5月にフリーランス調律師になってからは、

エッセンス(個人事業)と、
もともと委託契約をしていた委託元1と、
5月某日より委託契約をした委託元2と、
この三本立てで活動をしておりますが、



今日は「委託元2」の技術マネージャーが
スピリオの調整をやるというので、
同行させてもらいました!



スピリオというのは、
自動演奏機能の付いたスタインウェイです。
詳細はこちら↓


スピリオは触ったことがなかったので、
中の仕組みを見る良い機会!



まずは通常の調整をして、
そこに自動演奏機能の設定を合わせ込んでいきます。

↓マネージャーの背中





鍵盤の奥に、磁力の装置があります↓






基本的な仕組みはヤマハのものと近い印象です。

ちなみにヤマハの自動演奏の仕組みはこちら↓






鍵盤シーソーのように、
支点のあっちとこっちで上下運動(実際は円運動)をしていて、
普段こっち側下に押すことで鍵盤を動かしますが、
自動演奏時は、あっち側上に上げることで
鍵盤を動かしています。



例えるなら、
もぐらたたきもぐらが、
鍵盤の奥脳天頭突きをしている感じです。
(わかりやすい?)





そこで、やはり大切なのは「接点のそうじ」で、

こんな道具で↓





もぐらの巣穴のそうじしたり↓






アルコールでもぐら自身をそうじしたり、






あとは通常の調整のばらつきを無くしていって、
もぐらの背の高さを揃えてから、
自動演奏機能の設定と合わせていきます。

調整モードもiPadと専用リモコンで操作します。
スタインウェイから与えられたキーがあると、
調整モードにログインできます。
※つまりスタインウェイがキーを与えた人しか、
この設定は触れません。



ヤマハの自動演奏の調整は、
とにかく数字で追っていくとうまくいくようなところもありますが、
スピリオは「こういう表現ができるように」というラインに向けて調整を進めていきます。

例えば、調整モード内のある曲を再生しながら、

「この曲では同じ音形の繰り返しがあるので、
二回目はやや弱めになるように調整して」

とか、

「この曲はペダルを軽めに踏むので、
その時の響きの量を確認して調整して」

とか、
そういう指示があります。



調整の段階も細かいので、さすがだと思いましたが、
温度湿度の管理は、生ピアノ以上に大変だろうと感じました。




マネージャーは用事で先に帰り、
最後に調律は私がやって、
今日は終了でした。









新品のスタインウェイは久し振りに触りましたが、
若さは感じるものの、感じの良い楽器でした。

これはニューヨーク・スタインウェイでしたが、
ニューヨークとハンブルグだと随分ちがうね~なんて
言われることも世間では多く。
 
これは個人的な感じですが、
ハンブルグもそれぞれ
ニューヨークもそれぞれなので、
構造上の特徴や、
一般的に持たれている印象の傾向など、
知っておくことは大切
かもしれませんが、
個体に対しては先入観を持たなくても良いのかな
と思っています。



あくまで目の前のピアノに向かって、
楽器がそもそも持っているキャラクターを自然に活かして
シンプルに当たり前のことを、当たり前に作業するに尽きると、
今は思っています。









帰り道、Instagramでノルウェーの方とやりとりをしまして、
なんと以前、荻窪でライブをしたことがあるとかで、
まさか近場の土地名が出るとは!
つい興奮してしまいました(笑)

遊び半分で、
ピアノのマニアックな写真を主としているInstagramですが、
色んな方がアクセスして下さって感謝!
結構楽しんでます。

ぜひ見に来て下さいね~!









まさかと思ってAmazonで調べてみたら、

これもありました。

Amazonすごいな… 


 


楽器ご購入の際は、
是非ためし弾きしてからのほうが
満足度、納得度的におすすめです。