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聖書を読んで示されたことを記しています。礼拝でしたメッセージや聖書の学びの内容も載せています。

 ちょうど今は12月でクリスマスの時期、イエス・キリストの誕祝う時期です。約2千年前に、イエス様が生まれることを恐れた当時のユダヤ(現パレスチナ地方)の統治者ヘロデ王は、その居場所を特定できなかったためその地方の3歳以下の男の子を全て殺せと命令しました。自分に代わる「王」が生まれてもらったら困るからです。クリスマスはイエス・キリストがこの世に、人として生まれてこられたことを礼拝する日(クリスト・マス:「キリストを礼拝」の意の短縮形)です。西欧社会はキリスト教文化の歴史が長いのでこのことは常識ですが、日本ではクリスマスというと、プレゼントだ、パーティーだ、サンタクロースだと商業的なイベントと一般に考えられています。クリスマスのストーリーには、このような非常に恐ろしい残酷な出来事がありました。神様は幼子イエスとその母マリアと父ヨセフをエジプトへ逃避行をさせ、ヘロデ王が死んだ後、国に戻らせたという経緯がマタイによる福音書に記されています。聖書には、このような「男の子を殺せ」という残虐な命令が、約3500年前のエジプトで、折しもエジプトに寄留していたイスラエルの民に出されたことが、出エジプト記1章に記されています。

 「出エジプト記」とされるこの書簡は、ヤコブ(イスラエル)とその家族たち男子70人プラスその妻子や僕とその家族が、カナンの地からエジプトへ移住した後のことが記されています。なぜ彼らは約400年間住んだエジプトを出ることになったのか。そもそも、エジプトへの移住は彼らにとって一時的であり、ヤコブがエジプトへ行く途上で神様を礼拝した時、神様から「エジプトへ下ることを恐れてはならない。わたしはあなたをそこで大いなる国民にする。わたしがあなたと共にエジプトへ下り、わたしがあなたを必ず連れ戻す。」(創世記46:3-4)と約束されていたからです。神様の約束の通り、イスラエルの民はエジプトの地で「おびただしく数を増し、ますます強くなって国中に溢れた」(1:7)と記されているように、大いなる国民になったということ、そして「ヨセフのことを知らない新しい王が出てエジプトを支配」(1:8)する時代になって、イスラエルの移民(ヘブライ人と呼ばれる)を恐れ、重労働によってイスラエルの民を虐待するようになったという状況で、いよいよ神様が動かれる時に至りました。また、400年もたつと、彼らの先祖の神を信じる信仰がある程度継承されていたとしても、世代が変わるうちにエジプトの異教の神や文化の影響を受ける人々が多くなりがちです。彼らは今こそエジプトから出て、奴隷状態から解放され、神様が与えると約束されたカナンの土地に戻るだけでなく、彼らを救い出してくださる神を礼拝する必要があったのです。

 現代でも移民や一つの民族をターゲットにして排斥する動きというのは、政治的に国民の不満をそらすために、スケープゴートにされがちです。国民経済全体が不調なのを移民労働者が国民の仕事を奪っているせいだ、犯罪が増加している原因が移民のせいだと理由を造り、移民を排斥して「自国民ファースト」というスローガンを掲げる考え方は注意が必要であると思います。イスラエル人(ユダヤ人)は実にこの頃から、世界で排斥される歴史があることがわかります。

 エジプトの王はこれ以上ヘブライ人の人口が増えないようにと、残虐な命令を助産婦たちに出します。出産時に男の子なら殺せ、女の子なら生かせと。しかし、彼女たちは神を畏れていたので、エジプト王の命令に従わず、「ヘブライ人の女性は丈夫で、私たちが行く前に産んでしまうので」と説明します。エジプト王の命令を受けた助産婦の二人、シフラとプアはおそらく大勢いる助産婦たちのリーダーであった可能性がありますが、彼女たちはファラオを恐れず、神様を畏れて命令に従いませんでした。これは、ものすごい勇気のいる行為ですが、神様は彼女たちをファラオから守り、そして恵みを与えられたと記されています。神を畏れる者は現代社会においても、法律に従い、税金を払うなど責任と義務を果たすべきですが、もし政府が「人を殺せ」という命令をだしたり、「ある人を神として拝め」と強制するのならば、この助産婦たちのように抗うことになるでしょう。キリストを信じた初代の教会の使徒たちも、権威者である宗教家たちから脅しを受けた時「人間に従うよりも、神に従わなくてははなりません。」(使徒言行録5:29)とはっきり宣言して、何度も殺されそうになりましたが、神様は彼らを守られたことが記されています。しかし、エジプト王は助産婦ではなく、全国民に命令します「(ヘブライ人の)生まれた男の子は一人残らずナイル川にほうりこめ。」と。この命令が出されて、いったいどれほどの男の子が殺されたのでしょうか。

 次の章では、「十戒」という映画でも知られる、ヘブライ人たちをエジプトから脱出させるリーダーとなる、モーセの話に移っていきます。  (新共同訳聖書引用)