VS きじむなー
ワタシが幼い頃、闇はスグ近くに有り、そして人々は闇と折り合いをつける術を知っていた。
「りっか♪ちゅーや、比嘉さんぬ、やーんかいいちゅくとぅ、やーんかしーしぇー」
祖父はビンシーを持ち、ワタシにはゲンノウと釘を数本持たせた。
比嘉さんの庭に、大きなガジュマルがある。
最近、おばさんがキジムナーに、ウサーレタらしい。
祖父は比嘉さん夫婦とガジュマルにウガンをウサゲた。
ワタシは祖父の書いたフーフダをガジュマルの幹に釘で打ち付けた。
帰り道、ワタシは祖父に尋ねた
「おじーは、きじむなー見たことある?」
祖父は笑って「ネーラン」と答えた。
「キジムナーからユーリーや、うんでぃうむとぉるっちゅが、うるあいだぁ、うさ」
「おじーは見たことないのに、退治できるわけ?」
ちょっと憤慨していたワタシに祖父はニヤリと笑った。
「ちゃー、まっとーばあっちゅしぇー、ぬーん、うとぅるこーねーんさ」
これで比嘉家は安心して眠れる。私達も料金を頂いた。それで良いではないか…と。

