜く」という意味)がなんと、ユダ族のダビデ王やイエス・キリストの家系になります(マタイによる福音書1:3)。このあとヨセフがエジプトに滞在中に飢饉が起こった時には、ユダも父ヤコブとその家族たちのもとへ戻っていること、そしてヨセフとの交渉の時もユダがリーダーシップをとっていることが、続く章に記されています。そして、後に12部族のうち、なぜユダ民族だけが他のイスラエルの諸部族と独立し、カナンの南に分離していたのかと、このストーリーからも関連を見出すことが可能でしょう。

 このような複雑な、あまり好ましくない状況においても、神様はアブラハムに約束された祝福の継承者をつなげられることから、神様の選びやご計画は人間側の弱さや罪、もしくは功績や手柄に関係なく、遂行されていくことが分かります。そして、次章でまたヨセフの物語に戻ります。