「あなたみたいに、いろいろ悩みを抱えていると、多分色々宗教が集まってくるから気をつけなさいよ」とは、母親に言われていた。
それは、思わぬ方向からやってきた。
職場で、同じチームで仕事をしている26歳の女の子がいる。
スタイルもよく、常に笑顔で、性格も明るく、誰からも好かれている女の子だった。
その子が「お寺に通っているんです」と以前話していたことは覚えていたが、てっきり親などと一緒に、お寺のえらいお坊さんのお話とかを聞きにいっているものかと思っていた。
ところが、それは、仏教をベースとした新興宗教だったのだ。
私はその子を信頼し、仲が良いと思っていたため、「離婚問題を抱えていて、つらい」という話をした。
しばらくは普通に話を聞いてくれていたが、そのうち「私が行っているお寺に行ってみませんか?絶対、楽になりますから」と言われた。
ただ、私の母の強い教えとして
「宗教活動をするのは、自分がそうしたいというなら反対はしないが、仏教を信仰するなら、仏様を拝みなさい。それに対して、金銭が関わるようなことはやめなさい」
と言われていた。
実際、高校を出てから、新興宗教の話はいろいろと聞いており、また、私の身の回りでも騒ぎが起こっていた。
私の場合は、高校の同級生が突然大学で1人暮らしをしているアパートに電話をかけてきて
「実は高校時代から、あなたのことが好きだったんです。○○というところで待ち合わせして、デートしませんか」と言われた。
○○というのは、私はたまたま知っていたが、某新興宗教の会館が建っているところだったし、高校時代にそんなに面識のなかった人からいきなりそんなことを言われても困る、とはっきり断った。
どこから私の1人暮らしの電話番号を仕入れてきたのかと思ったら、堂々と実家に電話して聞いているのである。「高校の同窓会をしたいが、連絡先が分からないので教えて欲しい」と言われてしまうと、相手の名前もなんとなく聞き覚えがあれば、親もついつい教えてしまったとのこと。
私はまだ「未遂」で済んだが、友人はもっと仲の良かった友達から呼び出され、しかも最寄の駅までバンで迎えに来られてしまい、まわりをぐるぐる走りまわられてしまって、自分がどこにいるのかわからない状態となってしまったと言う。
そこで、「この教えに入信しなければ家には帰れませんよ」という軟禁を受け、仕方なく拇印を押して、ようやく開放してもらったとのこと。
こんなイメージが私の中での「新興宗教」だったので、いつも明るく、皆から好かれているようなかわいらしい女の子が、宗教をやっていること事態、驚きだった。