![根多帖別冊-百景](https://stat.ameba.jp/user_images/20100121/01/esqi-oyaji/00/01/j/t01600091_0160009110383235762.jpg?caw=800)
保田義孝先生の往年の名著。鉄オタ予備軍のチロジョウが僕より喜んでいる。
サイン入りである。べつに入っていなければ御本人に頼んで入れてもらえばいいのであるが・・・
前の所有者は凄く大事にしておられたのだろう。保存状態がそう物語っている。しかしご本人が亡くなられたらしく、ご遺族の方の『もっと大切にしていただける方に』というご意思でオークションに出ていたのだそうだ。
保田先生は保田善作・日展委員に婿養子として入られ(つまり画業を認められたわけだ)一時、昨今クラウザーⅡ世の母校として有名になった犬飼中学校などで教鞭を執られた後、大分の鬱屈とした空気を良しとせず(善作先生への反発もあったろうことは想像に難くない)東京さ行ぐだ。
そしてイラストレーターとして数多くの挿絵をかかれるかたわら画技を伸ばしていった。
そして先生のターニング・ポイントとなったのが『山手線百景』であった。
この画集、出版記念展覧会について先生から聞いた事がある。(まず個展ありきで出版の方がおまけだったのかもしれないが、記憶定かならず)
「山手線百景、駅が20以上、100なんてすぐ描けると思うだろ?ところが30~40描いたら筆が動かなくなるんだよ。そこから必死で描いていくのが力がつくってことだって思ったね。」
すばらしい絵を描かれる先生でも決して天才ではない、むしろ努力できることが先生の天才といえる所以ではないのか。
誤解を恐れずに言えば、いろんな絵を見ている中で、巨匠といわれるひとたち以外で『かなわない』と思ったのは、ただ保田先生のみである。