『鉄』 の字が付くだけで、イメージまでが “稲葉一鉄” っぽいと考えるのは危険ですね…
ぼくもこれまでは、田北鑑重 入道 紹鉄 というひとは アタマの固い一徹モノだと思っていた、むろんただのイメージではあります。
そういうイメージで彼を見ているひとは多い。
かわいい弟を戦で失い、敗戦の責任をすべてその弟に押し付けようとするそのときの総大将・田原紹忍
それに激昂し、紹忍を罵り、挙句紹忍の讒言に遭い追い詰められ熊牟礼城に盾籠もる。
同情した南郡衆 (紹鉄も入る、志賀・一万田など直入・大野郡の家臣) に、「一旦筑前へ落ちて再起を図られよ」 といわれ途中の日田郡五馬荘松原で闇討ちに遭う。
以上が通説、しかし・・・
実力もない弟に家督を継がれた有能なかれが、上記のような経緯を辿るだろうか。
ぼくには、デキのいい弟しかいないのでわからないが、デキの悪い子(弟)はかわいい…しかし相手は自分が継ぐはずだった家督を、自分のチカラを警戒する主君・ソーリンにより与えられ舞い上がっている。
かれには日向高城でなくともいつか弟が “やらかす” のは眼に見えていたのではないか。つまり紹忍と同意見。
日向の大敗のあと、紹鉄はこういったはずである。
「あげなバカゴに田北を継がせたけん、こげんことになったっちゃ。わしが継いじょきゃこげんことにはならんかったっちゃ。」 心の叫びであったといっていい。
怒ったのは宗麟であったろうか、義統であったか。負け戦のあとの内乱は普通の感覚では忌むであろうから、そういう機微のわからない義統であったのではないか。
まさかそれくらいで謀反扱いされるとは思っていない紹鉄は驚いたろうが、そのうちバカの病気が収まるだろうからしばらく国外に逃れようとしたところを日田郡衆に襲われた。
通説の、紹忍が手を回したのならば日田郡衆は動かないのではないか。やはり大友家当主である義統が命じたからこそ大がかりな追討になったのではないか。
で、これらは義統ではなく紹忍に被せられた…。
こう考えると辻褄が合う、すべて憶測ですがね。
ヒステリー上司の気まぐれから逃れようとして、タイミングを見誤ったキレものだが少し棘のある部下っていますよね。
有能もしくは特技を持った部下を使いこなせなければ、その家 (会社) は滅ぶしかない。