◆横浜市鶴見区のお客様・ヤマハC3+PPC500Rの調律
お部屋に入ると空気が心地良くてホッとしました。
エアコンのみのご使用ですが、
湿度55%くらいでキープされています。
弾いてみても響きには安定感があって
変化は通常の範囲内。
調律すればコンディションは良好に戻りそうです。
欲を言えば“湿度はあと5%低く…”かもしれませんが、
ピアノの状態から
エアコンで十分湿度管理できていると
判断できるでしょう。
お客様にもそうお伝えしました。
湿度管理は
お部屋の広さ、方角、気密性、
エアコンの機種など
色々な要素が絡みますので、
一概に
『エアコンで除湿かけてるから』
『除湿機つけてるから』
で終わらず、
まずは湿度計で実際の湿度を確認して、
それを元に心地よい環境へ調整されることを
おすすめします。
───
“PPC500R”というのは
1990年代から2000年代ころの
ヤマハの自動演奏付きピアノに使われていた
コントローラーです。
フロッピーディスクで演奏データを録音・再生。
今の自動演奏装置はもっと技術が進んでいて
私は正直よくわからないことが多いですが、
この頃のものは触れる機会がありました。
フロッピーディスクドライブは
数年前に不具合が出て交換済み。
これは純正品を注文して私が作業しましたが、
ヤマハさんでは出張修理の申し込みフォームを
公開しています↓
【ヤマハ ハイブリッドピアノ 出張修理サービスのお申し込み】
https://inquiry.yamaha.com/contact/?act=1023&lcl=ja_JP
ちなみに“ハイブリッドピアノ”とは、
アコースティックピアノとデジタルピアノの
特長を融合させたピアノの総称で、
●アコースティックピアノ+電子機能
(消音機能付き、自動演奏機能付き等)
●電子ピアノ+アコースティック機構
(アコースティックピアノの鍵盤アクション搭載等)
…の両タイプがあります。
───
お客様のピアノは
ご使用の中で不具合はなく、
ご希望も現状の感じでとのことなので
こちらで変化を追って修正していきます。
まずは自動演奏機能のチェックから。
ピアニシモとペダル関連の再生テスト。
問題なしなので、
内部のメカニック(アコースティック部分)の修正へ。
これはケースによりますが、
環境と楽器がともに安定していると
音はほぼ狂いなく、
メカニックだけ変化している…
ということもあります。
ざっくり言いますと、
弦は振動しているだけですが
メカニック側はフェルトや革のパーツが
動くたびにつぶれたり擦り減ったりして、
その分だけパーツ同士の寸法が変わってきます。
今日の場合もそうで、
調律よりもメカニックを元に戻す作業に
時間をかけました。
写真は他現場でのサンプルですが、
ハンマーの動き始める位置を
修正しているところです。

直したメカニックの設定を
自動演奏の機械に読み込ませて、
最後にまたピアニシモとペダルの再生確認。
自動演奏とは言え、
最初のピアニシモとくらべて
ピアノの”アコースティックな”質感が反映されていて
ホッとしました。
お客様にもオッケーいただき
本日終了です。
ありがとうございました。
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