♪フェンダーのROSEが鳴っている。。。 | ☆えすぎ・あみ~ごのつづりもの☆

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家電量販店に行くと

気がついたら 鍵盤の前に立っている

 

エレクトーンやテクニトーンじゃなくって

カシオだっだりするけど

電源つないであったら

シロクロの鍵盤を触ってしまう

 

 

幼い頃 YAMAHAで覚えた

課題曲は

勝手に 両手が動くのに

大人になって 覚えたPOPSは

音程を 拾って

おぼつかない

 

 

でも TEENAGERの頃歌った

あのヒット曲は

コード進行を覚えていて

その場で弾き語りは

はずかしいけど

頭の中で その演奏が鳴っている

 

勝手に バンドアレンジして

ついでに タイコやベイスも鳴っている

LIVEのワンシーンが

瞳に映っている

 

いつのまにか 自分が

J・D・Souther や Jackson Browne に

成っていて

時には Janis Ian や尾崎亜美さんに

成りきっていて

 

その頭の中の音で

別世界へ ワープしている

 

 

でも 私が

100人以上の人前で

鍵盤楽器を弾いたのは

小学校の 合唱コンクールの時だけだ

 

「スケーター’s ワルツ」だった

グランドピアノだった

 

鍵盤が重くって

へたくそで 顔赤くなって

楽しむどころじゃない

楽譜どおりに弾くのが

せいいっぱいだった

 

手元を見ないでください

と、願った

 

私は オルガンしか弾けない

カッコ悪い手元

見ないで、と願った

 

最後に 私の合図で

発表曲の全てが終わった時

一瞬何にも音がしなくって

静か過ぎて怖かった

 

数秒後 拍手が来て

他のクラスと同じだけ拍手来て

ホッとした

 

 

そんな事があったのに

TVでYAMAHAのポプコンは

毎回 観ていた

 

優勝した歌は

いつかヒット曲に 成って行った

 

 

 

若い時にしか出来ない事

今優先してやりたい事

20代は没頭していた

 

スキーの大会で

たった一人で観客の前で

ゲレンデを独り占めして

3分間の演技を披露する

 

全日本では 3分間を4種目滑る

ピアノ弾くのと同じ

3分間だけど

あのコンクールみたいに

カッコ悪い「せいいっぱい」じゃなかった

 

観客も3万人 観ている

次の選手が 目当てだろうけど

 

同じ3分間

なのに ドキドキしなくって

怖くなくって

楽しかった3分間だった

 

音楽では

何者にも成っていない

けど 音楽が

私をSKIERにしてくれた

 

コブコブだらけの急斜面に行けば

シンコペーションや

スタッカートばかりの 細かい楽譜の歌が

私の心を沸き立たせる

 

ゆったりリズムの平らなゲレンデでは

バラードが鳴っていて

なぜだか いつも 

FENDERのローズの音だ

 

私のBPMは速くって

苦手な大回りパラレルターンを

助けてくれた

FENDERのROSEの音

 

 

 

手にしたモノは違うけど

何者かに成った自分は それがいい

 

だけど 鍵盤楽器さわると

その事を思い出す

 

だから なのか

なのに なのか

眼の前のシロクロの鍵盤は

カシオのキーボード

 

電気屋さんの鍵盤なのに

コード進行を奏でると

FENDERのROSEが鳴っている

 

頭の中で

あの音が鳴っている

 

ときどき鍵盤触ると

気分が落ち着く

 

心地好い疲れといっしょに

公休のぼんやり時間

FENDERのROSEが 鳴っている

 

ブロンド・テリーでも

ブラックのストラトでも なくって

FENDERのROSEが鳴っている

 

おぼつかないけど

頭の中は 鳴っている