【Self Quest Lab】演奏に関する動きを紐解く | 音楽家のためのアレクサンダー・テクニークレッスン〜フルート奏者嶋村順子

音楽家のためのアレクサンダー・テクニークレッスン〜フルート奏者嶋村順子

♪アレクサンダー・テクニークを演奏に生かすレッスン♪
~ココロを自由に、カラダも自由に、自分らしく生き、演奏する~
アレクサンダー・テクニーク教師&フルート奏者の嶋村順子です。
演奏者の心理的・身体的問題を解決する方法を探求しています。

【ラボ・クラス便り】
(アレクサンダーテクニークを深く学ぶラボ・クラスのレポートです)
 
〜演奏の動きを紐解く〜
 
今月のラボ・クラスのテーマのひとつは「演奏に関する動きの解剖学」。
解剖学の視点から紐解いて学んでいます。
この日の学びをいくつかご紹介します。
 
『アンブシュアの筋肉』
普段よく考えずにやっているアンブシュアは、いったいどの筋肉が使われているのか?
 
表情筋には本当に細かくたくさんの筋肉が存在しています。20〜30種類もあると言われています。
その中で管楽器の演奏に必要な顔や口元の筋肉を調べ、使う必要があるものはどれなのか?
口輪筋、頬骨筋、口角挙筋、口角下制筋、、、etc.
我々を含む奏者は、音のコントロールのためにどの筋肉たちをどんなバランスで使っているのか?
複数の資料を調べながら、実際にアンブシュアで試してみる。
意外な発見もあり、とても活発な意見交換がありました。
 
 
『ピアノのペダルワーク』
ペダルを多用する曲の時に足や身体に動きにくさがあるのはなぜだろう?
 
足首の動きについて、筋肉と関節の構造と機能を確認すると、
本来使われるべきふくらはぎの筋肉(ヒラメ筋、腓腹筋)ではなく、
足の指を掴む動き(短母指屈筋が痛くなっていた)で補っていたことがわかりました。
さらに、足首(足関節)や足指の骨の構造を確認した上で、床にカカトをつけたまま足首を動かす動きを確認すると、
ペダルの感触ががらっと変わりました。
それにより、体全体の動きを損なうことなくペダルを使い続けられました。
 
 
『舌がどうなっているかよく分からない』
タンギングやシラブル、音色や音程のコントロールに舌が関与しているとは思うけれど、いまいち分からない。
 
口の中は見えないので、リアルタイムで舌がどんな形でどう動いているのかを知るのはなかなか難しいですね。
でも、身体の感覚は育てることができるそうです。
口の中の様子に関心を持ち、よく観察することを続けることで徐々に分かることも増えていきます。
鋭敏な感覚のある舌先だけでなく、中央、左右の端、奥の方にそれぞれ意識を向けてみます。
 
タンギングに関しては舌先の動きは認識できていても、
舌の奥の方でどんな形になっているか、動きはどうやっているのか、息の通り道との関係はどうか、
意外と曖昧なことに気づきました。
 
試しに、50音を言う時の舌の動きをみんなで観察しました。
これは歌の方のレッスンの時、子音の探究でもよくやりますが、
舌や唇の動きを改めて確認することでたくさん発見があります。
 
次に、口笛の音程を変える時の舌の動きを観察。
口笛の音程は唇ではなく舌がやっています。
これで遊んでいるうちに、初めて口笛の音が出た人もいました。笑
 
舌の意外な動きを感じ取ることで、タンギングや音色のコントロールへのヒントが見つかりました。
 
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Self Quest Labは主に演奏する人たちが学ぶアレクサンダーテクニークスクールです。
もちろん演奏に限らず人間の動き全てが学びの題材になりますが、
演奏指導者として知っておきたいことは、やはり大切にしたいと考えています。
 
動きの解剖学を学ぶ大きな理由は、
本来の役目通りに筋肉や関節を使うことで、故障ややりづらさ、演奏の不調を防ぐことに繋がるからです。
現役のプロの演奏者でも、身体の使い方に関する知識や実践による研究の程度はひとによりまちまちです。
 
より深く知ることが、より良い演奏に繋がる「動きの解剖学」
ラボ・クラスでは実際に演奏や演奏指導に役立てるために研鑽を積んでいます。
 

 

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嶋村順子
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