久しぶりにニュースを見て「え?」と声が出ました。
資生堂が2025年12月期、最終損益520億円の赤字に転落するというのです。
実は、30年ほど前に私が就職したかった会社のひとつが資生堂でした。
当時、海外に住んでいた友人の父親が資生堂の駐在員で、その姿が格好良かった。
モノづくりへのこだわり、洗練されたブランド戦略、そして世界で戦う日本企業。
残念ながら、私が就職活動をしていた時期はちょうど採用が氷河期。
大学名だけで書類は通ったものの、資生堂だけは面接に呼ばれませんでした。
大学院では経営を学んでいましたが、資生堂はよくM&Aの好事例として登場しました。
海外ブランドを積極的に買収し、日本企業としては珍しく“ブランドポートフォリオ戦略”をうまく使いこなしていたのです。
まさに、教科書に出てくるような企業でした。
私が社会に出てからの30年弱で、強い企業が弱くなり、無名な企業が強くなる場面を何度も見てきました。
学校も同じです。
たとえば35年前、渋谷教育学園幕張は市川や東邦よりもずっと下に見られていた時代がありました。神奈川の逗子開成も「進学校」とは呼ばれていませんでした。
それが今では全国区。教育も経営も、10年あれば「変わる」のです。
企業は10年あれば変わる。
そして、国も20年で変わる。
この見立ては、私の勝手な経験則です。
総合商社が就職人気ランキングの常連であり続けるように、資生堂もいまだに就活生の憧れブランド。
おそらく、「ブランドは復活する」と信じている人が多いのでしょう。
企業に対するロマンが残っていること自体、悪いことではありません。
とはいえ、経営目線で見れば、今の資生堂の戦略は少し中途半端にも映ります。
リストラ、構造改革、コストカット、どれも正しい方向性ではあるものの、物足りなさを感じます。
資生堂には、再び世界で輝いてほしい。
私とは縁がなかったけど、いまも心の中で復活を願っています。