神辺櫓 | 根多帖別冊 by おしろまん

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絵を描いていますので、そちらをメインにしたいのですが、お城の論考を書いたりしており、城関係がやたらと多いブログとなっています。
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引き続き14日(日)に行ってきた福山城

シンポジウム『福山城の謎に迫る』が開催されました。内容は

九州大学木島孝之准教授 「福山城にみる近世城郭の縄張の成立と展開」

備陽史探訪の会 野毛幸司氏 「櫓の名称について」

            同・田中伸治氏 「謎の神辺櫓」

福山市社会教育課 山岡渉氏 「福山城北辺周辺について―主に切岸を中心に」

 

木島先生は私の尊敬する研究者で、そのことは後述するとして…

このシンポジウムの主催団体である備陽史探訪の会のお二方のお話もとても興味深いものでした。

曰く 福山城の櫓の名称は『備陽六郡志』から採っているが二次資料であり、異なる櫓の名称を記したものが少なくとも二種存在するとのこと。

なかでも福山築城以前に備後の主城であった神辺城から移築された伝承がある神辺櫓4棟は今伝わるものとは全く違う可能性が高いということである。

画像右がこれまで “神辺一番櫓” といわれていた三重櫓 

左は現存の伏見櫓 明治初年撮影

 

のみならず、福山築城時には神辺城は廃されていたことから、諸櫓が神辺城から移されたことすら疑問ではないか、とまでいわれていた。

 

通説を疑い、真実を追求しようとする備陽史探訪の会の皆様の姿勢はとても好感が持てます。