笹川賞の最終日、浜名湖に駆け付ける道すがら、わたしとケコたんはこんな話をしていた。
その前日、笹川賞の準優。
白井のアニキが待機行動違反を取られて賞典除外になった。
わたしは瓜生さんとみっくんと池田氏と徳増さんの次にアニキを愛しているので、勝利していながら優勝戦に乗ることができない、その結果に対してはもちろん複雑な気持ちでいたけれど。
その一方で、こうも思っていた。
…アニキは、誰のために、この台から消えたのだろう。
誰が勝つための踏み台となったのだろう、と。
結果として、それは岡崎くんだったわけだけど…彼とて、ひとつ前の総理杯では劇的なドラマを演出する布石のひとつにならざるをえなかった。
誰かの背中を踏みつけて、他の誰かが飛び立ってゆくその構図。
もちろん、勝った選手には勝つために必要な要素が備わっていたがゆえに勝ったのだろうけれど。
しかし、勝負というものが持つ特性、それ以上の業のようなものを、わたしはそこに感じている。
…待機行動違反自体には、まぁ、色々と思うところがあるのだけれど。
ああしたルールが厳正なものでないのは、ある意味仕方がないことだと思う。
見ていてもあまり理解できないことにはかなりやきもきするけど、結局は、「どこまでやっていいのか」をはかる選手側と、「どこまで許すか」を慮る施工者側のギリギリの駆け引きなのだろうから。
何度もそれを繰り返すうち、どうしてもその認識は甘くなってくる。
どこかで引き締めなければならないし、それに準優、その第一戦目が選ばれるのは自然な流れのような気もする。見せしめ的な部分があるのは、どうしても否めないけれど。
そもそも待機行動違反を取られる選手、というのは大体決まっている。
そして、その性質やスタイルも、ある部分で似通っている。
何かと衝突しても引くことのない強さを有している選手だからこそ、ルールにさえ果敢に挑むのだろうから。
わたしは、アニキのそういうところが好きなのだから、仕方ない。
また、別の局面を思い出す。
2007年の笹川賞も、波乱に満ちた準優だった。
あの時、アニキは凄まじいばかりのエンジンパワーを武器に、準優の1号艇にいた。
結果は、1マークで振り込んで、準優敗退。
そして、田村くんとユッキーが、優勝戦に駒を進めた。
…少なくとも、瓜生さんが優勝したあの日あの時、その場にあのエンジンを備えたアニキがいたら、結果は少なからず違っていたはずだと思う。
もしかしたら、瓜生さんは勝てなかったかもしれない。
松井さんと競ることはともかく、おそらく、結果としてユッキーに助けられることはなかった。あの場にアニキがいたなら、同じレースに出走していたユッキーは優勝戦には乗れていなかっただろうから。
そうした意味では、瓜生さんのあの優勝は、いくつも広がっていた可能性の道の中でも、おそらく今にも切れそうなほど細い、綱渡りみたいな確率の上に成り立った勝利だったんだろうと思う。
その時には、わからない。
でも、後から振り返ってみれば、いつもいつも、辿ってきた道の危うさに驚かされる。
足を降ろす場所ひとつ間違えれば、まったく違った未来が待っているはずだった。
わたしたちが後から「運命」と呼ぶものは、いつでもそうした繊細さに満ちている。
どんなに有り得ないと思わされる展望でも、過ぎてしまえばそれが現実、それが過去。
辿らなかったすべての可能性の道は、どんなに論じても無意味でしかない。
それは、わかっている。
しかし、圧倒的な強さで覇道を突き進んで最後の勝利を勝ち取るひともいる、けれど、わたしの見てきた優勝の半分くらいは、振り返れば、必ずどこか危うい側面を持っていた。
逆を言えば、その危うさを演出した脅威(優勝した選手にとってはね)は、なんらかの理由で途中で脱落していくのだ。
そうした巡り合わせを振り返るたびに、いつも不思議に思う。
同時に、それはひどく気まぐれで、無情なものであることを思い知る。
運命の女神に微笑んでもらえる方はいいけど、そうでない方には、やってきた現実はあまりにも無慈悲だから。
…でも、すべては、巡り巡っていくもの。
屈辱も、栄光も。
すべて、様々なものが重なり合って織り成す、ひとつの絵。
いつまでも栄光はそこに在り続けないし、辛いことも悲しいことも、いつか必ず癒される瞬間が来る。それが永遠に継続するものではないにしても。
そう、いつか、必ず。
そして、アニキにとってのそれは、今なのだと。
…それは、そう信じたい、わたしの気持ちなのだけれど。
今までを知ってるからこそ、どうか、今この時に、と願ってしまうけど。
本当は、アニキにはこんな神頼みは必要ないのかなって気もする。
どんなに不遇でも…不遇だからこそ、自分でそんな運命を切り開く力を、アニキは持ってると思うから。
だから明日は何も考えずにアニキから流したい…けど、用事があるから、見に行けないんですよね、これが…。
リアルタイムで見られないのは、残念です。
瓜生さんも、今は、苦しい時。
でもいつか、必ず、癒される時が来る。
そう、信じています。
最後まで、諦めないで、頑張ってください。
その前日、笹川賞の準優。
白井のアニキが待機行動違反を取られて賞典除外になった。
わたしは瓜生さんとみっくんと池田氏と徳増さんの次にアニキを愛しているので、勝利していながら優勝戦に乗ることができない、その結果に対してはもちろん複雑な気持ちでいたけれど。
その一方で、こうも思っていた。
…アニキは、誰のために、この台から消えたのだろう。
誰が勝つための踏み台となったのだろう、と。
結果として、それは岡崎くんだったわけだけど…彼とて、ひとつ前の総理杯では劇的なドラマを演出する布石のひとつにならざるをえなかった。
誰かの背中を踏みつけて、他の誰かが飛び立ってゆくその構図。
もちろん、勝った選手には勝つために必要な要素が備わっていたがゆえに勝ったのだろうけれど。
しかし、勝負というものが持つ特性、それ以上の業のようなものを、わたしはそこに感じている。
…待機行動違反自体には、まぁ、色々と思うところがあるのだけれど。
ああしたルールが厳正なものでないのは、ある意味仕方がないことだと思う。
見ていてもあまり理解できないことにはかなりやきもきするけど、結局は、「どこまでやっていいのか」をはかる選手側と、「どこまで許すか」を慮る施工者側のギリギリの駆け引きなのだろうから。
何度もそれを繰り返すうち、どうしてもその認識は甘くなってくる。
どこかで引き締めなければならないし、それに準優、その第一戦目が選ばれるのは自然な流れのような気もする。見せしめ的な部分があるのは、どうしても否めないけれど。
そもそも待機行動違反を取られる選手、というのは大体決まっている。
そして、その性質やスタイルも、ある部分で似通っている。
何かと衝突しても引くことのない強さを有している選手だからこそ、ルールにさえ果敢に挑むのだろうから。
わたしは、アニキのそういうところが好きなのだから、仕方ない。
また、別の局面を思い出す。
2007年の笹川賞も、波乱に満ちた準優だった。
あの時、アニキは凄まじいばかりのエンジンパワーを武器に、準優の1号艇にいた。
結果は、1マークで振り込んで、準優敗退。
そして、田村くんとユッキーが、優勝戦に駒を進めた。
…少なくとも、瓜生さんが優勝したあの日あの時、その場にあのエンジンを備えたアニキがいたら、結果は少なからず違っていたはずだと思う。
もしかしたら、瓜生さんは勝てなかったかもしれない。
松井さんと競ることはともかく、おそらく、結果としてユッキーに助けられることはなかった。あの場にアニキがいたなら、同じレースに出走していたユッキーは優勝戦には乗れていなかっただろうから。
そうした意味では、瓜生さんのあの優勝は、いくつも広がっていた可能性の道の中でも、おそらく今にも切れそうなほど細い、綱渡りみたいな確率の上に成り立った勝利だったんだろうと思う。
その時には、わからない。
でも、後から振り返ってみれば、いつもいつも、辿ってきた道の危うさに驚かされる。
足を降ろす場所ひとつ間違えれば、まったく違った未来が待っているはずだった。
わたしたちが後から「運命」と呼ぶものは、いつでもそうした繊細さに満ちている。
どんなに有り得ないと思わされる展望でも、過ぎてしまえばそれが現実、それが過去。
辿らなかったすべての可能性の道は、どんなに論じても無意味でしかない。
それは、わかっている。
しかし、圧倒的な強さで覇道を突き進んで最後の勝利を勝ち取るひともいる、けれど、わたしの見てきた優勝の半分くらいは、振り返れば、必ずどこか危うい側面を持っていた。
逆を言えば、その危うさを演出した脅威(優勝した選手にとってはね)は、なんらかの理由で途中で脱落していくのだ。
そうした巡り合わせを振り返るたびに、いつも不思議に思う。
同時に、それはひどく気まぐれで、無情なものであることを思い知る。
運命の女神に微笑んでもらえる方はいいけど、そうでない方には、やってきた現実はあまりにも無慈悲だから。
…でも、すべては、巡り巡っていくもの。
屈辱も、栄光も。
すべて、様々なものが重なり合って織り成す、ひとつの絵。
いつまでも栄光はそこに在り続けないし、辛いことも悲しいことも、いつか必ず癒される瞬間が来る。それが永遠に継続するものではないにしても。
そう、いつか、必ず。
そして、アニキにとってのそれは、今なのだと。
…それは、そう信じたい、わたしの気持ちなのだけれど。
今までを知ってるからこそ、どうか、今この時に、と願ってしまうけど。
本当は、アニキにはこんな神頼みは必要ないのかなって気もする。
どんなに不遇でも…不遇だからこそ、自分でそんな運命を切り開く力を、アニキは持ってると思うから。
だから明日は何も考えずにアニキから流したい…けど、用事があるから、見に行けないんですよね、これが…。
リアルタイムで見られないのは、残念です。
瓜生さんも、今は、苦しい時。
でもいつか、必ず、癒される時が来る。
そう、信じています。
最後まで、諦めないで、頑張ってください。