エッセンシャル出版社のブログ -11ページ目

エッセンシャル出版社のブログ

本質を共にワクワクしながら探求し、共にワイワイと創造していく出版社です。主に育児・教育・子育てに役立つ内容をアップします。「今までにない新しい視点」の本、「自分と対話する」ための本、「人生が変わるきっかけ」としての本を生み出すことを目指しています!!

音楽の練習はつらくて当たり前?「子どもたちの特性を活かした本物の音楽と楽しいレッスンを」

 

4歳からチェロを始め、桐朋学園大学音楽部に入学後、フランスに留学。臼井洋治氏、倉田澄子氏、M.ミローネ氏の各氏に師事し、音楽の道を歩んできた笹森壮大さん。

子育ての分野に造詣の深い、花まる学習会の高濱正伸さんと意気投合し、子どもの音楽教育への情熱とともに、花まる学習会の音楽教育部門「花まるメソッド音の森」(現 アノネ音楽教室)を立ち上げましました。

 

これまでの子どもたちへの音楽指導に問題意識を持ちながら、よりよい音楽教育を追究した結果、教室の入会者は5年で1000人を突破。子どもたちが、「本物」の音楽を楽しく学んでいます。

 

そんな笹森壮大さんの音楽教育とは?
ご家庭でのレッスンのヒントもいっぱい
です。

 

 

下記、笹森壮大(著)『幼児期だからこそ始めたい 一生ものの音楽教育』より
 

 笹森さんの音楽教育への問題意識


◇指導者の絶対権力の存在  

 

音楽高校に通っているとき、小学生が大半を占めるジュニアオーケストラの手伝いをすることになった笹森さん。ここで、生徒がレッスンの内容で振り回される様子を目にしました。ここでは2人の指導者が隔月で教えていたのですが…。その様子を本文より抜粋すると、

 

A先生が指導に来ると、
「なんでこんな弓順で弾いているんだ? それに、この指番号もおかしい!」
と、子どもたちが考えて決めたことを頭ごなしに否定します。そして子どもたちはA先生の決めた弓順と指番号に従い、譜面を書きなおします。

 

しかし、次の月にB先生が来ると、
「この変な指番号はなんだ?」というのです。生徒が
「A先生が変えました」というと、B先生は
「こんな弓順ではモーツァルトは弾けない。A先生のことは無視していいから」といって、書きなおさせます。

 

このような様子だったそうです。つまり、先生たちの派閥争いに生徒たちが巻き込まれているという状況でした。

 

笹森さんは、「指導者がまるで神様のように振る舞う」ことは、スポーツ界でも問題視されているとした上で、これは音楽の世界でも至るところに潜んでいることだと述べています。この先生たちは、どういう意識で生徒たちに音楽を教えているのか?「先生」として子どもたちに素晴らしい音楽を伝えていきたいのではないのだろうか? 笹森さんの疑問は募ります。

 

◇教育を学んでいなくても音楽の指導者になれる?

 

これらのことから笹森さんが気づいたのは、「経験則」で先生になれてしまうという現実でした。

 

音大を出るなどし、音楽と真摯に向き合ったことがなかったとしても、趣味の延長線上で音楽を教えることができる。また、演奏家になれるのはほんの一握りの世界で、人生の選択の消去法として先生を選ぶということもできるのです。

 

教育者としても尊敬でき、音楽家としても素晴らしい両輪を兼ね備えた先生に、たくさん出合ってきた笹森さんは、「そうでない人」が音楽を教えていることに強烈な違和感を覚え始めます。

 

そんな笹森さんの脳裏には「教育者の集団で音楽教室をつくること」が浮かぶようになります。

教育に志をもち、研鑽を積みつづけられる組織ができれば、子どもに対しても適切な指導ができ、現状の問題意識を解決できるのではないか

そのような志のもとに立ち上げられたアノネ音楽教室では、長い研修期間を経た先生たちが、子どもたちに「本物の音楽」を「楽しく」教えています。


子どもの特性を知り尽くした上でのレッスン方法…いくつかの例をご紹介!


1.「反復」が苦手な幼児の特性に合わせた声かけを

 

「さっきのところのテンポが崩れたから、もう1回弾いて」

 

この声かけのよくない箇所はどこだと思いますか?「もう一回」と「崩れた」という言葉です。

 

代わりに、「今度はこのテンポで弾けるとかっこいいな」このような声かけをするのが、笹森さん流です。

 

音楽の練習は「反復」がメインですが、子どもは、この「反復」や「振り返り」が苦手だという一大特性があるため、「もう一回」という言葉は好ましくありません。そこで、「じゃあ」「今度は」「そしたら」などといった「前に進んでいる感じがする言葉に置き換えます。

 

また、「崩れた」などのマイナスのイメージの言葉は使わずに、ポジティブで未来志向な言葉を選ぶようにしましょう。

 

2.「じっと座っていられない」年齢の子どもたちには…?

 

幼児(4〜6 才児)が30 分間座っていられるのは奇跡だといいます。

「別の場所で楽器を習わせようとしたんですけど、落ち着きがなくて座っていられず、まだ始めるのは早い、といわれてしまいました。そんなうちの子でも、大丈夫でしょうか?」という問い合わせがきた場合、笹森さんはもちろん大丈夫ですよ。落ち着きがないのが幼児の特性ですから」と言いきるそうです。

 

この幼児の特性を踏まえて笹森さんがレッスンに取り入れているのが、「子どもが、じっとしていられずにむずむずしてきたら、あえて動きのある遊びをする」というもの。

 

ex) 「シークレットミッション」
笹森さんが最初所属していた花まる学習会の年中年長クラスで取り入れられている方法です。

 

子どもがむずむずしてきた瞬間に

「部屋のなかにある青いものはいくつかな? 数えてみよう、よーいドン!」「ドアノブにタッチしてこよう。10数えているうちに3回行って帰ってこられるかな?」

などの声かけをします。眠くなりそうだった子どもたちの目の輝きも戻るそうです。

 

3.モチベーションを下げない工夫 ―スモールステップ

 

「曲の完成形」を目指す音楽のレッスンでは、そこに到達するまで一度も褒められないということもあります。しかし、実際は少しずつでも成長しているもの。これを見逃してしまうと、子どもは音楽が嫌いになってしまいかねません。そこで、笹森さんが取り入れているのが、「スモールステップを見つけて褒めてあげる」ということ。例えば、ピアノの場合、綺麗で伸びやかな演奏まで到達していなかったとしても、1曲弾けるようになったら、グランドピアノのふたを全開にして「小さな発表会」のような雰囲気で演奏させてあげます。教える側がスモールステップでゴールを設定し、成長を認めてあげることがとても大切なのだそうです。

 

4.練習していないのに「練習した」―欺きも成長の証。でも、練習をしてもらうためには?

 

「嘘をつかないようにさせる」「親に対してごまかさないようにさせる」という考え方もあるでしょうが、「欺きも成長の証」と捉えている笹森さん。

 

以下の2つの仕組みを作ることで、「子どもが練習する環境」を整えることを勧めています。

 

ひとつは、「練習をする場所」

お母さんが付きっきりで練習を見なかったとしても、「お母さんの背中が見えるくらいの適度な距離」にいることで、子どもは学習に集中できるといいます。

 

もうひとつは、「見えないものを見えるようにする仕組み」

 

① 練習のノートや、回数のチェックリストをつくる
 

② 1 週間の目標は、スモールステップで細かく「ここまではできるようにする」という設定をする
 

③ 一人で練習できるようになるのが、お母さんに口出しされたくないものの、成長は認めてほしい時期(個人差はあるが、花まる学習会で「青い箱」といわれる10歳より上の年齢)なので「ここだけはお母さんがチェックする」というところをつくる ※お母さんが分かる範囲で。

 

これらをお母さんがチェックすることで、「10回練習したの!? 」などと叱ることなく「残念、できていないね。できるまで練習してね」などの声かけができるようになるというメリットも。


音楽教育についてのお母さんの悩みで多いのは?
 

保護者の方からのお悩みで非常に多いのが、「うちの子は譜面を読めない」というものだそうです。

 

ドレミを読み解く「読譜」ができれば、楽器が弾けるかというとそうではなく、その音をどの指で弾くかという「指番号」に置き換える必要があります。

 

よく、譜面を読むのが苦手なお子さんのお母さんが、楽譜に「音」を文字にして書いてしまうそうですが、実は「指番号」を書いたほうが、演奏しやすいと言えます。

 

また、ひとつの曲をある程度弾けるようになると、その後の練習では譜面を見なくても大丈夫になり「読譜」をしなくなりますが、笹森さんは、その間も読譜の練習を継続することを勧めています。

 

読譜の力がしっかりつかないままに、より難しい曲に入ってしまうと、そのタイミングが入試などと重なったうえに、譜面が読めないことで練習にも余計時間がかかる…また、これが思春期に当たれば反抗期とも重なり、親子関係もぎくしゃくしてしまう…「読譜の練習がしっかりなされてこなかったこと」がこれらの原因となってしまうのを阻止するためです。

 

笹森さんは、これを突破することができず に「本当は続けたいのに音楽の習い事を断念せざるを得ないケース」をたくさん見てきたといいます。

 

そこで笹森さんは、「毎日コツコツ全員が読譜の練習を積みかさねることができる」アプリを開発しました。目や耳に負担をかけないよう、制限時間は10分間。読譜の力をつけるには、短い時間でもぐっと集中してたくさん譜面を読む練習をする必要があります。「初見の力」も鍛えることができます。

 

笹森さんが中学生で音楽での進学を考えたとき、ソルフェージュ( 楽譜を読むことを中心とした基礎訓練)などをする必要が出てきて、レッスン費用がかかった経験からも「お金をかけないと習えないようになっている」ことへの問題意識がありました。

 

また、「音楽教室を巣立ったあとでも、アンサンブルなどで、パッと譜面を読んで演奏をすることができるように」との願いもあって開発されたものだそうです。電子音に抵抗のある人もいるかもしれませんが、「電子音ではだめだ、と決めつけるのではなく、電子音として何を聴くのかを選択し、用途によって使い分けることが必要です」と述べています。

 

笹森さんは、ご家庭で音楽の練習を「生活の一部にする」ことを勧めています。子どもは、習慣にしてしまえば、練習を苦痛に感じなくなります。

 

大切なのは、練習を始める時間を変えずに固定してしまうこと。

 

「1 日のうちのどこでもいいから30分」とするくらいなら、「毎日決められた時間から15分」として、「この時間にやることが当たり前」にすることがポイントなのだそうです。

 

決められた時間に練習を始められた場合は、褒めてあげて、子どもが練習を苦痛と思わないような工夫をしましょう。

 

 ◇笹森さんからの簡単チェックポイント!

・練習で「もう一回」と言っていませんか?
・練習が質のよいストレスになっていますか?
・回数を基準にした練習をしていませんか?
・お子さんは無意識に弾いていませんか?
・「引けるようになったら終わり」と思っていませんか?

 

 

― 笹森 壮大( Sasamori Sota )

 

 

桐朋学園女子高等学校音楽科(男女共学)を経て、桐朋学園大学音楽学部に入学し、2008年よりフランスへ留学。チェロを臼井洋治、倉田澄子、ほか、各氏に師事。2015 年、花まる学習会にて音楽教育部門「花まるメソッド音の森」を立ち上げる。また保護者向けの講演会も多数行っている。著書に『感性と知能を育てる 音楽教育革命』『幼児期だからこそ始めたい 一生ものの音楽教育』がある。

2019年、花まるグループから独立し、「株式会社グランドメソッド」「株式会社国際音楽教育研究所」を設立。2020年1月、音楽教室の事業名を「アノネ音楽教室」に変更。

 

 

『幼児期だからこそ始めたい 一生ものの音楽教育』の紹介
「音楽を通してより豊かな人生を」
「本物の音楽を楽しく学ぶ」

これまでの音楽教育に疑問を投げかけつつ、子どもたちの音楽教育に情熱を注ぐ、笹森壮大氏の著作。

ご家庭の練習にも参考になるヒントがいっぱいです!

“ジャズピアニスト・数学教育者 中島さち子氏推薦”
「魅力的な人を育てる」花まる学習会が始めた、とっても面白くて革命的な音楽教室「音の森」。代表笹森さんの、音楽・教育・人間に対する深くてまっすぐな視点は、これからの時代の人生や教育のヒントに満ち満ちています!

 

 

 

 

■エッセンシャル出版社LINE公式のご案内

 

 

エッセンシャル出版社の公式LINEです。
今、エッセンシャル出版社のLINE公式に登録していただくと、

「風の時代を先取りする生き方」を実践しているギフトを生きるアーティスト・石丸弘さんの電子書籍をプレゼントしています。
その他、無料プレゼントや、オススメの情報、イベント情報などを配信しております。

是非、ご登録くださいませ。

 

 

 

 

情報として数値を出すことで、何も言わなくても、見た人が自然とその数値を意識して、より良いとされる方向にもっていこうとするという効果があります。だから、「”数値”を積極的に使おう!」というビジネス論もありますよね。
 

ただ、今回は、その数値を見ることによって、逆に、陥りやすい側面について考えてみます。


 

 

こんにちは!エッセンシャル出版社の小林です。

私たちが、”本づくり”をしていく上で、日々、どのようなことを考え、どのような目的で本をつくっているか、記事風に残していきたいと思います。
 

【プロフィール】

大学卒業後、年中~小学校6年生までの子を対象とした塾、花まる学習会に入社。将来メシが食える大人になること、魅力的な人になるということを教育理念の事業で、授業や野外体験の引率などを行う。授業など子どもたちに関わる傍ら、広報部、講演会事業、ブロック責任者などあらゆる業務にも携わる。現在はエッセンシャル出版社で、本づくり、広報など、出版業に関わる全てに携わる。
エッセンシャル出版社: https://www.essential-p.com/

 

先日、絵本の学校の審査員をしました。この学校のコンセプトはとてもユニークで、学校の中間発表として、生徒それぞれが、まだ完成していない企画段階の自分の絵本企画についての発表会を行い、そこで審査員や聴衆からのコメントを参考に、企画をブラッシュアップしていき、さらに後半の授業を受けながら、作品をつくりあげていくというものです。
 

発表会に参加された生徒の方々は、それぞれがオリジナリティのあるコンセプトで、発表も上手、企画内容もよく練られていて、本当に素晴らしい種から芽が出ていたので、ここから更にいい栄養をとり(授業を受け)、いい花が咲く(絵本ができる)のが楽しみです。


そして今回、一緒に審査員として入った編集者のISOOさんが、”本の制作”ということを客観的に見て、気づいたことがあったそうです。


それは、本を制作していくときに、いろいろな視点を持ち、「構成」も「作画」も「物語」も「コンセプト」など、全て総合的により良くしていこうと思いがちですが、実際には、案外、そういう本は「弱い」という事実です。全部、総合的に良いのだけれど、それよりも、たとえ他の要素が弱かったとしても、圧倒的な一点がないと、「誰にも刺さらない」のではないかという点です。

 

人が書籍を購入するときに考える視点を分析して考えてみます。

たとえば、組織の構造について課題を持っていて、それを解決するために本を探しているとします。

・具体的に想定されていて、自分が実践できそうな内容がありそうか?
・「あ~知っている」というのではなく、新しい視点が知れそうか?
・自分にとっての読みやすさがあるか?
…etc

 

どんなことを基準にしてもいいのですが、書籍を購入する際には、自分が大事にしている基準の中で、1位の本を買うのではないでしょうか。

 

たとえば、文字より図などで構造を理解する方がイメージできるという人がいたとします。

同じテーマで、

■文字だけの本、

■一部が太文字になっている本、

■図も入っている本があったときにどれを選ぶか?と考えると、「図が入っているもの」になると思います。

 

つまり、自分が知りたいテーマの本の中で、何か一部分で1位にならないと、本を購入する選択肢としては、まず選ばれないのです。全ての項目が2位、3位で良書だとしても、なかなか選ばれることがなくなってしまうのです。
 

どこかの要素・特徴でNO.1であること、1位になっているということ、圧倒的な一点があることが重要になるとは、そういう意味合いなのです。

 

エッセンシャル出版社の本の中で、「タイトル」という視点で考えてみると、『小3までに育てたい 算数脳』という書籍や、『学校は行かなくてもいい』という書籍は、読んでいただく対象を明確に絞った本です。

 

たとえば、『学校は行かなくてもいい』という本であれば、もちろん学校に行った方がいいと考えている方にも視野を広げるという意味では読んでほしい本です。でも、『学校は行くべきだけど、行けないときがあってもいいと思う』といったタイトルだと、主張が伝わりにくくなっていたと思います。

 

この書籍は、類書と呼ばれるような本としては「不登校を直す」系の本が並ぶ中で、反対の主張である「行かなくて”も”いい」というタイトルにしたことによって、反対の視点を持ちたい人には、Only 1の本(他の類書と比べてテーマ的に1位)という位置付けになったことが、ベストセラーになった一因なのではないかと思います。

(まとめ)

 

音声配信で収録している「ミライ会議」でも、改めて「総合点をあげるのではなく、一点突破」について、今後も考えていこうと思いました。

 

エッセンシャル出版社の個性、一点突破する場所はどこになるのでしょうか?

さらに思考を深めて、考えていきたいと思います。

 

 

 

 

お読みいただき、ありがとうございました!

 

■エッセンシャル出版社LINE公式のご案内

 

 

エッセンシャル出版社の公式LINEです。
今、エッセンシャル出版社のLINE公式に登録していただくと、

「風の時代を先取りする生き方」を実践しているギフトを生きるアーティスト・石丸弘さんの電子書籍をプレゼントしています。
その他、無料プレゼントや、オススメの情報、イベント情報などを配信しております。

是非、ご登録くださいませ。

 

人が自然と伸びていくリーダーが確実にやっていることに「認める」ということがあります。
しかし、この「認める」については、いいところを見つけて認めるのではなく、
一般的にマイナスと言われる要素も「丸ごと認める」ことが大切なのではないでしょうか。

■CROSS VIEW 社会の常識から外れた「らしさ」も認める

 

"丸ごと認める"ということについて、『いま、ここで輝く』の主人公である、カリスマ数学教師・井本陽久先生と、『オフ・ザ・フィールドの子育て』の著者であり、ラグビーのコーチを教えるコーチをしている中竹竜二さんの視点を掛け合わせて、クロスビューしていきます。
 

1 「らしさ」が発揮できてこそ、本当の多様性


早稲田大学ラグビー部の監督や、ラグビー20歳以下(U20)日本代表の監督を務めた経験のある中竹さんは、一般的に「よくない」と判断されるようなその子らしさであったとしても、大切にすべきだと述べています。

 

一般的に「よくない」と判断されるようなその子らしさであったとしても、それすら大切にすべきだと私は思うし、より強烈に発揮されたほうがいいと考えます。

もしかすると、それは「自分勝手」に見えるかもしれません。でも、それがその子の持つ本質なのですから、その「らしさ」が発揮されて然るべきだと思うのです。

そして、その「らしさ」が存分に発揮できてこそ、本当の意味での「多様性が認められる社会」だと私は思います。

今後は多様性を認め、また求められる社会になることは間違いないでしょう。国や文化が違う相手の多様性を認めるためには、まずは自分らしさを知っておかなくてはなりません。これからの時代を生きる子どもたちには、ぜひ「自分らしさ」を見つけてほしいと思っています。

そのために親ができることは、思い込みを捨てることではないでしょうか。「長男だから◯◯」とか、「お友だちはみんな〇〇だから」とか、そうした思い込みや決めつけをしないことです。

親は自分の子どもに対して、親自身が考える「自分らしさ」を押しつけやすいということがあるはずです。きょうだいに対して、「遺伝子が一緒なんだから、同じようにできて当たり前」と思ってしまうのも同じです。成長のタイミングが同じ人は一人としていないのですから、その点を親は本気で考えてみる必要があると思います。

『オフ・ザ・フィールドの子育て』著 中竹竜二

 

 

 

上記の記事にある、中竹さんが、型破りなキャプテンとともに学んだ1年間のお話などを読むと、「たしかにそうだな…」と思うのですが、なかなかそれを実践できる自分(親、コーチ、監督、リーダー)になるというのは難しいのではないかなと思います。


この話は、教育者の方も企業コンサルをしている方も、「そうだな…」と納得する一方で、まわりから見ると決して褒められたものではない「自分らしさ」を貫くこと、貫かせることには、とても勇気が必要で、容易なことではないと言います。
 

2  「ダメでいい、ダメがいい」という講演をしている、カリスマ教師イモニイ(井本陽久先生)の視点


言葉は違いますが、『いま、ここで輝く』の主人公である井本先生は、「(子どもの)良いところを伸ばそうなんて思っていない。ありのままを承認することで、子どもは勝手に伸びていく」と言います。

井本先生によれば、「良いところ」と認識しているのは、自分(先生側)の物差しにすぎないということです。良いところに価値があるのではなく、「基本的にまるっとそこに存在していること」、そのものに価値があるということなのです。そうして存在承認をされている子は、友達のことも認められる子になると、井本先生は言います。

 

大人がすべきことは「ジャッジされない場」を作ること

人・時間・場所がたっぷりあって、しかも目的がはっきりしない。そういう学校が楽しい場所、価値のあるものになるためには、大人の役割がすごく大事になってくると思います。

それはその学校という場を「安心して自分自身でいられる場所」にすることです。ひと言で言うと「ジャッジされない」ということですね。

自分が「どういうことをやってみたい」「どういう考え方をしている」ということでジャッジされないこと。ジャッジされないということは、「優」「劣」がないということです。

子どもにとって、自分のやり方でやっていることを、大人がふっと見たときに「ニコッ」としてくれたら、それだけで子どもは100万倍のパワーを発揮します。僕は学校というのはそれだけでいい場所だと思っています。

https://logmi.jp/business/articles/322788
カリスマ教師・井本陽久氏が語る、子育てが楽しくなる着眼点
記事より抜粋

 

また、ありのままを認めるというのは、「なんでも許容するわけではない」とも、井本先生は仰っています。

 

相手をジャッジする前に、ありのままを認める

「1年間、授業を聞かずにマンガを描き続ける子がいたとして、先生はそれでもOKという立場ですか?」。

僕のことを書いてくださった本でも、「ありのままを認める」ということを言っていますし、実際「いもいも」では、「ありのままを認める」というのがド真ん中にあります。

「ありのままを認めます」というのは、「何でもいいよ。何でもしていいよ」ということとはちょっと違うんですよね。「ありのままを認める」ということは、ずーっとマンガを描く子がいたときに、「おまえ、授業中に何やっているんだ!」ということでなくて、「マンガを描いているんだなあ」と思うということです。

そのままを見るということですね。もしその子がいたら、「お、マンガ好きなの?」とか、あるいは「授業、おもしろくないか?」ということで、そこで会話できるじゃないですか。つまり何かと言ったら、そのマンガを描いている子にとって、最初の一歩は「ジャッジ」じゃなくて、「自分のことを聞いてくれる」ということなんです。
自分のことをまずわかった上で、話してくれるということですね。それが「認める」ということだと思うんです。

前にこういう子がいました。中学1年生のクラスにずーっと寝ている子がいるんですよ。あるとき、眠っているから肩を揉んで、「眠い? 寝られない? 家であんまり寝てないの?」と言ったら、「自分は黒板を見ていると、目がチカチカしちゃうんだ」って。たぶん、知覚過敏だと思うんですけど、チカチカしちゃって痛いから目をつぶっている。そうしているうちに寝ちゃうんだって(笑)。

これ、(眠かったり、寝られていなかったりという事情とは)ぜんぜん違ったの。それで何かが起こるということじゃないんですよ。でも、その子を怒っていたら、たぶんそんなことを知ることもできなかった。結果、その子と心を通わすことはできなかったんですね。

なので、ずっとマンガを描いていることがいいかどうかについて、「何でもいいよ」ということとは違うんです。それは「叱りなさい」ということではないんですよ。それよりも、その子が「マンガを描きたい」と思っていることを、こっちがちゃんと受け止めるということですね。そこから始まるということですね。

https://logmi.jp/business/articles/322788
カリスマ教師・井本陽久氏が語る、子育てが楽しくなる着眼点

記事より抜粋

 

つまり、「あるがままを受け止める、まず存在を承認している(良い、悪いという視点を入れない)」ということが大切なのだと思います。
井本先生は、この存在承認を子どもだけではなく、関わる人、全員に自然に行なっています。だから、井本先生の授業を見学にきて、そのまま居ついてしまう先生方も多いそうです。

井本先生は、「その子らしさ、自分らしさに良いも悪いもない。存在をまるごと承認する」ということを実践されている教育者の一人なのだと思います。
 

 

 

 

 

 

 

◆井本先生の紹介◆

井本陽久さん。通称「イモニイ」。
全国から「一目見たい! 」と視察が殺到するカリスマ数学教師。
その授業では、一体何が行なわれているのか?

「教師としての正しさにとらわれるのは、もうやめた」
「先生が誰を教えても同じようにできる授業なんて、価値がない」
「教えられたことは身につかない」


イモニイの授業は、これまでの古い教育というレールから、新しい教育が向かうべきレールを指し示してくれる。
教育とは、「何を教えるかより、誰に教わるか」が大事であることを思い出させてくれる。

イモニイの授業で大切にしているのは、「ふざけ」「いたずら」「ずる」「脱線」!?

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介されて大きな反響を呼んだ、独創的な授業で子どもたちのやる気を引き出す名物先生の、笑いと涙のルポルタージュ!

 

3  丸ごと認める/凸凹があってこそチーム


別の業界で言うと、私の好きなユーチューバーのヒカルさん(チャンネル登録者416万人 2020年9月8日現在)も、存在承認ができ、「社会の常識から外れる自分らしさ(その人らしさ)」を丸ごと受け入れることができる一人です。
 

以前、遅刻するメンバーについての動画があったときに、コメント欄でそのメンバーが叩かれている件についての考えを話していました。


そもそも、
遅刻するところも含めて、そのメンバーのことが好き
それも個性であり才能だと思っている
遅刻によって欠けたときにはどうにでもするように考えている
ということを、ヒカルさんは話していました。


そして、「一般社会ではないこの世界、この会社にいるのだから、この社会(YouTubeの世界)で輝ける才能をつぶさないようにしたい」とも。

このチームにおいて、クズって言われるポジション(動画でダメな自分らしさを出している人)は、嫌われるポジションだけど、一番、かっこいいポジションだと思っている。

ダメな面を見せてくる人がいると、普通の人の好感度が自然とあがってしまう。普通の人が「まともな人」と認識されるのだ、と。
全員がいいやつだと、誰の好感度もあがらない。
チームとしても同じような人ばかりだと、魅力がない。


「メンバーの個性を生かすも殺すこっち(上司)次第なのだから、自分はこの人の個性を活かしつづける」
「助け合いの精神で考えれば、そのメンバーが得意なところ、誰にも真似できない、チームとして必要なことをちゃんとやっている」とも、ヒカルさんは言っていました。
 

怒ることで人を伸ばすというのは、古いし、それでは人は伸びない。

人は褒めて伸ばすもの。

その人が伸び伸びした状態で、うまく使うのが仕事、上司の役割だと思っている。それぞれの人にあった、ポジションに立たせればいい。

短所を改善して伸ばそう!みたいなのは、ナンセンスだと思っている。
直したことによって、いい部分が消えてしまう。

普通の人間が生まれてしまう。個性が消えてしまう。その方が損失だと思っている。ただ、体調が悪いとか何か原因があるのかも?と思い、病院に行って休ませる時間をとるという改善はしている。


ヒカルさんの考え方が、どうして印象に残るのかというと、YouTube上でいろいろな物語を見せられた上で、語っているからなのだと思います。

まるで、ある種のドラマをみているようなイメージです。


実は、社会の常識から外れた「その人らしさ」を許容できることについて、中竹さんと井本先生、ヒカルさんに共通しているのは、「自分の苦手なこと、ダメなところ、不得意なところ」について、先にさらけ出しているという点です。

 

「自分を自分のまま伝えている」というところこそが、この3人の最大の強みであり、だからこそ、他の人の凹凸も丸ごと承認ができ、人が彼らについていくのだろうなと思います。

 

(まとめ)

 

「丸ごと認める」ということは、「知識」として得ることと「実践できる」ということに、最も大きな壁があるテーマなのではないかと思います。

 

ふと、イメージとして浮かんだのは、友達の実家に遊びに行ったときに、「あれ?この人、こんなに自由奔放で、わがまま言うんだ!」みたいな情景でした。友達は、ありのままを認めてくれる親の元で、自分らしさ全開で伸び伸びとしている子どものようでした。大人になっても甘えさせてくれる、「自分が生きているだけで幸せ」と言ってくれる親の元で伸び伸びしている様子を思い出しました。

 

井本先生も、過去には、「許せない」「これはダメ」というものがたくさんあったと言います。

 

自分の価値観があるから、その価値観から外れた、その人らしさを認められなかった。でも、「これが大事だ」という価値観よりも、子どもたちの生き生きしている姿を見てしまったら、そっちのほうがずっと説得力があった。彼らの魅力のおかげで、自分が持っていた「こうすべき」「これは良くない」という価値観を捨てられて、自由になれた・・・と、井本先生は、ご自身の過去を振り返って、そう言います。

 

もし、他者に対して、矯正したくなる想いが出てきたら…

 

1、その状態を、そのまま「状態(良い悪いはない)」として受け入れてみる。

2、相手にとって自分はジャッジしない安心できる居場所になっているかを考える。

3、そのままを認めてみる。(そのことにより、自分の固定概念から解放されるかもしれません)

 

 

【参考著者】

 

―中竹竜二( Nakatake Ryuji )

 

株式会社チームボックス代表取締役
日本ラグビーフットボール協会理事

1973年福岡県生まれ。早稲田大学卒業、レスター大学大学院修了。三菱総合研究所を経て、早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任し、自律支援型の指導法で大学選手権二連覇を果たす。2010年、日本ラグビーフットボール協会「コーチのコーチ」、指導者を指導する立場であるコーチングディレクターに就任。2012年より3期にわたりU20日本代表ヘッドコーチを経て、2016年には日本代表ヘッドコーチ代行も兼務。2014年、企業のリーダー育成トレーニングを行う株式会社チームボックス設立。2018年、コーチの学びの場を創出し促進するための団体、スポーツコーチングJapanを設立、代表理事を務める。ほかに、一般社団法人日本ウィルチェアーラグビー連盟 副理事長 など。
著書に『新版リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』(CCCメディアハウス)など多数。
2020年、初の育児書『どんな個性も活きるスポーツ・ラグビーに学ぶ オフ・ザ・フィールドの子育て』を執筆。

 

◆『オフ・ザ・フィールドの子育て』の紹介◆

本書では、「多様性」というキーワードに着目し、それを独自に育んできたラグビーに学ぶことで、子どもたちに多様性を身につけてもらえる、子育てをよりよくできるのではないかと考えました。

教えてくれるのは、「コーチのコーチ」をしてきた“教え方のプロ”である中竹竜二氏。

さらに、花まる学習会を主宰する高濱正伸先生から、著者の考えに対して、「子育て」や「学び」の観点から、適宜コメントを入れていただきました。また、巻末にはお二人の対談を掲載し、ラグビーに学ぶことの意義についてご紹介しています。

改めて「ワンチーム」という言葉の意味や、ラグビーが大事にしてきた「オフ・ザ・フィールド」という考え方を知ることで、わが子の個性をどのように活かしたらよいかを考えるきっかけとし、わが子が実際に輝ける場所を親子で一緒に見つけてほしいと思います。

“サンドウィッチマン推薦! ”
ラグビーがなかったら、いまの俺たちはいなかったと思う。
「中竹さん、ラグビーから学んだことは、今に活きています! 」

 
 

 

 


 

 

◆『オフ・ザ・フィールドの子育て』の紹介◆
[目次より]

1章■「自分らしさ」を見つければ、可能性はずっと広がる!
人を育てるための第一歩
自分との向き合い方、振り返り方
「好き」と「得意」は分けて考える
弱さをさらけ出すことを恐れない/「自分らしさ」を見つける方法 ……ほか

2章■off the fieldで子どもを伸ばす親の6ヵ条
親が陥る間違った「期待」のかけ方とは?
成功している未来の自分に会いに行く
子どもを伸ばす親になるための6ヵ条
成長の度合いを測る方法 ……ほか

3章■自他ともに成長するための「フォロワーシップ」
全力でフォローする人がいるチームは強い!
全員がリーダーになる必要がある時代
ラグビーが多くの人に感動を与えた理由
型破りなキャプテンとともに学んだ1年 ……ほか

4章■特別対談vs.高濱正伸さん
 
■エッセンシャル出版社LINE公式のご案内

 

 

エッセンシャル出版社の公式LINEです。
今、エッセンシャル出版社のLINE公式に登録していただくと、

「風の時代を先取りする生き方」を実践しているギフトを生きるアーティスト・石丸弘さんの電子書籍をプレゼントしています。
その他、無料プレゼントや、オススメの情報、イベント情報などを配信しております。

是非、ご登録くださいませ。